第2号
2005.06.17発行
©ザ・玉島!!
 

 第二回の発刊ですよ〜。
 本当に刊行は適当でしょ?w
 一回目のコラムでは、内容が不備があり大変失礼しました。本日訂正しましたので、以前よりはマシだと思います。
 さて、本日二回目を迎えたわけですが・・・
 σ(・_・)の古文に対する知識は本当にありません。。。ましてや、万葉集に関する知識など無に等しいです。。。しか〜し!今回は、万葉のふるさと【玉の浦】を特集しちゃいま〜〜す!!!
 それでは、第二回のスタートです!!!    


〜〜古代玉島玉の浦〜〜

 今回は、万葉集の、とある『うた』について特集します。
 まず、万葉集とは何か。奈良時代の歌集の一つであり、二〇巻にもわたる大作です。大伴家持が現存の形に近いものにまとめたとされていますが、成立年は未詳のままです。短歌・長歌・旋頭歌(せどうか)・仏足石歌・連歌の五体で、歌数四五〇〇余首にも及びます。約四〇〇年にわたる全国各地、各階層の人の歌が収められ、東歌(あずまうた)・防人(さきもり)歌などを含み、豊かな人間性を素朴・率直に表現した歌が多いのが特徴です。現存する最古の歌集であり、万葉仮名を多く用いているのも特徴であります。
 さて、どうしてそのような万葉集を、ここザ・玉島!!で紹介するのか?
 答えは単純です、ただ単に、玉島付近の詩(うた)も収められているからです。
 前回も書いたように玉島は古代、玉を並べたような島が連なる海でした。(またまた図@)
 ここは天然の素晴らしい漁港でもあり、風がほとんど吹かない舟の休憩場所でもありました。それとともに、瀬戸内海自体が素晴らしい海路でもあったため、玉島はさらに船の交易路として栄えました。

 その玉島を古代、難波から出発した遣新羅しらぎ使人(朝鮮半島の新羅しらぎに使いをする人)が玉島で一夜を明かしました。
 その時詠まれたうたが、この詩です・・・
 

 ぬばたまの は明けぬらし 玉(多麻)の浦に あさりするたづ 鳴き渡るなり  (15.3598)

 玉の浦の 沖つ白玉 拾へれど またそ置きつる 見る人をなみ (15.3628)  
 最初のうたは、  【玉の浦の干潟でエサをあさっていた鶴が鳴いて飛んでいくのが聞こえてくる、ああ、もう夜が明けたらしい。】遣新羅使人の一人は、玉の浦の夜明けに、鶴の鳴き声で目覚めたのでしょう。
 二つ目のうたは、  【玉の浦の沖の白玉を拾ったけれど、そのためを見て喜ぶ妻はここに居ない、だからまた元のところに置いてきたよ】と詠っています。これも遣新羅使人のうたです。
 この二首に詠まれている歌は、遠浅の砂浜に干潟が広がり、そこにエサをあさる鶴が群がり、白砂の浜の方には、波に表れて輝く玉石や美しい貝殻などがちりばめられた、まさに白砂青松に鶴、錦絵を見るごとき景勝が想像されます。しかし、その一方で、家族と離れ離れで妻にも会えない悲しさが表れている詩といえます。
 この玉の浦は、現在の玉島付近である、っということは万葉学者の定説になっています。玉島以外には、広島県尾道市説、岡山県玉の市説がありますが、尾道市の場合、様々な文献から推定するに当たり、万葉集にのっているこの度の詩の順序やこの文献が万葉集以降に作られていることなどから可能性はほぼ無いということです。(この説に関する私の解釈は、一部間違いがあるかもしれません。ご了承下さい。)
 岡山県玉野市玉の説の場合、当時の航路を考えるにあたり、わざわざ現在の玉野市玉付近に当たる、当時の外海をわざわざ内海から出て迂回するとは到底思えません。そこで、内海を西航して行き当たるのが、現在の倉敷市玉島であるというわけです。当時の航路純情からも、船泊まりの立地条件としても、また遣新羅使人歌群の詠まれた航路順からみても、ここ玉島が最もふさわしいといえるでしょう。
 また、最初の歌には、たづ、つまり鶴が出てきますが、万葉の時代、日本にはいたるところに鶴は棲息していました。特に、棲息できる大湿原が全国の方々にあったと見てよいでしょう。
 万葉集では、難波、現在の難波なにわの歌に最も多く鶴が詠まれています。淀川などの流域が大湿原であって、鶴の棲息に適していたためです。
 ここ玉の浦も、高梁川たかはしがわの下流であって、当時湿原であったのでしょう。よって、この地に鶴が棲息したということは矛盾がなくなるわけです。
 と、すると、尾道や玉野はどうなのでしょうか?尾道にも、玉野にも、これといった川は存在していません。よってこの点からもこの二説は可能性がほぼ無いことになるのでしょう。
 現在、玉島は干拓され陸続きになっていますが、この歌によって当時の玉島の白砂青松に鶴っといった美しい風景を想像することが出来ます。
 玉島文化センターの近くには、この歌の歌碑が立てられています。
   
 (C)Manyoushu no naka no Okayama  
参考文献:【瀬戸内の万葉 下田忠 著】

   

 第二回のコラム、終了です(汗)
 少し長めになりましたが、、いかがでしたか?感想など教えてくださいね☆

 

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