三原市の神明市は440年の伝統を受け継いで、毎年2月の第二日曜日を最終日とする3日間盛大に行われ、活況を呈します。
神明市の行われるJR三原駅の北側の東町、館町、本町の1.5キロの通りには、500もの露店が軒を連ね3日間で約30万人の人出で賑わいます。
之だけ大きな神明市が立つには、普通は伊勢神宮を祀る神明社とかの大きなお宮の祭礼の日と思いますが、ここでは露天市が中心になっています。
(社)三原観光協会の「神明市」の説明書を見ますと伊勢信仰に基づいていることが分かりました。


「神明祭」は、伊勢神宮を祀る祭のことを言います。この信仰がひろまったのは、室町末期で、三原もその頃、この地方の港町として
栄えつつあり、当時九つの町組が寄り合って始めたのが祭の起こりと言われております。‥‥ 中略 ‥‥
往時には旧暦1月14日に、とんどをまき、神棚を飾り、伊勢神宮の幣を勧請し、あちらこちらの店先に翁人形やだるまを飾りつけ、
東町、館町一帯に数百の露店が立って、身動きならない程の人出で賑わいました。‥‥以下略‥‥

                            (社)三原観光協会「神明市」説明書より 

左上の画像は「神明御山」です。三原では、伊勢神宮の神霊を小正月(旧1月14日)の左義長のときに祀っていたということで、
このことからも左義長とも習合した伊勢信仰との関わりが分かりました。
高さ約18mの大トンド「神明御山」は、神の宿る標山として祭られ、極めて神聖なものとされており、神明市のシンボルとなっています。

「神明市」の詳細は、関連ホームページをご覧ください。


このお家では、神棚に伊勢神宮をお祀りして、翁の面と時代人形として
NHK朝ドラの「だんだん」に因んだ人形を飾っています。
往時の様子を伝えてくださっています。
往時にはあちこちの店に競って時代人形が飾られていたことでしょう。
(画像上)

神明市のもう一つのシンボルは日本一大ダルマ
高さ4.3m、重さ180kgの威容、之を見て初めて神明市に来た
実感が湧きます。
江戸時代の末ごろから、縁起物として鉢巻ダルマが売られ始め
今では「ダルマ市」とも言われるようになり、一家の幸せの願いを込めて
買い求める習わしになっています。



ダルマ供養塔
願いを叶えてくれたダルマの供養

三原城址を囲む三方の山には三原城下を護るように由緒ある多くの寺院の
甍が見渡され、三原の歴史を感じさせます。





 世羅西神楽 小国神楽保存会
神明市のこの日のイベントは、三原市と隣接の世羅町の小国神楽保存会による奉納神楽。
演目4題のうちの「悪魔祓い」(神明会館特設会場)