市販のLED豆電球(電池2個使用)を比較してみた →実験2 BF-181(電池4個用LED豆電球)へ
---------------最終更新日:2010.3.2
平成21年、3000円台のLED電球が各社から発売され、LED電球元年と言われた。
現行の電球と交換するだけで、消費電力を減らし、更に長寿命というエコなやつ。
意外にも、LED豆電球の方はすでに数年前からニッチな市場で存在していた。
だが、市場規模が小さいため製品は多くない。 それでも昇圧回路内蔵の製品が数種類ある。
日進月歩で進むLED技術。商品を購入するタイミングが難しいが、現在入手可能ないくつかを試してみた。
ハロゲン球、ゼノン(クセノン)球と置き換えると、光量の減少にガッカリするが、クリプトン球以下なら、検討する価値はある。
フィラメント球の明るさは、ハロゲン球>クセノン球>クリプトン球>通常の豆球 の順。
LED豆電球に替えることにより、水中ライトなど特殊な仕様の豆電球タイプの製品の延命、あるいは電池寿命、耐衝撃性等の性能の向上が期待できるのは特筆すべき点だ。
今回の比較実験の主目的は、防災用完全防水ライトの運用可能時間の延長にある。(参照 装備ページ)
密閉構造のライトでニッケル水素電池などの二次電池を使用した場合、気体が発生し、破損する可能性がある。
防災用品では、いつでも使えるように電池を入れている場合が多い。もちろんバックアップの新品電池は必須だ。
しかし、この電池入れっぱなしの消耗状態でも長時間使えるというのは防災上重要な利点といえる。
今回の実験目的に使えるLED豆電球は、現時点で(2010.1.4)主に3カ所から入手できる。
1、サイキット株式会社
平成21年秋頃まで様々なLED豆電球の商品がラインナップされていた。
残念ながら現在取り扱っている商品は少なく、今回試した差し込み式のきらびあB級品は、現在扱っていない。残念。
極小DC-DCコンバータ内蔵。おそらく通販、あるいはネット通販のみ。
単発LEDタイプの製品。極性あり(尻+,胴−)。無極性の製品(きらびあ特別版Wランクなど)もある。
質問メールにも細かく解答をくれた。
2、(株)大日向
ネットからホームセンターに至るまで、多くの流通経路で入手可能。
4発LEDタイプの製品。2.5V(電池2個用)、4.8V(4個用)、7.2V(6個用)あり。
ソケットは差し込み式のみ。ソケットの抜き差し(下図)で極性を変更できるのは、良いアイデア。
パッケージングのトラブルがあり、こちらもメールしたら誠実に対応してくれた。
3、Yahoo!オークション
「LED 豆電球」で検索すると「これは面白い!」でみつかる。4発LED素子封入タイプの製品。
極性あり(尻+,胴−)。
3V(電池2個用)、6V(4個用、明るさは同じ)があり、それぞれにねじ込み式と差し込み式ソケットがある。
ノーブランドだが、対応は迅速。 時々旅行でオークションお休みの場合あり。
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実験1(電池2個使用のLED豆電球) →実験2 BF-181(電池4個使用のLED豆電球)へ
実験条件を揃えるため、同一のライトに4種のバルブを付け替えて撮影。
防災用の買い置きPanasonicアルカリ電池(使用推奨期限5年、〜2011年2月)のため、新品電池、あるいは他の種類の電池を使用した場合は、照度が変わる可能性があります。
同一条件下での、相対比較と言うことで見てください。 比較例のPelican2010は単二3本使用です。
撮影条件(OlympusC-5050Zoom、マニュアル撮影、1",F4.0)。
壁から0.70m離して照射。 中心部の最も明るい照度を測定値とした。 壁のタイルは一辺30.5cm。
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Panasonic純正クセノン球 中心照度2750lx |
これは面白い!4LED 中心照度119lx |
Pelican2010(比較) 中心照度2747lx |
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XikitきらびあDC1.0-3.5V B級品 中心照度169lx |
Xikitきらびあ特別版Wランク 中心照度230lx |
撮影条件(OlympusC-5050Zoom、マニュアル撮影、1",F4.0)。
発泡スチロール板から2.5m離して照射。 中心部の最も明るい照度を測定値とした。 板幅は91cm。
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Panasonic純正クセノン球 中心照度222lx |
これは面白い!4LED 中心照度7lx |
Pelican2010(比較) 中心照度243lx |
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XikitきらびあDC1.0-3.5V B級品 中心照度7lx |
Xikitきらびあ特別版Wランク 中心照度11lx |
名称/メーカー
|
電流/A
|
電圧/V
|
電力/W
|
指向特性/°
|
光度/mcd
|
中心照度/lx |
極性
|
LED
|
価格/円
|
クセノン球/Panasonic |
0.85
|
2.5
|
2750(222)
|
-
|
-
|
?
|
|||
これは面白い!/? |
0.08
|
3
|
0.3
|
25
|
119(7)
|
あり
|
?
|
900
|
|
きらびあ/Xikit |
0.03
|
1.0-3.5
|
15
|
38000
|
169(7)
|
あり
|
日亜化学工業製 LED
|
840
|
|
きらびあW/Xikit |
0.03
|
1.0-3.5
|
15
|
44000
|
230(11)
|
なし
|
日亜化学工業製 LED
|
1470
|
|
OH-900/大日向 |
2.5
|
なし | 日亜化学工業製 LED |
1344-
|
|||||
Pelican2010 |
4.5
|
1
|
2747 (243)
|
Recoil
|
8000-
|
0.7m、2.5mの距離で中心部の最高照度を測定(GA-03)したところ、クセノン球では一桁違う値が測定された。
もともと明るいクセノン球に加え、純正品との組み合わせはさすがだ。 ただ、見た目の印象は数値差ほど感じられない。
明るさを取るか、電池寿命をとるか使用目的によるといったところ。
大日向OH-901(4.8V用)も別のライトで比較したが、複数LED使用タイプは光が拡散する傾向があり、遠くまで飛ばない。
比較例のPelican Recoil 2010は、やや電力を食うが、明るい直進光で性能バランスが良い上に堅牢で防水性も高く、最強。
BF-140P3本同時に照射するのが一目瞭然なので、発泡スチロール板から約2.0m離して照射。
大日向のOH-901(4.8V用)のみ、比較用にNational水中ヘッドランプBF-181で照射している。
撮影条件は、ここだけ別。Autoで撮影。
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クセノン/これは面白い/きらびあW | これは面白い/(OH-901)/きらびあW |
追加で、純正クセノン球、これは面白い4LED、Xikitきらびあ特別版Wランクについて、BF-140Pを用いたスタミナ実験を行った。
やはり、災害現場で使うには実際の数値を把握しておかないと怖い。
実験条件:実験時間短縮のため、単一アダプターを利用し、単三アルカリ電池2本で行った。
同一パックの災害用備蓄Panasonic単三アルカリ電池(使用推奨期限5年、〜2011年1月)を使用。
新品電池などでは、結果が異なると予想されます。同一条件下での、相対比較と言うことで見てください。
1.00mの距離で発泡スチロール板に照射。それぞれの中心照度の最高値の変化を測定した。
実験日 :2010.2.26〜3.2
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これは面白い4LED(6V)/BF-181 中心照度204lx/70cm |
これは面白い!4LED(3V)/BF-140P 中心照度119lx/70cm |
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これは面白い4LED(6V)/BF-181 中心照度11lx/2.5m |
これは面白い!4LED(3V)/BF-140P 中心照度7lx/2.5m |
結論
ちょっと高いがXikit製のきらびあ特別版WランクをBF-140Pにのっけることにした。
スタミナ実験の結果からも、単一アルカリ電池2個を使用するBF-140Pで、安定した高出力を数日維持できるのは魅力だ。
ただ、急激なパワーダウンに備えた予備電池あるいはバックアップライトの準備は必要だろう。
今回、比較した4製品とも防災用近距離ハンドライトとしては十分な明るさを確保している。
4LEDの製品に関しては、リフレクターの形状の異なる他のライトで使用すればより中心照度が上がる可能性もある。
いずれにせよ、想定される状況、必要とされる照度などにより選択するのがよいだろう。
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