神社の前は県道を隔ててそこは瀬戸内海、四国方面を望む国立公園の多島美が展開します。
正面の高島、差出島が先ず目に入ります。
潮風と明るい太陽を受けたここ神島外浦に鎮座する神島神社、9月第四日曜日の例大祭に
300年以上の伝統を有すると言われるの奉納があると知ってやって参りました。
当神社の祭神は、神日本磐余彦命(神武天皇の別名)延喜式神名帳の備中十八社の内に
列せられている由緒ある神社です。
詳しくは岡山県神社庁のサイトでご覧ください。
奴の由来(岡山県民俗芸能緊急調査‥平成6・7年‥参考)は、古くから瀬戸内海航路の
潮待ち港であったここ外浦に、参勤交代途中の西国大名がしばしば足止めとなった。
そいうときに当地管轄の福山藩水野家の足軽組が奴道中披露して慰めた。
それを外浦の鴨野の人達が習い、秋祭りで奉納するようになったと伝えられているとあります。


奴   道   中(写真は右ボタンクリックで6コマ自動で変ります。)

奴行列は神島神社から約1キロの西の
お旅所から御輿還御に続いて
スタートします。
行列の構成は、引率役の宰領、露払いの
猿田彦命を先頭にまとい持ち1人、
毛槍の受渡しをする奴12人、
挟み箱を担ぐ奴2人総勢17人。
奴はと見ると月代を深く剃りこんだ
奴頭に鎌髭、水色や柄の褌の前垂れを
長くした凛々しい出で立ちです。
奴は2列縦隊に並びます。毛槍は6本
列の前後2人1組で槍の受渡しをします。
何も持ってない奴は両手を、まといと槍や
挟み箱を担いでいる奴は、空いている
片手を真横に伸ばし、流れる唄に合わせて
手のひらを上下に反転、翻しながら
足は裸足で膝を直角になるまで上げ、
整然と歩を進めます。
合図で前にいる奴が歩を止め後ろを向くと、
後ろの奴が槍を宙に投げて見事に
受け渡しをして息の合ったところを見せます。
そのとき列の後尾にいる挟み箱の奴が
箱を持ち上げガラガラと音を立て、
跳びはねます。これが面白く興を添えます。
出発から約50分まるで古式床しい
絵巻物を見ているような思いになりました。


御輿 御巡行

神島神社の秋の例祭には、御輿3基、娘御輿1基、千歳楽風の
だんじり1基が登場します。
御輿の御巡幸も氏子地域の東部から中部、西部への各お旅所へと
担ぎやトラックでの移動です。
御輿は、西のお旅所から御帰りの際、途中のお旅所で奴行列を
ご覧になるという様子で、氏子地区を
秋の一日、ゆっくりと気長にお旅をされる趣向のようです。
各お旅所では御輿の三連結で3回廻しとかいう勢いをつけての
ぐるぐる回しを、だんじりもこれに負けじと練を
何度と無く繰り返し、元気一杯の神島男衆の心意気を感じました。
娘御輿は飾り御輿と思われますが、女子中学生の皆さん
華やかに若さと元気で爽やかでした。

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