百年も前から絶滅とみられる日本の狼ですが、
狼信仰は各地にみられます。
ここ岡山県久米町の貴布禰神社の奥宮の
奥御前(おくみさき)神社は、通称狼様と
呼ばれています。
12月13日〜15日は当神社の霜月大祭が
あり、氏子を始め多くの信者で賑わいました。
古来、狼は超自然の能力を持つ獣で、
山の神の化身とされて信仰の対象になって
いますが、ここの狼様も悪魔退散、伝染病、
火難、盗難除けの守護神として広く信仰を
集めています。
霜月大祭では、昨年お借りした狼様(お札)
を神社へお返しし、今年の狼様を迎えて
お借りする形式で参拝祈願します。

(右上写真はクリックで拡大)


昨年の狼様を返しに風呂敷に包んだ
小祠(狼様を勧請している)を抱えて
参拝する信者。
昔は肩に背負ったと言う。
貴布禰神社拝殿 社務所で狼様を返し、新しい狼様を
お借りする受付が出来ています。
社務所で新しく狼様のお札やお守りを
受けることが出来ます。
1升札、1升3合札、3升3合札など
お米と交換できる古い風習も残って
います。

右上が小祠です。


奥御前神社社殿の正面。狼の好物の塩が供え
られています。
社殿の後ろ側には狼の出入り口となる丸い穴が
開けてあります。ここにも塩の投入箱があります。
社殿の近くに狼の足跡石があり、ここにも塩を
お供えするようになっています。