井原市美星町
2006.9.9
  演     目
榊   舞
役 指 舞
白蓋神事
導 き 舞
猿田彦舞
6 吉 備 津
7 本川神楽の鬼舞と、
主な神楽のビデオ紹介
8 国 譲 り
9 剣  舞

第11回「星の郷大神楽(おおかぐら)が美星町の歴史公園「中世夢が原」野外の
お祭り広場で行われると知ったので、吉備高原の星降る町・美星町にやって来ました。
生憎、当日は降雨予想で野外ではなく、近くの施設スパーク広場という広い館内でした。
館内奥の中央に神殿といわれる舞台、向かって右に神棚が設けられています。
演目は左表の通りで途中主催者の挨拶が入りますが
17時30分から始まって24時に終わるという長時間です。
開場の17時前には大勢の列が出来、夫々座布団や飲食の品を持ち込み家族連れで
じっくりと神楽を楽しむという方々で一杯になりました。
今回もプログラムに他県の神楽もありますが、古い神話劇の備中神楽が
これほどまでに愛されているか人気のほどが分かります。
左表演目備中神楽の1〜5は前に行う神事、中間の6,8に神代神楽、
9は後に行う神事になります。
私は7の本川神楽と解説まで見ましたので写真の撮れた一部をご紹介します。


白 蓋 神 事(びやっかいしんじ)

榊舞で一切を清めた後、荒神始め八百万の神を勧請する神事です。 
一人が綾傘を襟首に差して中央に座し太鼓を敲きながら唱えます。
もう一人の太夫が中央に吊るした白蓋(木枠に朝日、社殿や鳥居を図案にした切り紙やシデなどを取り付けてある)を
上下左右に静かに或いは激しく揺り動かします。そして白蓋から五色の紙片が飛び散ります。
まるで神々の降臨を偲ばせる神秘性があります。ここで拍手が沸き起こりました。

猿 田 彦 舞

鼻高面に白いしゃぐまを被り、赤の鎧に裁っ着袴に赤の脚半。扇の舞、剣の舞、長刀の舞と勇壮華麗に舞います。


吉  備  津

第十代崇神天皇の御代、四道将軍として吉備の国へ派遣された吉備津彦命がこの地で悪道を働く
温羅(鬼)を退治する物語を劇風に仕組んだもので吉備津神社の縁起がベースになっている。

吉備津彦の命(五十狭芹彦の命)
温 羅

吉備津彦命と温羅の戦い。右は血吸川(白い布)を挟んでの矢合戦。


本 川 神 楽(ほんがわかぐら)

高知県の旧本川村(現在は吾川郡いの町)の各神社に
奉納される夜神楽。
本川村は四国山脈吉野川上流の森林地帯にある村です。
今回演ぜられたのは本川神楽の一部です。
左上が「山王の舞」扇、幣串、片手に刀、両手に刀と
順に持ち替え抜刀して見事な太刀さばきをします。
途中片手に持った榊の枝を切り落とす場面もありました。
右上は「般若の舞」どちらの舞も力強いですが
山王の舞に比べて速く舞います。
囃子方は太鼓に銅拍子です。両者の舞の場合も
最初は左下の写真のように赤い布を被りしばらく大きく
舞った後、布をパッとはねのけ颯爽と登場します。
本川神楽も備中神楽と同じく
国の重要無形民族文化財になっています。