ガントナー 心のイメージ  玉川大学出版部 中村二柄訳
ガントナー先生は創作活動の闇の部分を「プレフィグラツィオーネン」という概念で説明される。創作活動をするに当たって、構想から完成に至るまでの間の一般の者には見えない部分の説明をされる。
p4 序の注 説明
創作過程における予備的な諸形体
プレフィグラツィオンとは美術作品の創作過程においてフィグラツィオン(形式、形象)
に先立つ諸段階、諸形態、諸表象などを意味する。すなわち一つの美術作品が形成され完成するにいたる過程において、その間に見出されるさまざまな予備段階ー絵画の場合は一般に、下絵、画稿、習作、スケッチなどである。見方をかえて言えば完成(フィニート) にいたる前段階としての未完成(ノンフィニート)である。
p184
プレフィグラツィオーネンの発端は、無定形の自然形体ー壁のうえの斑点、空にかかる 雲、川床の小石などーそれらのものが例えばレオナルドにとって精神を想像力を触発して、 それらの形を増進する能力をもっていたのである。
この両極の間にプレフィグラツィオーネンの広大な国土が展開する。それはさまざまな理念とヴィジョンのスケッチ モデル 粗彫 断片などの真に魔法の国である。 我々はそこに一つの未知なる世界への大胆な把握を見出し、それに触れて白熱の時の呼吸を感じ取るが*********

ガントナー 人間像の運命 中村二柄訳 付録解説 至誠堂書店
p283ー284
ガントナーが新たに提出する主要な観点と洞察はおよそつぎのように要約される。
3、この創造的過程の経過、すなはち作品の発想からその最終的な仕上げに至る緊張にみちた間隔こそ美術活動の本来の領域であり、作者の刻印が、様式が形作られる場所である。 *********いずれにせよ決定的なのは、美術作品がこの創造的対決の地帯から生起するその瞬間を明確に認識することである。
4、内なる造形衝動と外なる世界の対象とが結びついて、はじめて一つの美術作品が 成立する。
p285
5、プレフィグラツィオーネンとは、この創造的過程において美術家の最初の構想から
物質的に仕上げられた作品すなわちフィグラツィオーネンにいたる、一切の予備的な
諸形式、創造的な前段階を意味する。その発端はなお無定形な自然形体のうちに
****。そこで造形衝動がまず最初に、しばしばなおまったく無対象のまま、およそ
結晶しはじめるのである。その終局は******一般に仕上げられた作品そのものである。この両極の間にプレフィグラツィオーネンの広大な領土がひろがる。
さまざまの理念、想像、スケッチ、モデル、粗彫、断片などの魔法の国がある。
そこには未知の世界への鋭い把握があり、完成へ向かう白熱の瞬間がある******
そうしてそれがヨーロッパ美術史に対して汲み尽くしがたい意義をもつのである。
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