心のイメージ
P255
「これらの偶発的な形の中に読み取るものは、私たちが心の中に貯えている物とか
イメージをそれらの形に認める能力にかかっている。」
P257
アレクサンダー・カズンズ著
「独創的な風景画を描くにあたり創意を助長する新しい方法」
”カズンズは同書の中で「しみ作り」と称する方法、すなわち風景画のモチーフを暗示する
ために偶発的なインクのしみを用いる法を、好学心に燃える未熟者のために提唱している。
この方法は、そのころ随分人の笑い草にされたものだが、******
この新機軸の形式が意味するものにつき深い心理学的理解を持っていたことが
わかるのである。彼のあみ出した方法は、いわば美術教育の伝統的なやり方
に対する用意周到なる挑戦の感がある。”
P258-9
P261
このページに中国の宋迪(山水画家)の説明する影壁、敗壁の法の説明がある
”古き荒れ果てたる壁を選び、その上に1枚の白き絹布を掛けるべし。しかるのち、
朝な夕なにこれを凝視すれば******”
P262
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画論
”しみで汚れた壁とか斑な色の石を見ることがあると思う。もし何か背景を考え
出さなければ成らない場合には、こういったものを見ていると、さまざまな形をした山
、廃墟、岩、森、大平原、丘、谷などを配した神韻縹渺たる風景らしきものを
そこに想い浮かべることができるだろう。********”
絵具をしみ込ませたスポンジを壁に投げる方法についても記してある。
インクのしみとかスポンジを壁に投げるとか*****
バケツに入れた顔料をキャンバスに振りまくとか、泥とか雑多な物といっしょに
接着性のあるセメントを何層にも塗り又それを削るとか*****
の方法は現代の抽象画の普遍的な手法であると思う。
中国の唐宋山水画における小川先生の言う発墨画家も同様の発想と手腕をもち
山水画に仕立て上げたことと思います。
我々にとって重要なことは、偶然な不定形からイメージを連想によって引き出す
という発想の訓練をするということ。
ここから山水を作り上げるということ。
職人的な離れ業か、または天才的なインスピレーションか、胸中の逸気か?????
芸術家の心の中は我々が知らないだけでイメージを得る多様なモチーフが渦巻いている
事と思います。この混沌たる形象を立体、平面に定着させる作業のなかに
山水画を選んだ我々に適した方法が幾つかある事でしょう。
美術における未完成の問題
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