児島湾の出口付近、吉井川河口の東の入りこんだ水門湾に面し鎮座する亀石神社。
通称亀石様として親しまれています。
亀石様の由来は、神武天皇の水先案内をした神が乗った大亀の化身であると案内板にあります。
毎年大潮の旧暦6月15日、2艘の山型に提灯で飾ったシャギリ船がこの神社の長床(拝殿)に
船首をつけた満潮時の午後8時半ごろ、対岸から夜空に花火を打ち上げます。
五穀豊穣を祈るこの亀石まつりは満潮祭ともいわれ、しゃぎりの調べが郷愁を誘い、提灯と火影が海面にゆれて
夜空に花火が花開く瞬間、人々は幻想的な光景に陶酔します。
この夜は小学生の額あんどんや沿道に夜店が立並び、大勢の人が集まってきて真夏の敬神の行事が賑わいます。

満潮祭



県道すぐ傍に鳥居があり正面が亀石様と水門湾
左が長床の拝殿、ここで神事が行われます。
水門湾は遠浅の泥土、この地一帯は
岡山藩の新田開発の歴史があります。


神社のご神体は、玉垣の中の亀の形をした
岩で、長さ2m弱、高さ1mあります。

シャギリ船は水門町と東幸西とで
2艘でます。
船の中心に帆柱をたて、船首と船尾に
山型にロープを張り、
大中小の提灯で飾り付けます。
法被を着た小学瀬らが乗り込み
太鼓や、笛、鐘などを
鳴らしてしゃぎりを演奏します。
(これは3年前写したの東幸西の船です)




午後8時太鼓の合図で長床で祭事が始まりました。
人々は次々と亀石様に詣でて祈ります。
玉垣の中の小石でイボをこするとイボが落ちるといわれ、
お礼に石を倍にして返すという民間信仰があるそうです。


満潮の午後8時半ごろ2艘のシャギリ船が長床に船首を着け
斎主からお祓いを受け、曲の奉納があります。
時を同じくして
対岸から花火が上がります
この祭最高の見所です。



やがてシャギリ船は長床を離れ、別々に湾内を巡行します。一時途絶えた時期もあったというシャギリ船、地元保存会の皆さんの
ご努力によって復活して続けられているそうです。