17 そぼくな質問 子どもが音大受験をします。お礼の相場はどのようになっているのでしょうか? 2011年6月15日 2011年版へ
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コラム 情操教育
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≪そぼQ そぼくな質問≫
質問者:匿名 さん
子どもが音大受験をします。
大学の夏・冬講習などに参加すると、講習料金のほかに大学の先生にお礼がいると聞きました。
合格・不合格を問わず 習っている先生にもお礼がいるし、大学の先生の紹介にも紹介料金が発生すると聞きました。
なぜお礼が必要なのでしょうか?
私大の先生はお礼をとるが、国・公立大の先生はお礼は取らないとも聞きました。
一体お礼の相場はどのようになっているのでしょうか?

現在習っている個人のピアノ教室の先生には、夏・冬のお礼などは全くしていません。
月謝を払ってテクニックを買っているのですから、うちの子はお客さんのはずです。
一人がするから、みんなしなければならなくなるのでは。。。


回答者:そぼQさん
最近は「月謝を払っているのだから先生に謝礼なんていらない」と思っている方が多いのには驚きです。
個人のピアノ教室は、企業のような型にはまった取引やサービスとは違い、プロの知識や技能を人間的に指導する場所です。
「月謝を払ってテクニックを買っている」とは、まるでスーパーで買い物をするみたいですな。
人間としてのかかわりを拒否したいなら、匿名さんのように はっきりと割り切ったほうが良いと思います。

おっしゃるように 『月謝=テクニックの料金』なら、
楽譜や楽曲の選択、資料の提供、CDを聞かせてもらったり先生に演奏してもらうのは 当然別料金と考えられます。
また延長してレッスンをしてもらえば 延長分は追加料金を支払うべきで、月謝以上のことをしてもらっていると気づくべきです。
師をうやまい信頼して感謝する心も、テクニックの向上には必要なことだと思っています。

音大受験、茶・華道、舞踊などの一般的ではない芸術の業界ですと、謝礼をするのが普通のようです。
音楽の世界でも横のシガラミがあるので、今後この世界で仕事をするのなら必要なことだと割り切らねばなりません。
入学寄付金の前払いと言ったほうがわかり易いかも。
講習会では多額の謝礼をしているお子さんのレッスンには熱が入るみたいで、ケチっていたらどうにもならない世界のようです。

音大受験のお礼の相場?を調べてみました。
“中の上〜上レベル” の音大の場合、
合格すると “レッスン料金の10倍”、不合格なら “レッスン料金の2倍” と言われています。
大学に直接関係する先生(主科ピアノ)で定期的にレッスンを受けている場合は 最低10万円が一般的で、
私立の音大だったら10万円では少なすぎるようです。
その他の先生(副科ピアノ、楽典、聴音、音楽史)は 3〜5万円が相場ですが、
もちろん菓子折りつきで謝礼は現金、正装して父兄同伴で挨拶に行きます。
国公立でも、教授たちは遠慮なく当然のように謝礼は受け取ると聞いています。
“中〜下のレベル” の音大の場合は、これよりは低くなります。

入学すると授業料の他にコンサートやリサイタルのチケットの購入を押付けられ、先生への謝礼も高額になりす。
有名な教授の紹介は「相場の謝礼を承諾する人に限る」とはっきり口にする先生もおられました。
このように音大を目指すには、入る前も、入ってからも、かなりのお金が必要ということです。
いやな風習・世界ですが、これが現実です。
しかし、あなたのお子さんが天才的な逸材であれば、大学の方から入学して欲しいと頼みに来るはずです。 




≪そぼQ コラム≫   【情操教育】

「家庭菜園で、高1の息子に野菜をつくらせとるんですわ。
スーパーで買える野菜には季節感がありませんからな。

種付けから栽培まで息子にやらせていますが、毎日 目に見えて大きくなるのが楽しみになったようです。
朝早くに起きて水やりをし、無農薬野菜を作るために割り箸を使って一匹一匹害虫を捕る。
自然とふれあい、土に触り、自分で育てた野菜を収穫する喜びにはまってしまいました。
その上野菜をどんどん食べるようになり、食べ物に対しても自然に愛情が沸いてきたようです。
これこそがお金のかからない情操教育です。

私と家内は虫が嫌いなので、もっぱら虫のつかない花を育てています。
家族3人で共通の趣味があるというのは素晴らしいことだし、会話も広がります。
第一趣味と実益を兼ねている。
何もかも学校に任せきって文句ばっかり言う親連中にこそ、情操教育が必要だと実感しました。」

と友人が、自家製の野菜のおすそわけに訪れた。
お返しに差し上げる 我が家で育てた“しょうぶ”の花を切りながら会話したひと時は、非常に楽しいものであった。
最近は きれいな花を見ても何も感じない子供が多いが、その子の親が無感動なのだから期待する方が無理なのかな…。