岡山県寄島中学校 赤澤秀彦
1995年5月27日の早朝,上記の食と思われる減光を光電測光でとらえることができましたの で,そのときの様子を報告します。 仕事の都合(転勤)で4,5月と観測を中断していましたが,久しぶりの週末の好天に恵まれて, 夕方から目的星の位置をGSCで確認して準備をしていました。夕食時に岡山の大倉信雄氏より電話 があり,26時過ぎの2つの現象の観測について打ち合わせをしました。 28時17分の現象は薄明中であり,観測可能かどうか心配でしたが,SL9の時にも薄明中に測 光したことがあるし測光器で観測できる程度ならば観測を強行しようと考えていました。 24時30分に起床し,ベランダに出てみると,部分的に薄雲が流れていましたが,晴れ間が広が りそうなので,屋上に上がりました。 最初のIolandaによる恒星食は,薄雲の通過はありましたが「食なし」でした。 観測後,望遠鏡の赤経・赤緯を次の目的星の位置に合わせてみると,まだ地平線のあたりでした。 望遠鏡の追尾をそのままにしておき,下の部屋に降りてコーヒーを飲みながら先ほどの観測のデータ 処理を行い,予報時刻の1時間ほど前になって再び天文台に上がりました。測光器のコントローラー の時刻をJJYに同期し直して,目的星を望遠鏡に導入したのが,現象の40分ぐらい前でした。そ のすぐ近くに恒星より少し暗い小惑星も見えていましたが,測光器のダイアフラム(約1分角)には 同時には入らない状態でした。このときに小惑星と恒星を別々に測光しておきました。低空でカウン ト数の変動が激しかったけれども,概略の値は次の通りです。 恒 星+空=500カウント前後 小惑星+空=400カウント前後 空 =350カウント前後 しばらくして,2つの星が同時に測光できるようになってからは,薄明の影響で小惑星+空のカウ ント数は700以上になってきました。20cmのシュミカセによるビデオのモニター上でも2つの星 がだんだん近づいて行くのがよくわかりました。 28時をまわるとカウント数が急激に増え,恒星が消えた場合の150〜200カウントの差が判 別できるかどうか心配になりました。観測開始予定時刻の1〜2分前には眼視で2星を分離するのが 難しくなりました。あわててダイヤフラムの中心に2星を入れて測光を開始しました。 測光中も薄明はどんどん進み,観測の後半にはカウント数のばらつきが500を越えるのではない かと思われました。また,空がかなり明るくなってきたため,「フォトマルはだいじようぶかな。」 などと考えたりしながら,予定より2分早めて観測を終了しました。 この段階まで食が捕らえられているとは思いませんでしたが、データをFDに書き込む際,モニタ ー上に描かれた光度変化のグラフを見て、初めて減光を捕らえていることがわかりました。 観測中はパソコンのモニターのカウント数の変化を見ているか,ビデオのモニターの星像を見てい るかのどちらかですが,全然気がつきませんでした。 最初の減光は28h17m30.8sに始まっています。 その後,28h17m33.4s〜 33.6sに少し上昇していますが,28h17m35.6s頃に元にもどっているようです。 グラフを見た範囲では,減光が見られた時刻は予報時刻と極めて近く減光幅も事前に測光していた 値と近いものでした。観測条件としては,高度がやや低く,さらに低空にはモヤがありましたが,観 測終了後,周辺には雲片はありませんでした。 この観測結果は掩蔽観測グループの佐藤 勲氏と広瀬敏夫氏に送り解析をしていただいております。 この現象については,関東以北では薄明のため觀測できず,西日本でも欠側が多く,同時観測はな かったもようです。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
観測時に得られたデータのグラフ
11項移動平均
縦軸=カウント数
横軸=時刻(04h13m00s+)秒
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縦軸250秒〜300秒の間に、わずかに減光が見られる。
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食の部分を拡大したグラフ
