広島県無形民俗文化財
「能地春祭りのふとんだんじり」
の説明板です。
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JR三原駅から呉線に乗り換えて二つ目の「安芸幸崎」駅で降り立つと、ここは三原市幸崎町能地。
駅の南、海岸線を走る国道185号線沿いの造船所「幸陽船渠」の巨大な施設が一番に目に入ります。
能地の春祭りは豊漁を願う漁師達が130年以上も前に始めたといわれる、氏神である常盤神社の例祭です。
今年は3月21日の前夜祭に始まって22(土)、23日(日)に盛大に行われました。
特に22、23日の神輿渡御に供奉する「ふとんだんじり4基の勇壮な練りとぶつかり合い、
それに神童8人らが奉納する華麗な「獅子太鼓」が見ものとなっています。
私は22日、常盤神社の午後1時からの式典から、幸崎神社へ渡御到着の午後5時頃までを見物しました。
かって能地の漁民は、「家船(えぶね)」と呼ばれる住まいを兼ねた船で東は讃岐西は豊後方面まで
漁をして一年の殆どを船で過ごして暮らし、旧正月には帰ってこのふるさとの祭りに参加するという
能地は「家船のふるさと」であったという歴史を知り、時の流れを痛感しました。


獅 子 太 鼓 の 奉 納

常盤神社で午後1時からの式典終了後「獅子太鼓」の奉納です。宮太鼓8張を8人の神童と若衆8人で両側から叩きます。
それに笛とちゃんぎり(チャッパ)が入りとても賑やかな上に、太鼓の途中で控えの若衆が何度も神童を両手で高く差し上げたりします。
獅子も躍り出て舞うので躍動感に溢れて勇壮華麗です。太鼓の打ち方は三十八手あり息つぐ間もなく連続して打ちます。
約15分間、可愛い神童らの熱演に惜しみない拍手が送られ、全員揃って肩車に乗ってカメラマンの前に並びました。

神童らによる「獅子太鼓」奉納は幸崎神社に到着しても午後5時ごろに行われました(上のタイトルの写真)


神 輿 と ふ と ん だ ん じ り

獅子太鼓の奉納が終って午後2時頃から約500m先の幸崎神社に向って神輿の渡御が出発します。
1〜4丁目のふとんだんじり4基が太鼓打ちの神童2人を乗せて供奉します。町中で休憩をとりながらゆっくりと進みます。
途中で地元中学生による「獅子太鼓」も披露されました。
太鼓台にふとん屋根のあるだんじりをここでは「ふとんだんじり」と呼び、だんじりの漢字に「楽車」をあてています。
担ぎ棒は縦に4本、横に前後1本づつあり、30人ほどで担いでいます。


午後3時半ごろ、一行は幸崎神社の石段下の鳥居前に到着。神輿は石段の途中に安置され、
これから始まるふとんだんじりの競技?をご観覧になられます。
だんじりは、1基づつ元気な若衆によって担がれ練を繰り返したり、荒波を乗り切るが如くスピードを付けて回転したりします。
差し上げたり、、反対に一斉に肩を外してドスン!!大音響をたてて落とします。
台の下には鉄枠が取り付けてあるので激しい衝撃に耐えるようにしてあります。
最後は2組に分かれて「だんじりげんか」とも言われるだんじり同士ののぶっつけ合いが始まります。
担ぎ棒を合わせて、掛け声で徐々にに突き上げていき、後ろにでんぐり返ると思われる極限までに達したようになります。
勇壮で迫力があり、能地若衆の心意気に祭りの醍醐味を感じました。明日もまた町中が祭りの活気に沸くことでしょう。