水中ライト比較
---------------最終更新日:2008.6.29

消防・防災用の個人装備の一部です。水中で使用可能なライトをピックアップしました。(参照 装備ページ
平成16年の高潮被害の時、生活防水程度では一度海水に水没すると、しばらくは点灯したものの、じきに使い物にならなくなりました。
それ以来、ライト、ヘッドランプを選ぶ最重要ポイントとして防水性を考えるようになりました。

すべて同条件で撮影。充電式は満充電。電池式はほぼ新品のパナソニックアルカリ電池を使用。
浮いてしまうライトがあるので、ブロックとナイロンひもで固定した。水深約30cm。
浴槽正面までの距離は約35cm、多少の差があるががまんしてちょ。
それぞれの大きさは、ブロックの長さ20cmと比較してください。

ナイトスターに関して、散光がほとんどないため画像2で暗く見えるが、正面部分はけっこう明るい。
画像中心部にわずかに見える光点は、蓄光性のスイッチ部分で、停電時などにはありがたい機能だ。

夜間の災害現場では、ライト片手では作業効率が落ち、危険を伴う場合さえある。
特に夜間山林火災の場合、暗闇の中、山の急斜面を木の枝や幹をつかみながら、ホースや機材を運び上げ、延長し、撤収時には巻いて持って下りなければならない。両手が空いていないとお話にならない。ヘッドランプが欠かせない。

下表にはないが、夜間の現場ではメインライトとしてNational BF-781、BF-155、PELICAN AQUA KING LITE 8D等をベルトで肩掛けし、BF-185をヘルメットに、BF-267Pをベルトの着脱機能があるので、サブとして首にかけている。また、ハンドライトとしてPELICANのRecoil2010等を携行している。
ぼや程度の小規模火災の現場に、この装備では、明らかに浮いてしまうのが難点。

夕方から夜間発生の大規模火災、山林火災現場へは、他の消防団員用に、上記個人装備に加え、ある程度の防水性があり、かつ十分な光量とスタミナのあるBF-185、BF-265Pをバックパック一杯分(7〜8台/約10kg)、更にBF-181&BF-181Cもバックパック一杯分(12〜14台/約8kg)持っていく。 当然予備電池も入っており、それなりに重い。


一般にLEDは衝撃に強い上、寿命が長く球切れの心配がない、消費電力が少なく長時間使用できる等の利点があるものの、現場での光量のパンチ不足は否めない。 特に煙を貫通して、遠くを照らす必要がある場合では、LEDは弱かった。
しかしながら、従来のLEDの10倍以上の明るさのスーパーLEDが登場し、更には1W、3W、5Wと高出力LEDを搭載した製品が一般の電気店、ホームセンターで手にはいるようになってきた。
とはいえ、まだ高価で、パワーアップした分、使用時間が減る欠点もある。
個人的には、防災現場では定評のあるPELICAN社のリコイルLED(1W)が、明るさ、使用可能時間、防水性等のバランスが良く、お気に入りである。
通常の夜間作業なら、値段のこなれてきた1WLED搭載のヘッドランプで十分に思う。

今後のLEDの技術革新による更なる低価格化、高性能化が期待される。


▼▼ 追記1 ▼▼ 科学技術の発達とはまさに日進月歩で、青色LEDの開発者の中村教授らが青色発光ダイオード(LED)の消費電力を十分の一にする材料の開発に成功したそうだ。実用化は1,2年以内とのこと。(2005.9.21/asahi.comより)

▼▼ 追記2 ▼▼ 科学技術の発達とは本当に日進月歩で、素子の表面に微小な突起を多数付けることで、従来に比べ約60%明るくなった発光ダイオード(LED)を、東北大の羽根一博教授(光工学)と金森義明助手が22日までに開発した。
LEDは、携帯電話の液晶用バックライトや信号機などでも導入が進むなど、蛍光灯や電球に代わる次世代の照明として期待される一方、1個当たりの発光量は少ないのが弱点。
今回の成果は、LEDの高出力化に直結する技術で早期の実用化に期待が掛かりそうだ。(2006.7.22/西日本新聞社webより


●LEDを使ったライトを作っているメーカーはたいへんだと思う。新製品を投入して1年も経たないうちに、次世代、高出力をうたったLEDが市場に投入され、性能の劣る旧製品は不良在庫となる。まだ実用化されて日の浅いLEDだからこそ起こる問題である。
初期は球切れがなく、持続時間が長いLEDというだけで売れたが、いかんせん暗く、1灯→3灯→5灯→・・・100灯以上とインフレーションは進み、ハイパワーLED、次世代LED、その多灯化、更に1W→3W→5W→8W→10Wと次々に高出力なLEDが投入されるにいたって、事態は混迷するばかり。
同様に買う側も、高価だがすぐ時代遅れになる新製品を買うか、値崩れした型落ちの製品にするか、迷うところでもある。(2007.7.8)

現状では、様々な状況にあった製品をいくつか使い分けるのが、良さそうである。
コストパフォーマンスと使用時間、入手し易さから、Fujitsuの防水懐中電灯あたりを一人にひとつずつ枕元に常備したい。

名称
画像1
画像2
電源・使用時間
長所短所
ナイトスター 30秒振って
20分点灯

海上自衛隊採用
電池・電球不要
防爆性
142m防水
耐落下性(1.2m)
蓄光スイッチ
水に浮く

×
光量不足。高価。

8,000
Fujitsu
BL123
単1×2本
19時間
ヘッド部を回して
ON OFF

30m防水
安い
すぐ買える!
水に浮く
クリプトン球
2.5V 0.5A
800
Fujitsu
BL122
単1×2本
19時間
ヘッド部を回して
ON OFF

30m防水
安い
すぐ買える!
クリプトン球
2.5V 0.5A
800
GENTOS
LD-32
(ゼノン球)
単3×4本
3時間

20m防水
ゼノン球、1LED、3LED切り替え可能
小型

×
ややスタミナ不足

1,500
GENTOS
LD-32
( 3LED)
単3×4本
LED1灯、3灯
切り替え可能
LED1灯で80時間

20m防水
ゼノン球、1LED、3LED切り替え可能
小型

×
ややスタミナ不足

1,500
YAZAWA
L-310
単3×4本
3.5時間

10m防水
クリプトン球
両手が使える
安い
水に浮く

×
ややスタミナ不足

700
ノーブランド 充電式
8時間充電で
実用5時間

防水100m
7LED
両手が使える
水に浮く

×
充電時間が長い
やや光量不足

1,500
National
BF-155
単1×6本
7時間

60m防水
ハロゲン球
とても明るい
水に浮く

×
重い
電池交換が難しい

10,000

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