タヌキとのたたかい(&カラスもね)

---------------最終更新日:2015.7.20

人が狩猟採集生活から、土を耕して食料を得る農耕生活にシフトして幾千年。
古来より連綿と続く、タヌキvsニンゲンの戦いに、平成20年ついに私も参戦することになったのでした。

事の発端は、平成20年5月、リサイクル畑で一匹のタヌキを見かけたことに始まります。
最初は、“おっ。タヌキもいるのか! いやー、自然が近いねー。”などと、のんきに軽く驚く程度でした。

しかし、その年の夏の悪夢
何より、種から苦労して育てた作物を踏み倒され、食い散らかされたことに醤油屋は涙し、ぶちキレました。


↑害獣、畜生、けだもの
作物
被害内容(平成20年)
被害推定金額
トウモロコシ
100株以上が実をもぎ取られた。
または株ごと倒され枯れた。
12,000円
エダマメ
30株以上が葉っぱを食われた。
茎を食いちぎられた。
9,000円
ミニトマト
10株以上が倒され枯れた。
低い位置の果実はほぼ全滅。
8,000円
カボチャ
10個程度ではあるが、
実をかじられた。傷物にされた。
3,000円
ヒマワリ
葉っぱを食われた。
株ごと倒された。種を持って行かれた。
?円
 
合計
32,000円

そして、平成21年1月。
土も凍てつき、霜柱の立つ冬の寒さの中でも消えなかったドス黒い怒りの炎は、ついに、ごうごうと燃え上がったのです。


A.T.フィールド建造計画 始動

いつ起こるか予測できない農作物へのテロ攻撃に対抗するには、常設の対応策が必要であることは、論を待たない。
先人の知恵を借りるべく、ネット検索を行った結果、下記サイトにたどり着いた。

 鳥獣害対策研究サブチーム。 獣害情報提供センター

当初トタン板バリア(10尺 850円×20枚)の導入を考えたが、リサイクル畑は海岸に近く、浜風が強いので、断念。
畦波シート、亀甲金網、バーブ針金(有刺鉄線)による、全長約60mに及ぶA.T.(Anti Tanuki)フィールドを形成することにした。
トタン板のような目隠し効果がないため、作物を目前に、だらだらとよだれをたらすやつらの侵入を跳ね返せるか?

北方騎馬民族の侵入に対し、万里の長城を築いた古代中国の皇帝たちの気持ちがちょっと解った気がする。

資 材
寸 法
数 量
金 額
畦波シート
30cm×20m(コメリ)
3
2,996円
亀甲金網
#18、目合い26mm 91cm×30m(ヤフオク)
2
14,675円
バーブ針金
#16、100m(ナフコ)
3
4,950円
合計金額
22,621円

この不景気の中、びんぼな醤油屋にとっては、非常〜に痛い出費である。 ま、景気刺激策と考えれば・・・。
とにかく、これで鬼畜どもを駆逐できるのならば必要な出費である。

●2009.2.11
建造開始。 まずは地表及び地中突破を阻む畦波シートの埋め込み。
奴らはエサを求めて畑のそこここに深さ約10cmの穴を掘っている。地下20cmは埋め込む必要がある。

作業をしていて、しっかりとした支柱を先に立てた方がいいことに気づく。
あの小さい悪魔どもは、確実に金網に登るだろうし、全力で揺さぶるに違いない。畜生どもめ。
現状の天然石での固定には不安があり、地下に支柱固定用のコンクリートブロック埋設が必要に思われる。
ああ、さらなる出費が・・・・。 とりあえず20mでストップ。

●2009.2.15
ブロック購入。万全を期すため、防獣ネットも。ああ、出費がかさむ・・・。
リサイクル畑に行くと、必ず敵の新たな足跡がある。A.T.フィールドを急がねば。

資 材
寸 法
数 量
金 額
ブロック
cm×cm(コメリ)
25
2,125円
防獣ネット
1m×50m 16mm目(コメリ)
2
3,900円
合計金額
6,025円

●2009.3.1
朝と夕方で4時間程度がんばる。運んでおいたブロック(85円 20個/コメリ)を地中に埋めて支柱のベースにする。
ブロックだけでは、敵が金網に登って揺さぶる場合の力に耐えきれないと予測されるため、おもりとして石を据えた。
全長60mで、3mおきくらいに支柱を立てる予定。
支柱は、外側に向けて20°くらい傾けている。これも敵が金網を登りにくくするための工夫である。
更に、畦シート20mを埋設。
金網のすぐ内側には、意識的に雑草を生やして目隠し効果をねらうのだ。
そういえば、トラクターが入れる程度の大きさのゲートを作らないと。どんな構造にしようか。
なんとか3月中にA.T.(Anti Tanuki)フィールドを完成させたい。

●2009.3.8〜20
3月8日、畦シート全周埋設完了。 ブロック(85円 5個/コメリ)を追加購入。
同15日、支柱(約3m間隔)設置完了。 同20日、ゲート部分、東末端部分作成。

●2009.3.22〜4.5
支柱の間に亀甲金網を張り巡らす。約30m分設置。
想定していたとはいえ、が金網を乗り越えた痕跡を発見。
よしんばが金網に登ったとしても、爪がかからない波板(畦シート)を上部に設け、更に有刺鉄線をも敷設するという三段構えの作戦なのだ。戦いは非情さ。

ビンボなので、支柱等の資材は、廃材を電動丸ノコで切りまくって作った。
フィールド上部の畦シートは、以前買ってそのままになっていたもの(長さ30m幅60cm)を半分に切断して流用。

●2009.4.6〜4.12
このところ連日、仕事が終わった後、日が暮れる夜7時頃までA.T.フィールドの設置作業をしていた。
辺りが暗くなってきたので、カブに乗って帰りかけたそのとき、
出た! Tが! Tが出た! それも2匹
ばいーーんと殺意を込めてカブで突進、ビビらせてやったぜ。
はっはっは。一目散に草むらの奥に逃げてやんの。ざまーみろ。
目撃したのはこれで2回目。が農作物テロの本星であることは、これで確信に変わった。

そんなわけで、12日(日曜日)は、朝から晩までA.T.フィールドの設置。
全周(約60m)に亀甲金網設置。そのうち約半分までは、上部に波板を設置した。
下の画像は、ゲート部分、ケダモノ目線、ニンゲン目線で見たA.T.フィールド

●2009.4.17〜26
醤油の仕込みが始まり、A.T.フィールドの建設作業中断中。約80%くらいか。連休中には完成させたい。

●2009.4.27〜5.31
5月中旬までは醤油の仕込みに忙殺され、リサイクル畑は完全ほうち状態。
中旬以降も溜まった通常業務が忙しく、なかなかA.T.フィールド設置に時間が割けない。

そんなではあるが、枝豆、トウモロコシを5/21から数回に分けてリサイクル畑に定植、カボチャも定植した。
翌日22日には、早速枝豆が2株被害にあった。
5/25日仕事が終わった後、あたりが暗くなる7時過ぎまでA.T.フィールド設置をがんばっていると、またTが出た!
ゆっくりとデジカメに手を伸ばし、電源ON。
暗がりの中、液晶画面に浮かび上がるTを最大ズームでとらえ・・・・、フラッシュ!
逃げない! またフラッシュ! それでも逃げない。
なんとさらに、つかつかと近づいてくる。息詰まる5メートル。
人に飼われていたのか? いや、違う! ニンゲンなめとるのだ。
未完成のA.T.フィールドのすき間から、ひょいひょいリサイクル畑に侵入してのけ、愚かなニンゲンの顔を見に来たのだ。

完全になめられてしまった。
しかし、Tは、おいらのバックには60億以上のデンジャラスなブラザー達がいることを知らない。
地上のすべての命を何回も滅ぼすことができる種族であることを知らない。
すべての種を道連れに、毎日せっせとがんばって地球を暖めている命知らずなのだ。 なめたらいかんぜよ。

暗視スコープ(なんでそんなもん持っとるのだ)とLEDライトを手に、夜8時過ぎ土手の上から観察すると、
Tが4〜5匹A.T.フィールド外周あたりをうろうろしている。 ひー。
昨年の被害から予想していたとはいえ、実際に見てしまうと、果たしてA.T.フィールドでこいつらを防ぎきれるのか不安になる。

●2009.6.1〜6.17
A.T.フィールドの基部、ネットと畦波シートの合わせ目のすき間をなくすべく、ネットを畦波シートで挟んでワイヤーで止める作業を続ける。次の段階として、有刺鉄線を張り巡らす予定。300m分あるので、効果的な設置法を思案中。
更に防鳥ネットを張れば、対カラスの防空体制も完成だ。
ただ、記録的な水不足のため、毎日水やりに1時間くらいは必要な上、草刈りもしなければならない。
A.T.フィールド完成はいつになるのだ。

醤油の2番絞りかすを撒いて耕した13日、夜7〜9時前まで土手の上から敵を偵察。
最大光学倍率17倍のデジカメと暗視スコープを装備。
耕した直後のため、警戒してか、1匹が5分ほどうろつき、土をほじくった後、草むらに消えていった。(↑↓)
日没後暗くなっても、9時頃まで現れなかった。撤収。

●2009.6.24〜26
24日A.T.フィールドの基部完成。やっと地表部分が完成した。
仕事が終わった5時過ぎからリサイクル畑に行き、畦シートにドリルで穴あけし、亀甲金網を挟んで針金で固定する。
これで地表部分のすきまはなくなった。
しかし、背後の草むらでは、時折『がさっ』と音がして、Tがこちらをじっと観察しているのがひしひしと背中越しに伝わってくる。
振り返りざま、こぶし大の石くれをぶんと投げつけると、『がささささー』と草むらの奥に逃げていく音がする。
続けざま、音の去った方へ石を迫撃砲のように発射する。 恐ろしいやつらだ。

26日には、草をけずってトラクターの陰で西日をよけて一休みし、さてもうひとがんばりと立ち上がった。
Tが一匹、ずささささーと草むらに逃げ込む。 おいまだ6時半前だぜ。
作物の育ち具合を見に来たのだろう。   本当に恐ろしいやつらだ。
週末は仕事を中断してでも、有刺鉄線を張りめぐらさねば。

●2009.6.27、28
27日(土曜日)早めに仕事を切り上げて草刈り。週明けから梅雨空が戻ってくるらしいので、その前に刈っとく。
28日(日曜日)A.T.フィールドに有刺鉄線を張り巡らす。曇りの天気予報だったが、空の青さがうらめしいほどの快晴。
1時間ほど作業しては、30休憩。したたる汗が目にしみる。汗でびしょびしょになって動きづらいので、昼に撤退。
シャワーを浴びて、昼飯食って、再び作業再開。有刺鉄線300mをほぼ使い切った。
2月11日に建造に取りかかって約5ヶ月、なんとか、ようやくA.T.フィールドが完成。
今日もTを目撃。トウモロコシをねらっているに違いない。不安だ。すっごく不安。
有刺鉄線を螺旋状のまま伸ばし、一周させた方が有効だったのではないか? これでTに勝てるのか?

●009.7.4〜7.7
い、いかん! Tに気を取られているうちにカラスにトウモロコシをつつかれてしまった。
防空体制がまだ整っていないスキをつかれた。 食い方からして、カラスだと思うのだが・・・、まさかTが侵入・・・。

4日(土曜日)に早めに仕事を切り上げて、A.T.フィールドの強化に取りかかる。
亀甲金網と畦シートの境目にコースレッドを砲列のごとく打ちまくり、Tがえしを作る。
1000本を超える釘が必要になるが、実は錆びかけの57mmと75mmの置き古したものが箱であり、追加出費は0円。
ただし、全周60mに対策を施すには、時間と手間がかかりそう。 あせるぜ。 作物も、Tも待ってはくれない。

5日(日曜日)防鳥ネットを張るための支柱を立て、ステンレスワイヤーを張る。
下穴きりで穴あけし、コースレッド釘を打ちまくる。時折降る雨を避けてひたすら、打ちまくる。
Tが超えられませんように。Tがあきらめますように。

6日(月曜日)仕事が終わって、防鳥ネットを張る。防鳥ネット50坪(¥1,980/コメリ)
トウモロコシ部分にのみ設置。
ほんとは全体に張るべくでかいのネットを用意していたのだが、トマトとスイカが予想外のへなへなで・・・・。

7日(火曜日)被害は増えていない様子。やはりカラスか。
ほっと一安心。だが、油断大敵! A.T.フィールド全周にTがえしを作るのだ! T徹底排除!
インパクトドライバーのバッテリーが切れかけ、パワーダウンするまでコースレッドをひたすら打ちまくる。
帰りにはうれしい今季初の収穫、エダマメゲット。 とりたて塩ゆでうめー。 苦労がすっとぶうまさだぜ。
また明日から打ちまくるのだ。Tが超えられませんように。Tがあきらめますように。

●2009.7.19
防鳥ネットを張ってからほぼ2週間。トウモロコシ被害はない。エダマメは防鳥ネットの外だが、被害無し。
もちろんカボチャも無傷で、その他侵入した形跡も見られない。
A.T.フィールドにより、ついにTの締め出しに成功したようだ。
Tがえしがなくとも、十分に機能を果たしているようなので、コースレッドうちまくり中止。

ニンゲンは、勝ったのか?

●2009.7.26
勝利宣言。
しかしながら、その代償も大きかった。
A.T.フィールドの建造費用もさることながら、設置に費やした時間と労力は、本来リサイクル畑の作物に注ぎ込むべきものであった。
結果として、今期のトウモロコシ、トマト、スイカに関しては収穫があまり期待できないか、全くダメダメとなりそうだ。
万里の長城の例を挙げたが、北方騎馬民族の侵入とそれに対する戦費が国家の衰退につながったという歴史をなぞるようなタヌキvsニンゲンのたたかいの結末であった。

来年からは外敵を気にせず、リサイクル畑に注力できる。というのが勝利宣言の理由である。
結局今年は、痛み分けといったところかなー。

●2009.7.28
リサイクル畑は草ぼうぼう。
で今日は仕事が終わって草刈り。草刈り機でA.T.フィールド外部を刈っていたら、Tが地中突破を図った真新しい痕跡を発見。

『この下等生物のくされ○○○のくそ×××が、きさまらごときに突破されるA.T.フィールドではないわ!』
わはははははははははは。と心のそこからの高笑い。

『ただのサクとは違うのだよ! サクとは!』 

●2009.8.17
来年に向けての堆肥作りのため、A.T.フィールド内部の雑草を刈りまくり、トラクターの陰で一服する夕方。
ちっこいTがこっちを見ているのに気づく。今年の勝負はすでに決したので、ま、とりあえずデジカメに収めた。
おまえらあんまり殖えるなよな。

苦労したが、ニンゲンとタヌキの境界を決められたことでよしとしよう。 やつらも精いっぱい生きているのだろう。
だが、A.T.フィールド内はニンゲンのもの。入ってきたら・・・・。

●2009.11.1
堆肥の草山のそこここに穴が。Tが虫を探した跡と思われる。 実害はないのだが。

●2009.11.6
A.T.フィールドの外ではあるが、草むらから堆肥の草山まで足跡が点々と続く。
来年はこの部分にカボチャを植えようかと思っているのだが、やつらの通り道になっており、すっごく不安。
第二A.T.フィールド作る時間も手間もお金もない。びんぼな醤油屋は頭をかかえこんでしまった。
そういえば、春先に買った防獣ネットが100m分未使用で残ってはいるが、Tに対しあまりにもたよりない。 どうしよう。


2010年

●2010.6.13
今年初めてTを2匹目撃!
だが、昨年のようなさしせまった危機感、焦燥感はない。 今年の作物の定植も順調に進み、安心な今年のリサイクル畑。
A.T.フィールド外部での野菜作りはしないことにした。
A.T.フィールドの地上突破阻止能力はすさまじく、今年は平穏に作物を育てられそうだ。
ただ、防空体制に課題が残る。スズメの砂浴び、カラスのいたずらで数株が犠牲になった。

●2010.6.29
鉄壁を誇ったA.T.(Anti Tanuki)フィールド突破される。なんてこったい。
被害トウモロコシ3株。
垂れ下がった防鳥ネットの端に爪をかけてA.T.フィールドを乗り越えたらしい。
ネットには生々しい穴が。 防鳥ネットがあだに。  ぬかったわ。ワシとしたことが。

とりあえず、防鳥ネットの端を巻き上げて爪がかからないようにした。
18:20 堤防の上から双眼鏡と暗視スコープでリサイクル畑を監視。 ↓こんなかんじ。

左からカボチャ、防鳥ネット内/スイカ、防鳥ネット内/トウモロコシ、エダマメ、トマト。

19:06 西(上図左)の草むらからがさがさという音。なんか出現。双眼鏡を向ける。
 え? かたちとうごきがTではない。 でっかいネズミ。 これはヌートリアというやつでは?
リサイクル畑付近にはこんなのまで生息しているのか。 こいつが突破を?   とりあえず撮影しとく。
のさのさ歩いてA.T.フィールドにそって東へ移動。刈った後の草の新芽をむしゃむしゃ食っている様子。
北(上図上)の草むらに消えていった。 こいつがA.T.フィールドにがつがつよじ登る姿は想像しずらい。
日本中がサッカーワールドカップ対パラグアイ戦直前でどきどきしているころ、醤油屋も堤防の上でどきどきしていた。

結局このあと暗視スコープでの監視に切り替えたが、9時前まで何も起きなかった。 撤収。

●2010.6.30
どうしよう。
とりあえずは簡単な対策から。灯油の匂いを避けるというので、あまったA重油をA.T.フィールド支柱と波板に塗る。
塗ってたら、ちっこいTが一匹こっちを見ている。  うーん。  デジカメをとりに、カブまでもどる。
帰ってみるとまだいる。さりげなく塗る作業を続けながら徐々に距離をつめる。
いま真後ろ5メートルに、いる。  ゆっくり振り返り、カメラを向け、撮影。 まだいる。
しばらく作業を続け、ふたたびゆっくり振り返ると、寝てる。 ねるんかい!
こっ、これは、タヌキ寝入りというやつでは?
寝姿がうちの猫様に似ているので攻撃意欲がわかない。     かわいいって、とくだよね。
心理的に負けた醤油屋は、すごすごとうちに帰るしかなかった。 A重油あとをたのむ。

●2010.7.1〜4
A重油敗れる。 2日間ほどは、これでいけるかもと期待したのだが。
3日、新たな被害、トウモロコシ2株。
A.T.フィールド突破、トウモロコシ到達の成功体験を知ったやつらは止まらない。
4日、A.T.フィールド上部の畦波シートのバンク角度をさらにきつくしてみる。

●2010.7.5〜11
更に数本、被害が広がる。
7/6、7、波板部分を増強。 畦シート波0.5m×250mm×20m(¥848/コメリ)3個購入。
これでどうだ!

7/9、ことここに至り、被害状況を冷静に分析すると、どうもTが犯人ではない可能性が高い。
食べ頃のぷりぷりのトウモロコシが食われていないのだ。
雄穂や雌穂が出始めた若い第2弾の株が倒されていたり。 真犯人は、スズメ? カラス?
確かに防鳥ネットのない部分から出たり入ったりしている。畑に行くと、ちゅんちゅん鳴きながら、ばさささーと逃げていく。
雄穂を食っているのだろうか、それとも付いた虫がねらいなのか? 

●2010.7.12
朝行ってみると、かーと鳴いて飛んでいった。
やっと雌穂が出始めた第2弾のトウモロコシが一列ずらーっと倒されていた。
うがーーー! おいらのトウモロコシちゃんがーーー!  醤油屋はぶちキレた。
きゃらす、ブチコロース!  ぜってー、ブチコロース!

仕事中、きゃらすのとっても残忍な殺傷法と徹底的な撃退法が頭の中をぐるぐると駆けめぐりまくる。
防空体制に油断があった自分への憤りもあいまって、醤油屋はもう怒りを抑えることができなかった。

17:00、仕事が終わるやいなや、カブをぶっとばしてリサイクル畑へ。 くそきゃらすのやろー。
A.T.フィールドと防鳥ネットのすき間を防獣ネットでふさぎ、更に防鳥ネットをめくって侵入するルートを断つため、防鳥ネットのすそ部分に防獣ネットを重ねて張り巡らせた。
作業中、くそきゃらすのやろーが堤防の電柱にとまって、ニンゲンをあざ笑うかのようにかーかー鳴いてやがる。
19:05、降り出した雨にも負けず、作業完了。
これでニンゲンは勝てるか?

●2010.7.19
リサイクル畑は、再び平穏を取り戻し、ニンゲンのこころにも平安が戻った。
新たな被害はない。 だが、今年のトウモロコシの収量が予想を大きく下回るのは間違いない。
来年の仮想敵は、きゃらすに決定! 打倒きゃらす! 

●2010.8.1
トウモロコシの追加被害ほぼなし。 すずめがネットの網目から侵入しているのか、つつかれた形跡少々。
一方、防鳥ネットがないトマトはトリのエジキに。 また、なぜか、相次いでカブトムシが防鳥ネットのエジキに。
レスキューを試みるも、ネットを切るわけにはいかず、ほうち。 ひからびるのを待つ。
スイカの匂いに引き寄せられたのか?

●2010.10.31
記録的に暑かった今年の夏も過ぎ、外骨格だけとなったカブトムシを分解し、防鳥ネットと防獣ネットを撤去した。
トウモロコシは対策が遅れ、残念な結果となったが、スイカは無事に実り、実にうまかった。

作物のなくなったリサイクル畑では、その内外で刈った雑草を小山のように積み上げ、来年に向けた堆肥作りをしている。
下の方から分解が進んで、山が低くなってきたので、いくつかの山にまとめて、更に牛糞堆肥を混ぜ込んだ。
ふと見ると、昼前にもかかわらず、Tが2匹いつの間にか出現し、草山のあった地面にいる甲虫の幼虫をがつがつ食っていた。
やはり、雑草堆肥の草山に見られる穴は、こいつらの仕業だったのか。
昨年生まれのちっこかった2匹だろうか。 冬に向けて食いだめの時期なのだろう。 『はらぺこだポコ・・・』
それなりにニンゲンを警戒しているようだが、5mくらいにまで接近。 とりあえず、撮っておいた。



2011年

●2011.5、6月
今年はトウモロコシ作んない。
二酸化炭素固定能力に優れるが、その甘さゆえ害虫害獣害鳥をぐいぐい引きつけるので、ぱす。
そのせいか、今年は一回リサイクル畑の対岸の土手下でT一匹を見たのみ。 これほど平和で良いのだろうか。
いやいや、平時にこそ着々と万が一の事態に備えねば。

●2011.7.4
今年の作物で危ないのはスイカ。
6月末、梅雨の晴れ間の早朝、そろそろ防鳥ネットを張ろうとリサイクル畑に行くとアレがかーと鳴いて飛んでいった。
スイカ畑では見事に中身をくりぬかれた5cm位の実が二つ、穴を開けられた10cm弱の実が一つ。
きゃらすもニンゲンもだいたい考えることは同じで、きゃらすに一歩先を越された格好。
本来むっきーと怒り狂うべき醤油屋は、春にねこ様を亡くしたダメージにより、全くパワーダウンしていた。

まいっかと朝のうちに防鳥ネットを張り、夕方ネットの裾の部分に防獣ネットを一周させた。
風にあおられたり、きゃらすがめくったりしないように重石を置いた。
以後きゃらすの被害はない。

●2011.7.10
夕方、リサイクル畑から雑草の間の道をカブで帰っていると、ちっこいTが2匹、前方の道を横切る。
殖えているのか?

●2011.8-9月
きゃらすの猛攻。スイカ受難。
ネットの外で育った実は言うまでもなく、ネット越しにつつけるものはみなつっつく。
さらに驚くべき事に畑中央部であっても、ネットの上に止まってつつけるものはすべてつっつく。
まさかあんなとこから・・・。 9キロ、糖度12.6のスイカは惜しいことをした。

やつらの間合いに入ったものは、ことごとくつつかれる運命にあるのだ。
来年以降、間合いの見切りが勝負を分けそうだ。

●2011.10.16
いやー今年はほとんどTを見なかった。安心安心。
トウモロコシを作らなかったからか? 当然被害は皆無。
ただ雑草堆肥の山には例年通り、Tが虫を求めてぼじくった跡が多数あり、依然としてTの脅威が去っていないことを示している。
来年に向けて、台風の影響等で傷みが見られるA.T.フィールドの修理をしなければ。

●2011.10.23
リサイクル畑の作物は、成長中のカボチャ数個を残すのみとなった。
雑草の海をなぎ払い、堆肥の原料とすべく夜のとばりが下りるころまでがんばっていたら、久々にTが出た。2匹でた。
「たいひ山のいもむし食いてー。こおろぎ食いてー。ニンゲンじゃま。はよう帰れ。」
ま、こいつらは毎夜ここで食事しているのだろう。
A.T.フィールドの外はおまいらのもんよ。すきにせい。



2012年

●2012.4.2-3
爆弾低気圧襲来。A.T.フィールド西側倒壊。 きゃー、おいらのタマネギちゃんがー。

●2012.4-5月
A.T.フィールドの修理。杭が根本から折れていた。やはり生木では保たないか。
防腐塗装(¥1,290/半額処分品)をした杭を更に鉄製アングルで補強し、埋設ブロックの穴に打ち込むことにした。
一本おきに地面に直打ちの杭があるので、こちらもちゃんと防腐塗装した新たな木材を使うことにした。
倒壊した西側以外にも杭が朽ちてぐらついている部分があるので、多めに杭を作って余裕ができた時に修理の予定。

連休、リサイクル畑の畝立て中に一息入れていたら、ぴょんぴょん黄色いイタチが跳ねて来た。
ひょいと頭を上げて周囲を確認すると波板のない部分の金網をかかっと乗り越えてA.T.フィールド内部に侵入してきた。
ニンゲンと目があった瞬間、ぴたっと止まり、とたんに来たルートを逆走していった。
間違いなく波板必要。あれの身体能力から考えて、爪がかからないように二重の波板が必要だ。
倒壊部分以外でもA.T.フィールド全周の波板の修理、補強を行った。

草刈りのあと、トラクターで耕したあとをたいていカラス二匹とヒヨドリ十数羽が虫を求めて寄ってくる。
『リサイクル畑でエンジン音→ニンゲンが草刈りor 耕し→逃げ出した虫やミミズ食べ放題』の条件反射がすでに確立していた。
ただ、宿敵であったTは全く見なくなった。
雑草堆肥には虫を探した穴が相変わらず絶えないが、イタチなのかもしれない。

●2012.6.27
昨年は5〜10cmのスイカをカラスにやられたので、今年は早めに防鳥ネット、防獣ネットを敷設することにした。
作業をしていると近くの電柱にとまったカラスがカーカー鳴いている。気になるらしい。
今年は、負けぬぞ。
ネットの敷設がだいたい終わって帰ろうとしたら、Tがいた。一匹だけらしい。
しばらく見なかったが、やはりいるのだな。


2013年

●2013.8.14
A.T.フィールドの補修。
ゲート部分、東側で根本が腐った杭を防腐塗装し鉄製アングルで補強したのもに交換。

今年は3年ぶりに、Tやきゃらすが大好きなトウモロコシを作ったが、とても心安らかな夏だった。
Tをまだ一度も見ていない。 ちょっと寂しいくらいの平和だ。
A.T.フィールドの外にある雑草堆肥の山には、ほじくった後が常にあるのだが。
ただ、防鳥ネットの網目をすり抜けたスズメにつっつかれてしまった。

●2013.9.22
朝行ってみるとゲートが開きっぱなしになっていた。
不覚! 痛恨の極み! 
先週末の草刈の後、鍵を閉め忘れていた。 なんと一週間もの間、開けっ放しだったのだ!
A.T.フィールド内の雑草堆肥の山には、Tがいもむしをほじくった跡がたくさん残っていた。
不幸中の幸いなのは、未収穫の作物はカボチャだけで、被害がなかったことだ。
しかしながら、Tはこの一週間で、A.T.フィールド内部に手つかずの非常によいエサ場があることを学習してしまった。

●2013.9.23
昨日は、当然きっちりかっちり間違いなく鍵を閉めて帰った。 今朝も閉まっていた。
なのになのになんでかなぜかA.T.フィールド内部の雑草堆肥山にTのほじくった新たな穴が増えていた。
ひーーーーー、なんでじゃーーーー。
あわててA.T.フィールドを点検して回ると、以前草刈機で引っかけて破損した金網部分をむりむりに押し広げてTが侵入した跡を発見した。
ここか!
何とかあり合わせの材料で侵入口はふさいだが、A.T.フィールドは突破できる!という成功体験を得た奴らは、ちいさいのうみそのすべてを使って執念深くあらゆる方法を試みるだろう。

ああ、たった一回の鍵の閉め忘れがっ。なんておそろしい奴らだ。 まわりは敵だらけなのだった。
ニンゲンは思い出した。ヤツらに囲まれている恐怖を・・・ A.T.フィールドの中に押し込められた屈辱を・・・・・・
千日の安寧は今破られた。

●2013.9.29
先週は、当然きっちりかっちり間違いなく鍵を閉めて帰った。 今朝も閉まっていた。
なのになのになんでかなぜかA.T.フィールド内部の雑草堆肥山にTのほじくった新たな穴が更に増えていた。
ぎゃーーーーー。どっから、こんどはどっから侵入?
地上の波板と亀甲金網をビニール被覆針金で固定していたのだが、これがさびて劣化している部分からむりやり押し入られていた。

ああ、たった一回の鍵の閉め忘れがっ。 とにかく修理。さびないステンレス製の針金で修理。
さらば安寧の日々。ニンゲンは畑を放棄するしかないのか?
だめだ! A.T.フィールド内部はニンゲンのもの。
一匹残らず駆逐してやる!

●2013.11.1-12.31
まず、きっちりかっちりを確認。 雑草堆肥山異常なし。ほっと一安心。
だが、Tのアタックが日夜続いている痕跡がA.T.フィールドの様々な部分に残っていた。
ゲートの下部分から地中突破を図り、地面を掘って地中に埋め込んだ波板を食いちぎった跡。
さらには、亀甲金網の地上20センチほどの高さの部分には、むりむりに押し込み、あるいはかじってぐいぐい引っ張った痕跡が至る所に。
A.T.フィールド外周は、Tが何度も何度往来した結果、草が踏みしだかれている。

折悪しく、建造から5年が経とうとするA.T.フィールドには所々劣化箇所が見られる。
8月の交換から更に一本、根本が腐ってぐらつく杭を防腐塗装し鉄製アングルで補強したのもに交換。
補強、修理はステンレス製のねじ釘、針金で行った。
何より、リサイクル畑から帰るときはゲートの施錠を指さし確認するようになった。 「施錠よーし」

ニンゲンとTとのたたかいはつづく。


2014年

●2014.6.14
やはり、いるのだな。 A.T.フィールド外部西の草むら境界にて。2014年6月14日19:17

●2016年8月
A.T.フィールド地表部の波板を固定していた木製の杭がかなり傷んできたので、プラスチック製のものと交換。

●2014.12.21
A.T.フィールドの修理。
爆弾低気圧のあと、支柱の補強と壊れた波板部分を補修した。

じつに平和な一年でした。


2015年

●2015.3.21
A.T.フィールド内部の堆肥山にほじくった跡を発見。金網を見て回るが、穴はなかった。

●2015.3.31
堆肥山のほじくった跡が増え、ジャガイモの種芋が掘り出されていた。
やはり地面付近の金網に侵入したらしき穴は見つからない。
6年経った支柱の根本が腐り、ぐらついている部分の波板が一部はずれかかって亀甲金網に隙間ができていた。
どうやら金網をよじ登って侵入する経路を発見したらしい。
シュークリームよりちいさいのうみそしかないくせに、実に的確に最も防御の弱い部分を突いてくる。
やつらはハッカーのように毎夜防壁にあらゆるアタックを続け、ほんの小さなセキュリティホールでも見逃してはくれない。
ほんとうにおそろしいやつらだ。

醤油屋は昨年冬からリサイクル畑周辺のクズ根絶作戦を今年の一大目標として取り組んでおり、A.T.フィールドの修理が後まわしになっていた。
これはA.T.フィールドの外深くまでニンゲンが侵略した事への報復なのか。

●2015.4.9
A.T.フィールドの修理。
木材に防腐用塗料を塗り、ステンレス製の針金で固定。破損していた2カ所を直した。
ただ、ジャガイモの種芋を掘り返した犯人はTではなく、Kだったのだ。

発芽した芽が黒マルチを押し上げてきたので、穴を開けて芽を外に出した。
日の光を浴びて大きく育てよと、A.T.フィールドの扉を閉めて帰ろうとしたら、いつの間にか黒いのが舞い降りていた。
さっき穴を開けたばかりの黒マルチからのぞく新芽をくちばしでぷちぷちと・・・
醤油屋は非常に激しい殺意を感じ、足下の石くれをがっとつかんだ。
投げつける前にKはばさばさと飛んで逃げていった。後には無惨に新芽が散らかっていた。

帰るとすぐにパソコンで検索。
「カラス 殺し方」「カラス 毒殺」「カラス 駆除」「カラス 罠」「カラス 対策」
実におろかな話だが「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」はKにも適用されている。

第一条にはその目的が記されている。
「この法律は、鳥獣の保護を図るための事業を実施するとともに、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害を防止し、併せて猟具の使用に係る危険を予防することにより、鳥獣の保護及び狩猟の適正化を図り、もって生物の多様性の確保、生活環境の保全及び農林水産業の健全な発展に寄与することを通じて、自然環境の恵沢を享受できる国民生活の確保及び地域社会の健全な発展に資することを目的とする。」

第八十条(適用除外)に、「カラスについては、本法律を適用しない。」とあれば超クールなのに。 ないです。

罰金が怖い醤油屋は、仕方なくネットで効果が期待できそうな商品を探した。
いずれも単品では効果が長続きしないようなので、運用法を考えている。
Kのくるみくらいしかないのうみそに負けるわけにはいかない。

●5月4日
昨日まで醤油の仕込みで肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいだった。
「やっと終わった。」と開放感に浸る醤油屋。
昼前にリサイクル畑に行ってみると、Tが一匹堆肥山でお食事中だった。
あわてて草むらに逃げ込んでいったが、真っ昼間から活動って、おまえらゴールデンウイーク関係ねえだろ。

トラクターで畑を耕していると、いつもの通りKがやってきてミミズなどをついばんでいる。
5メートルほどの間合いをとって警戒している。
うーん。なんとかこいつらを××して、××したいのだが。

●5月10日
サツマイモの苗を植え付けたので「カラスなぜ逃げる?」を二カ所に設置した。
やつらは遊び半分で植えたばかりの苗を蹂躙するのだ。被害のない年はなかった。
ある程度の大きさまで育つと、見向きもしなくなる。

●5月17日
K対策として、支柱から支柱へとステンレスワイヤーを張った。

●5月25-26日
落花生を定植したので、「黒ちゃん」を一日吊した。ワイヤーと防鳥糸でぐるぐる巻きに。
「うわー、おいらなんかにひっかかちゃったよー」「やべー、キケン、キケン、キケン」となればよいのだが。
吊しっぱなしでは効果が薄れるので翌日には回収。
畑の隅ではKが醤油かすと雑草の堆肥山をつついていた。
作物の苗については、今年はほぼ被害無し。

今年の春からA.T.フィールド内の堆肥山にほじっくった跡があったが、TではなくKの可能性がある。
KがT化したということか。 Tが堆肥山をほじくるのを見て学習したのだろうか。

26日には防鳥糸を張った。

●6月1日
紅アズマの苗が一本引っこ抜かれていた。犯人はバレバレ。

●6月
それなりに警戒しているようだ。

●7月19日
台風11号が17日早朝、倉敷市を通過した。
台風の目通過時の静寂を経験した。ほんとに雨風がぴたっと止んで、しんとなるんだね。
19日の日曜日、リサイクル畑に行ってみると、A.T.フィールが数カ所壊れていた。
幸いにも、Tが侵入した形跡はなかった。よかったよかった。

木製の支柱が、やはり地面付近で折れていた。
この地中-地面の部分を補強するため、プラスチック製の杭(45×45×600mm/楽天市場¥249)を事前に多めに購入していたのだ。
なかなかに優れもので、穴あけ、ビス打ち、切断等の加工ができるので、折れた杭を立ててそのままステンレス製の針金とコースレッドで補強した。不朽の一品といえよう。


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