このサイトについて 各種お問い合わせ
      ショートカット:

一留学生の日本観

1月例会で古山哲男さん紹介の中国人留学生の日記を,ご本人の承諾を得てペンネームで掲載します。下に古山さんのコメントもいただきました。

日本と中国
                            姚 美麗
 国によって違う点と似ている点を色んな人が、あらゆる面から比較検討していますが、私が今まで頭の中で考えていた事は日本の色んな文化や習慣の多くが昔、中国から伝わったものだと思い、日本と中国とは色んな面で似通った点があると思っていました。実際に日本に来てみますと.似ている点も有りますが、やはり違う国だと強く感じました。人の考え方とか、暮らし方とか、習慣とか、人との関係とか各方面で全然違う感じがいたします。一番、強く感じるのは、やはり人の考え方と人との関係です。それについて少し触れてみましょう。
 日本は世界中で一番義理を重んずる社会だと聞いていました。実際に来ましたら確かにそうですね。どこに行っても、"すみません""ありがとうございます"のような言葉をよく掛けてくれますので心がとても温かく感じます。誰もが人と接する時はとても親切で、色んなルールを守って行動しています。去年の夏休みは主人と娘が日本に初めて来ました。その時、日本のあちこちに行って、道が分からない時は誰に尋ねっても、皆が優しく、詳しく説明してくれたり、案内してくれたりしました。それで私達は道に迷う事も無く目的地に行くことができました。その時、娘は"日本人は素晴らしい人達ばかりですね"と心から感慨深そうに言いました。私も感心しました。その面では中国は日本と比べないものにならなくて、中国人は学ばないといけないと思います。
 でもだんだん理解してきたら、違う感じが強くなってきました。日本の多くの人は気持ちが小さいですし、心が冷たいです。心が優しい中国人にとって、とても慣れそうにもありません。中国でも生活がよくなるにつれて、人間関係が冷たくなって来ていますが、今はまだ日本ほど強くは感じません。中国の人は人に接する時優しい言葉をあまりかけなくても、心の中では人にとても温かく接しています。でも、もし生活が豊かになるにつれて、人間との関係が悪くなるのは自然の法則で、それが事実として私に人と人との良い関係と豊かな生活の選択を迫られたなら、私はむしろ豊かな生活を捨てて人間とのいい関係が続くことを選択します。皆様はどう思いますか?


"中国留学生の書いた「中国と日本」と言う日記を読んで"
古山哲男
中国から日本の大学に博士号取得の為、留学されています。私の友人が日本語教室で「中国と日本」と言う題で書いた日記を読ませてもらいました。彼女は今回、この日記をホームページに載せることで、次のような事を補足として言ってきました。
「私の書いた日記は正直な感想ですが、日本に来て色んな方から中国の遅れている事や悪い事を聞かされます。仮にそれが事実としても自国の悪口を聞きますと、あまり良い感じはしません。ですから私の日記を読む日本の方も良い感じを受けないと思います。もし少しでも心を痛めましたらお許しください。」
私はこの事を聞いて他人を思いやる気持ちの暖かさに再度、胸を打たされました。彼女の生まれ育った場所は中国の内蒙古自治区です。決して裕福な所ではありません。私も何度も内蒙古の貧しい町や村に行き現地の方と触れ合う機会を得る事が出来ましたが、いつも、どこに行っても心が温まるおもてなしを受けました。決してご馳走が出るわけではありません。日本と比べて衛生的にも良くありませんし、食べ物も口に合いません、キツイお酒も飲まされます。しかし日本に帰ってしばらくすると、また行きたくなる気持ちが強くなります。どうしてこのような感情が湧いて来るのか考えて見ますと日本人が忘れてしまった人間の本当の優しさ思いやりが、そこにはあるからだと思います。今の日本を見ると彼女が日記の中で書いているように生活が豊かになると心が貧しくなるのではないかと思えてなりません。そう思うのは私だけでしょうか?

 


 

ページトップへ↑
Copyright (c) 2003 All Rights Reserved by Tamashima Bunka Kyokai Kokusai Div..