久世祭りは、真庭市久世町で10月25・26日に行われました。
町内の五神のご祭礼(久世神社、朝日神社、鍋屋八幡神社、
三栄神社、惣八幡神社)で五社の神輿とだんじり十社が登場します。
25日は久世エスパス広場で五社の神輿が参集しての祝詞神事
の後、町内ご巡幸、だんじりの供奉行進があり、夜はだんじり喧嘩の
行事予定となっていました。
私は26日のだんじり行進と夜のだんじり喧嘩の見物に期待して
午後3時頃やって来ました。
既にだんじりの行進が始まっていました。、割と元気そうな一筋の長い
商店街を社中の皆さんが、夫々の紋を染め抜いた印半纏を纏い、
腹掛、長股引、地下足袋のピリッとした男衆が多くいて伝統ある
祭りを窺わせるものがあります。女性中心のだんじりも1社登場、
若さと健康なお色気を発散しています。
ここ久世町は、出雲街道と大山街道が交差し、近世には美作西部の
商業の中心地として、また、牛市は有名で最盛期には
年間3万頭の売買があったと記録されています。
このことからもだんじりが十社も出ることが肯けました。
今も総合家畜市場で牛市が行われており、商工業も盛んで
活気のある町との印象を受けました。
今年3月、真庭市として近隣市町村と合併する前の
久世町の人口約1万1千人。


左上は文化施設久世エスパスランド傍の写真屋とコーヒーショップ経営のお店にたまたま立ち寄ったところ、ご主人手作りの
喧嘩だんじりの模型があり、予備知識を得ました。だんじりの左のテギとよばれるものが前輪で方向転換するハンドルの役目をします。
右の先端は三角形でだんじり同士が激突する部分。鉄で補強されています。中央は宮で半鐘と太皷があります。本物の長さは約5m。
中と右上は、満艦飾で連なって商店街を賑やかな囃子に乗って行進中のところです。

祭りの若衆が盛んに気勢を上げている
祭りならではの風景。
午後6時からのだんじり喧嘩に備えて飾を
外しているところ。前の部分が鉄材で
補強されています。

商店街中央がだんじり喧嘩対戦の場所
真ん中に太い白線を挟んで右側の細い
白線がだんじりの先がきて、対峙する場所。
左側にもあります。


だ ん じ り 喧 嘩 
午後6時から9社のだんじりが上下(かみしも)に分かれて14回対戦します。1回の持ち時間は13分。その13分の間に
激突後、いったん白線までさがって、これでもかこれでもかと何度も激突を繰り返します。

だんじりの上には弓張り提灯で合図をする者、宮の中で鐘や太皷を叩く者、先の部分にいるのは重量を増すための者なのか
だんじりを直接に押しだす者が両側に10数人づつ、全部で40人ほど(推定です)が一丸となり火花散らして激突します。
鐘と太皷の喧嘩囃子が男衆の気分をいやがうえにも高潮させます。
見物人もハラハラドキドキ手に汗握り、息詰まる一瞬に固唾を呑みます。

左の写真は激突寸前、両者力が漲っています。右は左の写真の22秒後の激突場面。
皆一斉にだんじりの先端部分を覗きこんでいます。相手のだんじりにダメージを与えた側に歓声が上がります。
何度かだんじりの先端部分が横にずるずるっと滑ることもあり、だんじりを押していた者は、超俊敏に身をかわす
行動が要ると思います。
激突後だんじりの前に乗っている者はお互い手が届くので盛んに握手をする光景も見られます。
正に人と人との喧嘩でなくだんじり同士の喧嘩です

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