岡山県の西北端に位置し、広島県と鳥取県に接する
旧神郷町、平成17年3月、新見市と合併ました。
旧神郷町は梁川上流最奥部にあり町域の92%を
山林が占め、農耕地は標高250mから
500mの山間に帯状に分布し面積は463ha(3.4%)
とあります。美しい自然に囲まれ
「緑の王国」と名付けているのも肯けます。
「太鼓田植え」の行われる神郷下神代の
夢すき公園の周囲の山々も緑色系の濃淡の彩色が
水田に映え、公園の大きな水車が緩やかに回る
長閑な風景に心癒されます。
ここ神郷を含め備中北部の農村で盛んに行われていた
共同田植えは華やかに作業を進めることから
太鼓田植のほか、はやし田植、花田植などと
呼ばれています。
太鼓田植の由来は江戸時代の中期に田の神を祭る
行事として始まったと伝えられており、
昭和20年代までは
盛んに行われていたが、農業技術の向上、機械化など
により、各部落で組織していた田植組など自然消滅の
形で田植え歌も聞かれなくなっていった。
昭和46年神代郷土民謡保存会が結成され
この郷土民俗文化財の保存に努めておられます。
今では地域外の我々も信仰と労働と芸能が融合された
昔日の楽しい行事を見ることが出来るのです。


新見市神郷下神代の夢すき公園
手前は太鼓田植の行われた体験田(2.5アール)、向かいの水車の場所
との間には神代川の清流が流れています。



平成11年より地元神代小学校高学年生男女に伝承すべく、毎年夢すき公園体験田で太鼓田植えを実施しています。
今回も6年生男子9名、女子12名の参加で練習の成果が披露されました。上の写真は田植え踊りを披露していいるところ。



体験田ではすでに苗を植える前の準備が出来ていました。さげと呼ばれる男衆の撃つ太鼓に合わせて、
女性の早乙女と交互に田植歌を歌いながら田植をするとありましたが、
ここでは、田植歌は保存会の方が田の外で太鼓のリズムと流麗な節回しで歌いました。楽しい気分で早乙女の労働を
和らげ、能率もあがるように思いました。
昔は出稼ぎでさげ早乙女の2〜3倍の賃金を得ていた説明されています。
写真の左上は小学生のさげ右上は保存会の方のさげに一般参加の4名が早乙女に加わりました。


早乙女の足はどろんこになりましたが心配は要りません。すぐそばに神代川の流れの速い清流がります。自然の恵みです。
神代郷土民謡保存会は、隣地区の哲西のはやし田植のメンバーと共に毎年岡山湖楽園のお田植祭に出演しています。
今年は来る7月2日です。


夢 す き 公 園

国道182号線を走っていると大きな水車が目に入ります。日本一の親子孫水車の看板があります。
親の直径13.6m,子6.0m孫4.5mの三連です。
親の水車横の藁屋根の小屋には、その動力を利用したとう精、製粉の設備があります。

併設の紙の館では奥備中神代和紙の伝統的な紙すきの体験が出来ます。
紙すき体験の所要時間15分、うちは550円、色紙450円、はがき250円となっています。
          外に和紙の資料館や食堂、売店などある観光スポットです。

                                                                  詳細は新見市の公式サイトへどうぞ