クズ根絶日記2(2015年末以降) →根絶日記1へ
  たすけて! ぼくらのケイピンエース 
---------------最終更新日:2017.9.12

★★★ 根絶日記1のファイルが破損して2015.12.20から更新できず、根絶日記2で再開しました。 ★★★

農業は雑草とのたたかいなしには語れない。
雑草とうまく共存する方法もある。
刈った雑草を堆肥として利用する方法、不耕起農法などは先人たちの試行錯誤の賜物といえる。
ただし、それは相手による。
葛(クズ)、竹は農地、住宅の敷地に対して非常に恐ろしい侵略者なのだ。

冬になっても枯れません。
地中からこっそり根を伸ばし、アスファルトさえ突き破るタケノコ。
草葉の陰からするすると蔓(つる)を伸ばし、あらゆるものにからみつき、樹木さえ枯死させるクズ
うちのリサイクル畑の近くには、この雑草界の両巨頭がじわりと陣地を広げてきているのです。

竹に対しては、地面を掘り下げて根を切り、地中からの侵入ができないように波板などを埋め込む対策が有効。
20年以上ブロックしていたが波板の隙間から竹が侵入し始めたので、平成26年秋から60cm幅×20mの畦シートを新たに埋め込んだ。

一方クズは地上に蔓を伸ばし、接地した所から中継基地のように根(節根)を張り、さらに先へと侵略してくる。
伸びてくる蔓を刈っても、一週間もすれば別の蔓を伸ばしてくる。

クズの生態についてはこちらのサイトが詳しい→葛のお話〈クズの生理生態〉

更に恐ろしいことに、クズはマメ科の植物で、夏にはマルカメムシを引き寄せる。
こいつらが風に乗ってリサイクル畑のエダマメにたかり、毎年醤油屋を悩ませてきた。(リサイクル畑
2014年リサイクル畑東側のクズを刈りまくったところ、付近のエダマメの被害がかなり軽減されることがわかった。
西側のエダマメは例年通り、マルカメムシだらけであった。



そして2014年秋、雑草の勢いが弱まっている間にクズ根絶作戦を開始した。
根を絶つ! 根絶やし! やるぜ、おれはやるぜ!
成長したクズの主根は地下1メートル以上にまで根を張り、養分を貯め込んでいる。
葛根湯(かっこんとう)の原材料であり、そこからは高級デンプンが採れ、葛餅、葛切の原料ともなっている。
地上部分を刈ったくらいでは、養分を貯め込んだ根からまた芽を出してくる。
葛のお話〈クズの生理生態〉によると『7月下旬までにつくられた当年生茎葉の約67%は,貯蔵物質(根のデンプン)によってつくられたことが分かりました。』とある。
また『TR(Top/Root)比は0.2〜0.3となります。この結果から,クズは極めて貯蔵器官(根)の多い植物体であり,このことが繁茂の源泉となっているといえましょう。』とも。
つまり、根絶! これしかない!

『2〜3年生までのクズですと,茎を引っ張ると節根も一緒に抜けてきます(つる返しといいます。)が,これによってクズの勢力がかなり減退します。葛のお話〈クズの生理生態〉
数株なら根まで掘り起こして根絶できるが、あまりに数が多すぎ現実的にはムリ。
で、ケイピンエース(¥813 50本入り 楽天市場/日本農業システム)の登場。 オンリー1でナンバー1。
たすけて!ぼくらのケイピンエース!

ケイピンエースのMSDS(製品安全データシート)と主成分イマザピル(CAS No.81334-34-1)の農薬評価書(2014年3月)を見ると、普通の農薬よりずっと危険性が低いようだが、リサイクル畑内部での使用はしない。
外部でも畑に近い(約5m)部分では使用しない。
畑付近の生き残りは、根気強く刈り取り、根を断つしかない。



★★★ 根絶日記1のファイルが破損して2015.12.20から更新できず、根絶日記2で再開しました。 ★★★


●2015.12.23
ミカンを助けなければ!  当面の主戦場をミカン畑、元イモ畑近辺にする。
まずは生き残っている周辺のクズの掃討。防草シートを張ったイモ畑の東。

●2015.12.23-2016.1.13
2015年春、防草シートを張り、地中約50cmまでA.T.(anti take)シールドを埋設した元イモ畑だった。
一夏ほぼ完璧に雑草、竹の侵入を防いでいた。 種が飛んできてシートの上で成長することもあるので、ある程度の管理は必要。
1/5、波板の間際でひょっこり地表に出たタケノコを発見したので、掘り返して元をたどってみた。
やはり北の竹林から侵攻は続き、波板にぶち当たって直角に進路変更した根も見つかった。
波板を気合いで突き破る剛の者もいるというので、念のためガルバリウム鋼板で防壁を強化することにした。
物置小屋を解体した際の廃材のリサイクルなので出費は0円。 まさに天の廃材。
もう一度地中60cmまで掘り返して埋める。
1/11、恐ろしいことに、埋設した波板のすぐ下をくぐり抜けた竹を発見し、あわててスコップで切断した。
地中深度50cmのA.T.(anti take)シールドでも安心はできないということか。
いつの日かシールドをくぐり抜け、防草シートを突き破り、タケノコさんがこんにちはということもあり得る。

●2015.12.27-2016.3.20
ほうちしていたネーブルゲット。
ミカン畑と元イモ畑の中間付近には、先代か先々代が設置したと思われる竹対策のなれの果てがあった。
廃材の屋根波板で地面を覆い、更にトラックシートをかぶせていた。
十数年の時を経て、波板の隙を縫い、トラックシートを突き破り、竹とクズが勝利していた。
トラックシートから飛び出た部分を切り飛ばし、シートと波板をはぐと、竹の根が縦横無尽にはい回ってる。
波板やシートで地表を覆うだけでは、決して、決してやつらの侵攻をとどめることはできないのだ。
根絶するためには、すべてを掘り起こすしかない。 そして鉄の防壁A.T.(anti take)シールドを埋め込むしかない。

年明けからほとんどの休日は竹の子掘りではなく、竹の根掘りに費やされれた。
掘っているとクズの根もはびこり、中にはアナコンダのような直径10cmを越す巨大なクズの根もあった。
スコップの柄の直径の倍をゆうに超える、地下の王者の風格。
畑から離れたクズにはケイピンエースをぶっ刺し、雑木は防災用チェーンソーの試し切りのえじきとなった。
なんとかミカン畑をニンゲンが奪還した感じ。

●2016年春〜夏
4月から醤油の仕込み、リサイクル畑での作業が忙しく、ミカン&元イモ畑はほうち。
6月、梅雨時の竹の成長期にほうちすると後々必ず後悔する。
予想通り、防草シート&A.T.シールドの直前まで雑草と竹が攻め寄せていた。
竹は若い内に断つのが鉄則。まだ柔らかいうちにタケノコをぽきぽき折る、さくさく切り飛ばす。
小さいやつは蹴飛ばすのが最良。

●2016.10-11月
一方、多忙のためリサイクル畑の2015年冬〜2016年春のクズ対策は時期を逸し、夏以降草刈りで対応するのみ。
ただ、一昨年以降の苦労の甲斐あってクズの勢いが弱いのが実感できる。
とはいえ周りは敵だらけで、この均衡状態が一年、いや一夏で崩れ去る可能性がある。
まさに多勢に無勢で、1ha(10,000m2)の敵に醤油屋独力で戦わなければならないのだ。

他の土地の草刈り優先で、一夏ほうちされたミカン畑は草ぼうぼう。 所々に生き残ったクズも蔓を伸ばしていた。
草を刈り、トラクターで耕し、鍬とスコップで竹の根を掘り返す。
ミカンは浅く根を張るため、竹の根と重複し分離は困難。ミカンの木の手前で侵攻を抑えなければならない。
ミカンの木の下を防草シートで覆いっぱなしにするわけにもいかず、ナギナタガヤを試すことにした。
竹やクズを抑制することはできないが、夏場の雑草を抑えることが期待される。
冬場に成長、春に枯れて倒伏し、地表を覆って夏草の繁茂を抑制するらしい。
草生栽培といい、雑草、表土の流出を防ぎ、果樹の肥料にもなるというすばらしい方法。
ナギナタガヤ(楽天市場 1kg 3,996円×2)、純正油粕(ナフコ 5kg 498円)購入。
まき時は9月中旬から11月上旬。 なんとか10月下旬に地ならしが終了。
10/23、ナギナタガヤ1袋(1kg)に純正油粕半袋(2.5kg)を混ぜて均等にまき、かるくレーキで土をかぶせた。
ミカン畑は約2.2a(220m2)でナギナタガヤ1袋(2〜3a)で間に合ってしまった。
残りの1袋の利用先をいろいろと思案したが、期限切れ覚悟で来年もミカン畑に使うことにした。

ミカン畑の東にある元イモ畑では、防草シートが2015、2016年夏と完全にその機能を果たし、健在であった。
しかし周囲は雑草だらけ、竹の侵攻、クズの復活と対照的。
夏場の侵攻がすごいので、防草シートを拡張することにした。その前に、草の根、クズ、竹の根を取り除かねば。
生き残ったクズにはケイピンエース。

ナギナタガヤは種まき後一週間で約1cmの芽を出し、十日後には5cmほどに成長していた。 成長早っ!
やや離れてみると、地表がほんのり緑色に見える。
雑草も芽を出し始めているが、ナギナタガヤを踏みつけてまで草取りにはいけない。
しまった! ミカンとネーブルはどうやって収穫するんだ!

11/23、種まきから一ヶ月。ナギナタガヤは10cmほどに伸びていた。

●2016年12月
12/18、朝霜が降りるようになった。
ナギナタガヤは10cmちょっとで雑草に負けている部分もある。
今年は生き残ったミカンの木のうち1本がたくさん実を付けた。
メジロ、ヒヨドリやヒトによる食害が見られだしたので、12/11、12/18で収穫。
ネーブルは皮が固いため、いずれの食害もない。 もうすこし後まわしでも大丈夫のようだ。
収穫のため、やむなくミカン周辺のナギナタガヤを踏みつける。 大丈夫か?

●2017年1月
クズ根絶作戦の本来の目的であったマルカメムシ被害低減は、昨年枝豆に防虫ネットを張る事であっけなく達成できた。
今後はリサイクル畑にクズが侵入しなしように、畑周辺のみに作戦範囲を絞ることにした。

のだが、諸般の理由により、西部戦線(赤部分)に全戦力を投入し、地果てるまでクズ、ノイバラ、ススキ殲滅戦を実行する事になった。
草刈り機を振り回し、大鎌でなぎ払い、チェーンソーで切断し、残骸をアメリカンレーキでかき集める。
地下に潜む根も引き抜き、スコップとフォークで掘り起こし、トラクターで何度も往復し徹底的に根絶する。
荒れ地の石くれがトラクターの爪を削り取る。 しかし、前進あるのみ。

クズはちんちくりんの小物ばかりで、トラクターのロータリーに糸巻きのように絡め取られて往生。
手強いのはノイバラ。
半径2m以上、高さも2mほどの半球型の攻性防壁を展開している。
侵入者に対しては、鋭い棘で執拗に反撃してくる。 刈られた後も永く鋭い棘を残し、枯れてなお危険な植物。
ニンゲンを刺した後、巧妙にも棘の先端を折り、皮膚の奥に残すことで傷口を化膿させるおそろしいやつ。
刈り取った草木(ノイバラ入り)を運ぶとき、ぐっと握るとぶすっと刺さるので、ゆっくりふわっと握る事を醤油屋は学習した。
地上部を刈っても、しばらくすると切り株から元気に新芽を伸ばし夏には復活する。
堆肥化も困難なため、焼却処分することにした。残った灰はリサイクル畑で有効利用する。

2017年1月の日曜日は、こうしてすべて殲滅戦に費やされた。

●2017年2月
ノイバラ、ススキ等の伐採は1月前半でほぼ終了し、以後残骸の焼却作業、トラクターでの根絶作業が続く。
2月初旬で草木灰の備蓄が一斗缶で3つを越えた。 刈り取った草木が雨に濡れないようにブルーシートで覆った。
やっかいで危険なノイバラも燃やしてしまえば有用な肥料になるのだから、がんばらねば。

2/19、リサイクル畑から西に約50m進軍し、地の果てに至る。
振り返ると、醤油屋の通った跡には霜に覆われたススキの根の残骸が散らばり、地下まで暴かれた切り株が散在していた。
例の不吉な鳥が2羽、ニンゲンをなめた距離5m以内に近づき、掘り起こされた地面をついばんでいる。
「その油断はいつか命とりになる。 きっと。」などと考えつつ、ほうち。
草木灰の備蓄は更に5缶分増え、リサイクル畑には置ききれず自宅保管となった。

盛り土の上までTG-750が登れないので、昨年ヤフオクでゲット(1万円)したRCVK-4200で耕す。
ガソリン:オイルが50:1の混合燃料で草刈り機、エンジンチェーンソーESK-3500、RCVK-4200が運用できて便利。
さすがにパワー不足は否めず、クズの根がロータリーに巻き付いて2,3分で停止。 鎌で切り取り再起動を繰り返す。
普通に耕すには持ち運べて便利なのだが。 燃費はあまりよくない。

春が近づき、切り株や生き残った根から新芽が出始めていた。
地上の殲滅戦はほぼ完了したので、地下に逃れたゲリラがひょっこり出てきたところを掃討するのが今後の作戦。

一昨年、昨年とケイピンエースを打ち込んだクズの現状をみてみた。
枯れ、朽ち果てたクズども。ぽっきぽきのさっくさくじゃー。
だが、直径10cmを越えるような大物はさすがにしぶとく、新たな蔓を伸ばして生き延びているのものがあった。
西部戦線では用水路沿いを制圧完了したので、クズの主根を見つけやすい冬の間に各戦線でもう一押しすることにした。

●2017年3月
目標とした西部戦線(赤部分)について、伐採、根の掘り起こし、トラクターで耕運する作業がほぼ終わった。
高さ約2mの盛り土に西側斜面からなんとかTG-750で登坂成功、頂上部分を耕した。
根だらけ、石くれだらけの難所だが、さすが7.5馬力、RCVK-4200とは段違いの破壊力だ。
自然に生えた桜が一本。 こいつは残しておこう。
斜面は人力で掘り起こさねばならない。もうしばらくかかりそうだ。

春になり、掘り残した地中の根やトラクターで分断した根からも新芽が出始めている。
ノイバラ、ススキ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ。 さすがに強い。
トラクターの容赦ない鉄の爪でとどめを刺す春の掃討戦。

トラクターで耕す前に、ノイバラの根を掘り起こす必要がある。 大小合わせ、もう何十株掘っただろう。
力ずくで耕して地中に多くの根を残すより、掘り起こせる部分は完全に除去しておいた方がよい。
機械では深く耕しづらい護岸のコンクリート壁沿いには多くの根が残存しており、人力で掘り起こす。
禍根は断たねばならない。

西の地の果てで、でっかい禍根発見。
アナコンダ級(潜水艦じゃねぇーよ)のクズの根。 掘って掘って掘りまくる、ねほりんぱほりん。

●2017年4月
リサイクル畑より用水路沿いに西に進み、西端から北上中。

北上し始めた途端、中ボスクラスのクズが行く手をふさぐ。
幸いなことに表土が栄誉豊富なためか、クズの根が水平方向に伸びており、直径10cmを越すものでも比較的根は浅い。
地上部を草刈り機で刈った後、ノイバラ、ススキ、クズ、ササを集めて乾燥、焼却。草木灰を回収。
そしてTG-750で耕すのだが、直径3cmくらいまでのクズの蔓がローターに巻き付きまくり、10分と保たない。
トラクターを止め、ロータリーにからみついたクズの蔓を携帯カマで切り取り、再始動の繰り返し。
RCVK-4200の方は無理がたたったのか、不調になり、オイル交換してみる。
更に過酷な使用のためかスロットルワイヤーが切れ、こちらも交換。 けっこう錆びてた。
農業機械に限らず、ヤフオクの中古品では見えない部分の劣化は避けられない。どうしても当たりはずれがある。
リョービスロットルワイヤー2270015(397円/DIY FACTORY)交換。その後、好調。

4/16、今日はリサイクル畑の草刈り優先。
最高気温が24℃を越え、草刈りの途中で用意してきた夏用のアンダーウエアに着替えた。
トラクターで耕した跡から生き残ったススキが芽を出し始めていた。分断された根もまだ生きているのだ。
石くれだらけの土地はトラクターの爪を急速に削り取る。鉄分が豊富な土質になるともいえる。

盛り土の上にぽつんと生えた桜が白い花をつけていた。調べてみると、どうやらオオシマザクラらしい。
いつもの昼食も今日は花見気分だ。
昼過ぎからは、盛り土を崩してねこ車で窪地に運ぶ。あちー。 何十回と運ぶ。ああ重機がほしい。

4/16-23、盛り土を崩しているとブルーシートや鉄の支柱、堤防ののり面を覆う四角いコンクリートブロックなどが複数出てきた。
平成16年の高潮被害で侵食された堤防の復旧工事の建設残土と思われる。まあ、しょうがないか。

4/29-30、ほぼ同時期にススキが刈られた用水路対岸、堤防の内側では、ススキが伸びて50cmを越えている。
地上部を刈っただけでは、次の年も同じ作業の繰り返しとなる。 根絶。これしかない。
東部戦線で草刈り。まず、出鼻をくじく。

刈っていると、生き残ったクズが見つかる。すでに新芽を伸ばしつつある。
今年から乾電池式電動ドライバー(単三電池4本)を携帯することにした。千円ほど。ポケットに入るし、軽い。
あくまでいつでもどこでも的な予備機で、数を打つ場合には電動ドライバーを使う。
充電式ドライバーは、バッテリー劣化がそのまま性能低下につながる。
特に替えの効かないバッテリー内蔵型では、バッテリーの劣化が製品寿命に直結している。
乾電池式は、パワーはそこそこあってちょこちょこと永く使う、そんな目的にぴったりの製品だ。
ただ安物のため、ドリルビットの着脱固定機能がなく、穴あけ後に逆回転で引き抜くときにビットが抜けるのが残念。
ビットを落とすと、探すのが大変だ。
ケイピンエースを打ち込む穴あけに、なんとか使える程度のパワーは有している。ビットは六角軸つきの2.5mmドリル。

●2017年5月
ゴールデンウイークで今年の作物用の畑の準備完了。
醤油かすと雑草の堆肥を入れ、酸性土壌の中和とミネラル分補給のため草木灰を一斗缶で4杯分(約30kg)まいた。
草木灰の有効利用とその評価が今年のリサイクル畑での最大のテーマなのだ!
詳細は→ 醤油粕リサイクル計画2017

リサイクル畑の準備で中断していた殲滅戦を再開。
3年前の画像と比べると、2mほどの草丈で生い茂っていたススキが消滅しているのがよくわかる。
刈ったノイバラの根からは青々とした新しい枝葉が伸びている。
根まで掘り起こしたはずのイタドリの新芽が周辺の至る所から出始めた。
生き残ったやつら、ススキ、ササ、ヨモギ、クズ等をTG-750で平らげる。
クズの新芽も伸びており、東部戦線の草刈り中に発見した主根にケイピンエースを打つ。

5/6、東部戦線の草刈りで発見したクズに打つ。 パッケージ15終了。
5/7、東部戦線の残りに打つ。西部戦線(最前線)にて樹木に這い上がっているやつに打つ。パッケージ16終了。

●2017.5.15-19
リサイクル畑に今期の作物の苗を定植したついでに、西部戦線のトラクターで耕したあとを見てみた。
ぽつぽつと生き残った根からススキが20cmほど伸びていた。鍬でやっつける。

5/19、リサイクル畑に行くとそこら中でノイバラの花が咲き誇っていた。
白く、可憐な花なのだが、その正体を知っている醤油屋の心は沈む。
クズとタッグを組んで失地回復の反攻作戦を仕掛けてくるのは間違いない。

●2017.5.20-28
西部戦線で5/7にケイピンエースをうったクズを見てみた。
昨年まではクズに天空を支配されていた木々が、青々と自由に枝葉を伸ばし、初夏の風にさらさらとゆれている。
うったやつとうってないやつの差は歴然で、うってないやつにうつ。
西の果てで見つけたアナコンダ級。掘り出し途中でほうちしていたら、蔓がにょきにょき状態に。 6本うっといた。

根が生きているススキ、イタドリ、ヤブガラシが復活してきていた。
トラクターで耕運できる深さは20cm弱で、深い根は切断できていないようだ。
ボーダーフォークで1株ずつ掘り起こす。
ちぎれた根から発芽したり、地下で生き延びた根からも新芽が伸びつつあるのが確認できた。
根絶は1シーズンにして成らず。

●2017.6.4-11
6/4、ススキやヤブガラシが芽を伸ばしつつある西部戦線(全景↓)をトラクターで耕した。
6/7、中国地方梅雨入り。雨が降ると雑草が勢いづく。
この時期、根に貯め込んだ養分をせっせと蔓の先端へと運ぶクズ。
その兵站線に打ち込まれたケイピンエースのくさびに含まれるイマザピルも蔓の先端へ。しなしなのへにょへにょの定め。

6/11、新たな土地でも戦端が開かれていた。
近隣に田畑のない空き地のため、ついに醤油屋は禁断の魔導書グリホサートに手を出した。
物質文明に魂を売り渡す代償として、強大な力を手に入れたのだった。
堕ちてしまった醤油屋。もう後戻りはできない。

竹の子にのろいをかける。グリホサートイソプロピルアミン塩41%の凝縮された生のままののろいだ。
10日後、結合力を失った竹の子はぽくぽくと折れ、ばらばらになった。 マジでおそろしい。
やっすい(214円/500ml 非農耕地用)のになんて強力なのろいなのだ。
あまりの強力さゆえ、周辺の魚類にものろいが及ぶため、用水路や川付近では禁呪指定されており、洗浄液も流してはならないのだ。
おそろしい力を得た醤油屋は、果たしてうまく制御できるのだろうか。

●2017.6.20-24
6/20、昨年末から気になりつつ、気になりつつも半年以上ほうちしていたミカン畑へ行ってみた。
ナギナタガヤが優勢だが、雑草も負けていない。秋には昨年購入したナギナタガヤの種を更にまいてみよう。
その東の防草シートは雑草をほぼ抑制しているが、やはりシートの隙間や固定ピンのあたりから雑草が生長していた。
シートの周辺で繁茂したイネ科の雑草はすでに種をばらまいた後で、ほうちするとシート上で発芽して浸食し始める。

6/24、別の空き地で呪いをかけた竹の現状確認。
呪いを受けた竹の子はすべて黄色〜黒く変色し、一月で滅んでいた。
地下茎でつながった他の竹への呪いの連鎖はあるような、ないような。 もう少し様子を見る。

●2017.7.1-8.14
7/1、どうやら地下茎でつながっている竹にものろいが連鎖しているようだ。
呪いを受けた竹の子から10cmほど離れたやつも先端が変色し、枯れだした。

8/14、例年通りの熱ダレ。 お盆休みになってようやく竹の経過を確認することができた。
竹が、なくなっている!
アサガオに覆われた下に、数本地上数十cmは緑の竹が残ってはいるものもあるが、竹林は壊滅と言っていいレベル。
生ののろい注入のおそろしさよ。

5月末〜8月中旬、道路沿いから竹林のあった手前まで、「速効除草剤(アイリスオーヤマ/4L×8本 5,316円 -1,000円クーポン利用/モノタロウ)」、続いて30〜50倍に希釈したのろい(やすい)を噴霧。
ほぼ枯れた後、7/1には粉末状で長期間効果が持続する『除草王(フマキラー)』を多めにまいた。
『除草王』使用/未使用境界線で、雑草がきっちりとぎれていた。 王を名乗るだけの効果はあるようだ。
画像奥の緑の部分は、以前の竹林で現在アサガオ畑となっている。除草王はまだまけていない。 高杉なのだ。

魔導書でのろいをまき散らし、王の力で平らげる。 その後暗黒シートで太陽をも奪う。
情け無用の無慈悲な三段構えの雑草殲滅戦。 勝利への道が見えてきた!

だが、『除草王』(¥13,400/6箱 楽天市場)、防草シート(¥17,800円/2×100m 楽天市場)。 高杉。
まずは安価な魔導書を使いこなして夏をしのぎ、今年中には道路沿いだけでも防草シートまでもっていきたい。
そして、その後数年間は心安らかに暮らしたいものだ。
いまだ道半ば。 竹、ヤブガラシ、クズ、樹木など地下に力を蓄える敵の根絶が当面の目標。
雑草根絶は1シーズンにして成らず。

●2017.8.10
店の前に黒塗りの高級車がきゅっと止まって、どことなく風格を感じさせる男が2人降りてきた。
醤油屋は緊張した。

会談内容は以下の通り。((脚色あり))

店の椅子にどかりと座ると男の一人がこう切り出した。
 「倉敷でうちまくっとるやつがおると聞いて来たんじゃが。 自分か?」
 「へ、へい。 あっしでごぜえますです。 なんか、まずかったんでございますでしょうか?」
 「ちゃうちゃう。 話聞きとうてな。  ぎょうさんやったそうじゃのう。」
 「えっと、ちょっと、おおすぎたかなーって思ってまして、あの、その、やっぱおおすぎますよねー。 ですよねー。」
男はがははと大笑して、
 「わしタマ作っとるんよ。 で、こっちは卸の元締め。」
 「大阪でタマの卸をさしてもろてます。 今後ともよろしゅう。」

タマの製造元と卸の幹部!  言葉の裏を読み誤るとただではすまないと醤油屋は直感した。
 「あっしになにを?」
製造元の幹部がおもむろに、持ってきた紙袋に手を伸ばした。
一瞬身を堅くした醤油屋だったが、
 「まずはこれを」
出てきたのは5パッケージ分のタマ250発と手袋だった。末端価格にして4千円相当。 そして菓子箱と粗品?。
手袋。 証拠を残すなと言うことか。
菓子。 甘いものは好みではないが、食べ物をくれる人を醤油屋は味方と認識する傾向が強かった。
逆に、だいすきな食べ物を奪った敵には情け容赦がこれっぽっちもなかった。

とどめに男はこう言った。
 「醤油を土産にしたいんじゃが。 紫を20本。」
 「なんでもおっしゃってくだせぇ。おちからになります。」
ということになったのだった。

●2017.8.22
元締めが新入りを従え、再び来店。
試しうちのできる場所を提供した。
醤油屋が竹その他を根絶中の空き地の奥、クズの群生地だ。 おおよそ幅50m、奥行き10m。
 「ここをつこうてくだせぇ。 うちほうだいやっちゃっていただいて、OKっす。」

●2017.9.4-6
9/4、元締めが実行部隊を従え、再び来店。 高価な甘いお土産あり。
本日現地入りで、明日早朝に朝駆けするという。

プロから貴重な現場の技術情報を得たので、記録する事にした。

ケイピンエースを打つ時にドリルで下穴を開けるのだが、いろいろ試した結果、醤油屋は2.5mmΦのドリルがベストと結論した。
しかし、プロは3mmのものを使うらしい、スムーズに差し込めて、後でクズの根が締まって来るので、ちょうどいいのだそう。
また、広範囲のクズを処理する場合、まず薬剤散布で叩いて、生き残った株はケイピンエースでとどめを刺すらしい。

薬剤を葉面散布すると「いやん」と一時的にクズの葉が裏返るという。 生体の防御機能なのだろうか。

山林での広範囲の使用を想定しているのだが、少子高齢化、人口減少が進む日本では、耕作放棄地や管理が行き届かない土地の増加は避けられず、人の生活圏においても、こういった薬剤に対する需要が今後高まると思われる。

9/5、醤油屋がちょうどビン洗い作業を終えた頃に元締めが来店。
「あまったから、つこて。」
どかっ、どかっと箱で除草剤をくれた。 まだすげーいっぱい残ってる。
神は醤油屋に何をさせようというのだろうか。 いや、悪魔のささやきなのかもしれない。

9/6、三顧の礼を尽くされた上、甘い兵糧、大量の弾薬まで提供されては、がんばって側面支援、後方支援をせざるを得ない。
というわけで、地元民は薬剤効果の経時変化の画像記録をとることにした。 同じアングルで撮影継続中。
今日のところは変化無し。 「いやん」、ちょっと見たかったなぁ。


直接このページに来た方→TOPページへ