新潮日本美術文庫14 浦上玉堂 佐藤康宏著
9 青松丹*図説明
アメリカの中国絵画史研究者で日本の文人画についてもすぐれた研究のある
ジェイムス・ケイヒル氏は、この画風の特徴は、乾湿、太細、濃淡といった、
違う種類の筆触を重ね合わせ織り上げることで豊かな絵画の肌理を作り上げる手法にある。
元代の中国の画家たちが14世紀に発見したように、こうして達成される筆触の織物は、
地そのものの厚みを伴った形を構築出来る。*****
ここで的確に述べられているとおり、たとえば元末の黄公望が富春山居図巻で
実現したような境地と本質的には同じものを玉堂は目指している。
彼は、そのような描法が存在し得ることをおそらく日本で初めて理解した画家であり******
32 雲山模糊図
玉堂がたぐいまれな山水画家だったことである。彼は、必ずしも山水画を得意としなかった日本絵画史の中で、
例外的に中国の山水画のいくつかの核心をつかみ取り、墨と紙で何が出来るかを深く理解した、
ごくわずかな作家の一人である。
P80
700年も以前の北宋の画家と玉堂の間に何の関係があろうと疑うのは、現代の日本人の無知でしかない。
****竹田は確かに本質をとらえている。それは何か。
以下説明****
P83
玉堂自身も逸品画風に関して何らかの知識を持っていて、酒を飲んでの作画にはそれを再演する意図が
あったと思われる。
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