岡山県の中央を流れる旭川の中流域、御津地域の周辺では祭り行事として獅子舞が盛んです。
平成17年3月岡山市と合併する前の御津町時代の平成12年から始まった全国獅子舞フェスタは第8回目となりました。
11月17・18日の2日間で御津地域をはじめ県内外の獅子舞出演団体は17団体会場のステージで華々しく競演します。
夫々の地域の祭礼でしか見られない民俗芸能獅子舞が郷土色豊かに一同に会することは有意義な催しと思います。
2日間で17団体の獅子舞がありましたが、ここでは18日の内の11団体の獅子舞を載せています。
2日間の会場特設ステージでは獅子舞のほか吹奏楽、うらじゃ踊など多彩なプログラムで大変賑やかです。
会場には地元特産品や飲食のテントが軒をつらね、またフォトコンテストの作品募集もあり活況を呈しました。



因幡麒麟獅子舞の会(鳥取市覚寺)
獅子頭は因幡地方独特の中国の想像上の動物「聖獣 麒麟」、
先導役は同じく「猩猩」、腰に瓢箪をぶらさげてとても柔和な表情です。
麒麟獅子は鉦と太鼓で静かに厳かに舞います。
能を思わせるような神秘的な雰囲気を醸し出します。

                          (プログラム解説参照‥‥以下同じ)



神原神社獅子舞保存会
(島根県雲南市)

氏子が伊勢の太神楽を習い帰って
始まりは天保4年(1833)とあります。
頭屋制により伝承されている。
左の写真の鼻高面のほか二人立の獅子舞も行われます。
白の着物に袴といった衣裳からも
伊勢太神楽の雰囲気があります。
昭和63年島根県の民俗文化財に指定されています。



新熊野神社獅子組
(京都市東山区)

新熊野神社は、平安末期、
熊野信仰で有名な後白河上皇が
熊野の神を勧請し創建された由緒ある神社。
獅子舞は同神社の祭事に奉納されます。
法螺貝の合図で始まり豪快な演舞が続き
格式を感じます。。
上のタイトルの写真もこの獅子組です。


二条獅子舞(香川県三木町
日本最大級の大獅子3頭と小獅子60頭以上が
活躍する「獅子たちの里」で有名な三木町から
二条獅子連の出演。
鮮やかな色彩の武者絵の油単と呼ばれる胴衣、黒い張子の獅子頭。
前に天狗、後ろにおか目の面をつけた襷がけの役が
飛び回り、扇子であおって盛り上げとても賑やかです。
子獅子も可憐で良い感じが出ています。

(今年の三木町の獅子舞フェスタのページがあります)



中田上之町魁組神楽保存会
(岡山市建部町)

岡山藩家老池田氏の陣屋が置かれ、
「建部新町」という町場が形成された。
商人達が当地の氏神「天神宮」に神楽(獅子舞)
を奉納したのが始まり。当地方の魁となったのが
名前の由来。約350年余の歴史がある。
舞の形は御幣を持って舞う「さんば」と踊り手が
入れ替わる「しゃぎり」の2種類
で旭川中流特有の獅子舞と言われています。




町づくり推進協議会獅子舞部会(岡山市灘崎町)
約80年前の昭和天皇御大典の記念行事と始まった獅子舞で、旧村社の御崎神社に奉納されています。
途中中断の時期もあったそうですが、明るいブルーが印象的です。4人の少年が中央で拍子を取っています。
獅子舞には珍しく一人の尺八奏者の演奏で始まり、美しい響きが独特の情景を創りだしました。



境神社獅子舞保存会
(岡山県美咲町)

獅子舞の前に宮棒と呼ばれる棒遣いが行われます。
6種類の変化に富んだ舞は、女性的で優雅。
その伝承の良さから県の指定重要無形民俗
文化財に指定されています。


(2004年の同神社秋祭りのページがあります)


丸亀市中府南部団四魂神夫婦獅子
(丸亀市中府町)

司会者がこの獅子舞にはストーリーがあり、
見れば分かるということで自分なりに判断しました。
写真は雌獅子を巡って雄獅子が闘っているところで
やがて1頭が敗れて逃げます。
勝った雄獅子と雌獅子が晴れて夫婦となって
合体の見せ場もあります。
最後は4頭が2組の夫婦獅子になって登場し、
仲睦まじい舞を披露します。


宇甘神社獅子舞保存会
(岡山市御津)

長い歴史があるが過疎化の
ため中止していた時期も
あったが、地元若者達で
復活したとあります。
郷土愛の美談。
鼻にシデをつけています。
後ろの人は頭を出して
舞っています



七曲神社獅子舞保存会(岡山市御津)
ご当地御津七曲神社の獅子舞、江戸時代岡山藩の家老日置氏の陣屋町のシンボルとして誕生し、
寛文9年(1669)以来300余年にわたって続けられいる。
後ろの一人は胴衣の中に入らず胴衣の端を持って外に立つ。継ぎ獅子の場合も同様に行うのが特徴。
ひょっとこが男根(木製)とささらを持って寝獅子を扇動するが、一蹴されて引っくり返るなど滑稽な仕草が面白い。




備前岡山獅子舞太鼓唄保存会(岡山市出石町)

岡山後楽園の玄関口で公園とは旭川でへだてる出石町に伝承されている獅子舞。
獅子頭は檜の一刀彫り、胴衣の背中は赤、両側は黒、前垂れには備前池田藩の紋所の
備前蝶の刺繍を施し、風格があります。
親子獅子3頭で勇壮にまた愛情こまやかに舞います。
粋な姿と民謡「お江戸日本橋」に似た太鼓唄の「こちゃえ、こちゃえ」の文句が情緒を醸し出します。
ステージへの入場、退場も太鼓をかついで町を練り歩く様子を表現した見せ場となっています。