《 呼吸器外科の紹介 》
《【手掌多汗症】》


《『呼吸器外科』的治療》
   概要

基本診療方針
当呼吸器外科は、1982年、玉田二郎科主任により開設され、 当初は「呼吸器科」として内科的疾患も含む呼吸器疾患全般に対しての診療を行っていましたが、 現在は下記のような基本原則の下に呼吸器外科疾患に対して積極的に取り組んでいます。 今後もこの原則に則り、他科との連携のもとに、高いレベルの医療を実践していきたいと考えています。

基本原則
・当科では患者さんご自身の意思決定に必要な説明を行うために、診断名を正確に告げます。
・治療をしないことも含めて、理解し納得していただいた上でのご本人の選択を優先します。
・手術適応は確立している範囲とし、実験的術式は基本的に選択しません。
・当院では実施不能な治療に関しては他院を紹介します。
診療留意点
・患者さんの便宜を図り、外来予約検査は通院日数を最小限にするよう計画します。
・悪性腫瘍の治療後は、原則として10年以上follow up の計画ですので、皆様方にお願いすることも多いと存じます。
・ご紹介いただいた患者さんに関しては紹介元へ詳細に経過報告いたします。



診療内容
○代表的治療法
・胸腔鏡手術(Video-Assisted Thoracic Surgery:VATS)
 低侵襲性(術後疼痛の軽減、胸壁機能の温存)と美容上の利点の面から、近年、当科では胸腔鏡による手術が主流となってきています。
従来の自然気胸等の良性疾患に加えて、最近では肺癌に対しても積極的に本術式を実施しています。
ただし安全性と確実性を十分考慮して適応を選択しています。
手術の内容により2〜4箇所の操作孔(ポート)のみでのアプローチの場合と小開胸を併用する場合とがあります。
現在当科では直径3mm、5mm、5.5mm、10mmおよびflexible typeの胸腔鏡をラインナップしており、それぞれ用途に応じて使い分けています。

○各種検査
・胸腔鏡検査
 通常全身麻酔下に行い、直径3mm〜5mmの胸腔鏡を肋間の操作孔(ポート)から挿入し、
胸腔内を観察し、胸水の採取や胸膜、肺病変の生検を行います。
胸腔鏡以外に1〜2箇所のポートが必要になります。
30分から1時間かかる検査です。
原則として入院していただきます。

◎手術内容(2003年)
※全身麻酔下手術総数:302例
 開胸術 101例、胸腔鏡下または胸腔鏡補助下手術(以下VATS) 175例、気管支鏡下手術 14例、その他 12例
主な疾患別症例数
肺癌 135例(VATS85例)、転移性肺腫瘍 15例(VATS11例)、縦隔腫瘍 20例(VATS4例)、
重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術 4例、自然気胸 33例(VATS33例)、肺嚢胞症 2例(VATS2例)、
膿胸 10例(VATS5例)、胸壁腫瘍 2例、炎症性肺疾患 17例(VATS13例)、
肺良性腫瘍 3例(VATS3例)、手掌多汗症 10例(VATS10例)、気道狭窄に対する気管支鏡下手術およびステント留置術 12例

◎主な疾患の手術内容
『手掌(腋窩)多汗症』
多汗症でお悩みの方は意外に多く、ご本人でないと判らないような深刻な問題となっていることも多いようです。
症状の程度と本人の訴え、希望により手術適応を決めます。
手術術式は胸腔鏡下胸部交感神経幹切断術であり、当科では直径3mm胸腔鏡を使用しますので術後手術創は極めて軽微です。
効果は術直後より現れますが、術後、他部位の代償性発汗は生じます。
通常、入院期間は2泊3日です。(ただし、退院後しばらく自宅安静は必要です。)



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