庭の美しさは、工事が終わってからの維持管理によって違いがあらわれます。その庭の5年後、10年後をイメージしながら手入れをするのも造園技能士の仕事です。
一本の枝をみて、これから伸びる方向や他の枝と絡まないかを見きわめ、今は細くても将来は中心にする枝を選ぶなど、芽・枝の生長を考えた的確な努定をしています。

 

細長い庭、三角形の庭、広い庭など、与えられた敷地の個性を活かして、植木や石、草、花など素材の持ち味が十分に発揮できる庭を考え、つくります。
ベランダや屋上、ガレージの上など、どんなスペースでもお任せください。たとえ1坪の土地でも、植木1本、石1個でまとまりのある坪庭を完成させます。

 

南北に長い日本列島は、気候条件、土壌条件もさまざま。雑誌のカラー写真のような美しい花の庭をつくりたくても、条件の違いから、なかなか思い通りにはいきません。
造園技能士は、その時、その場所の風土気候や土を良く知っていますから、その土地に根づく庭を提案できます。小さな土地にも、かぜの向きや乾燥条件などに微妙な差があり、そこに住む人々の気質も違います。それに精通しているのが地元の造園技能士です。

 

植木を動かすことを移植といいます。時期を選んでも枯れてしまうことがあり、昔ながらの高度な技術が必要とされます。たとえば、カキノキのように移植が難しい木を動かしたときなど、プロの庭師にとっても大きな満足感があります。
節で曲がっている青竹を使っても、竹垣を真っ直ぐな垣根に見せる技、また、しゅろ縄を使う垣根の結束法など、庭づくりには伝統の技法がさまざまに生きています。