系外惑星のトランジット観測とは
太陽以外の恒星で、周囲を惑星が回っている天体を 見つける観測の1つです。地球から見て、恒星の周りを 回る惑星が、恒星の前を通過したときに、その恒星が ほんのわずか暗くなります。このときの明るさの変化を とらえるのがトランジット観測です。 船穂天文台では、ハワイのすばる望遠鏡で見つけた 系外惑星の候補星を精密測光して、トランジットを とらえるフォローアップ観測と、Transit Timing Variation(TTV)観測を行っています。 TTVというのは惑星が二つ以上存在した場合、 トランジットの間隔が変化する現象です。これにより、 第2の惑星の存在を探すことができます。
TrES-3 ヘルクレス座の12.4等星 トランジットにより、約0.027等暗くなる。 観測に使った望遠鏡 口径0.355m 焦点距離2.46m 冷却CCD SBIG ST9-XE
HD189733のトランジット 2010.06.05
C8+ST9-XE no filter,C11+ST9-XEI Rc filter
TrES-3のトランジット2008.07.25 C11+ST9
観測に使用した望遠鏡
左 C14 口径0.355m SC 右 C11 口径0.28m SC
トランジット初観測
2007年に新しい冷却CCDカメラを導入して、系外惑星のトランジット観測を 始めました。最初はテスト観測としてトランジットが予報されているHD189733の トランジットを観測し、減光が捉えられるかどうかを確かめました。 HD189733 こぎつね座M27のすぐ東にある7.7等星 トランジットにより、約0.03等暗くなる。 観測に使った望遠鏡 口径0.12m 焦点距離0.60m 冷却CCD SBIG ST9-XEHD189733のトランジット 望遠鏡システム 0.12m F5