千歳楽とは?

道口東千歳楽

 千歳楽(せんざいらく)は、岡山県沿岸部に見られる形態の太鼓台で、神輿の巡行にお供する役割を持つ。他県では、『太鼓台』(愛媛県新居浜市等)と呼んだり、また香川県三豊市では、『ちょうさ』と呼ぶ。
 この様に、千歳楽に類似するものは、四国圏、関西圏など主に瀬戸内沿岸に分布しているが、千歳楽がいつどの時代にどのように伝わってきたかは、現在研究が進められているところである。

千歳楽の構造

 千歳楽の高さ、幅、重量などは各地区ごとに相違が見られるが、各部分ごとにだいたいの名称を持っており同じような構造をしている。
主な構造として、右の図(下の説明文)のようなものがある。

 
布団 …  千歳楽の上部にあり、祭礼の際、神々が降臨する際に受け止める役割をするという説もある。現在では安価で求められるのもになりつつあるが、昔は布団といえば高級品であり一般には手も届かないようなものであったからこのように祭礼といった特別な行事ににつかわれていた。
 玉島地区では、3枚布団、5枚布団が普及しているが、他のエリアになると7枚布団の千歳楽も多い。
 昔は竹で編んだものを布団としていたが、現在では発泡スチロールを加工した物が多い。
布団締め 上記の布団のずれ、転落等を防ぐために取り付けられたもの、主に帯状で上下に縛り付ける役割をもつが、簡素なものから時代を経て金刺繍を施したものが多くなっている。題材の多くは昇り龍・降り龍をあしらったものであるが、中には日本の古典から題材を引用した物語を刺繍でえがくなど、多種多様である。前後に氏神の名称をかいたものも多く見られる。
力車 千歳楽の上部と下部の中間に位置するこの部分は、木を組み土台部分と布団等の上部を連結させる部分でもある。
 この部分に、彫り物を施した地区も多く、題材は多種多様である。
水幕 千歳楽の中心部分、太鼓がすえてあり太鼓を打ち鳴らす部分の四方を囲うための部分である。
 元々太鼓たたきはこの中にこもり、外に身を出さずに打ち鳴らすことが本来であるが、地区によってはこの幕を捲り上げて使用する地区もある。最近では外の指示を正確に知るために身を出すことも多い。ちなみに管理人もあまり身を隠さない・・・(汗
 この部分に豪華な金刺繍、社紋、三つ巴などをあしらう地区も多い。


高地千歳楽