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2002/8/5
そぼくな質問 5級グレード「課題曲」のことでお尋ねします。 2002年版へ
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コラム 心の触れ合う、感動の音楽
インフォメーション

≪そぼくな質問≫
質問:ピアノ科・4年の学生 さん
ヤマハの5級グレード「課題曲」のことでお尋ねします。
カセット・テープ通りに弾いたのに、「もう少し考えて弾くように…」と言われ 不合格でした。
キッチリ弾いているのに、どうしてあのような言い方をされるのでしょうか? 
こんな事は、大学の先生には聞きにくいのです。
ちなみに私は、ショパンのエチュードが弾けるレベルです。


回答者:そぼQさん
あんた、そーとー勘違いが激しいなぁ。 グレード本来の意味を、全く理解できとらん。
『カセット・テープ通りに弾いた』 言うとるが、多分 20年くらい前に発売された 作曲者自身の演奏録音の物だと思う。そんなモン、よう手に入ったなあ。
そぼQも昔聞いた事があるが、ありゃぁ(注:あれは)10代の子供の演奏じゃが。
あんた、とっくに20代じゃろう?
ええ歳をした大人が 子供の感性を真似て演奏しても、聞いとるモンにとっちゃ〜滑稽でぇ。
ピーターパン症候群(大人になりきれない大人)の標本の典型じゃ。

ショパンのエチュードが弾ける…言うとるけど、ピアノ科の学生じゃぁのうても基本的テクニックさえありゃぁ、誰でも弾けるもんなんじゃ。 
趣味の人でも、時間さえかけりゃぁ あんたと同じように 『ショパンのエチュードが弾けるレベルです。』 といえる演奏を しはるんでぇ。

ピアノ科の学生とか、音大生いうのんを、えらい特権階級のように思うとる人がおるが、
そういう人に限って案外………………?

前にも言うた事があるが(4月25日版)、5級グレードは基本的な事さえマスターしていれば とりあえず受かる級なんじゃ。
「即興演奏」と「初見演奏」を聞いただけで、殆んど その人のテクニックとセンスが見えてくる。
じゃから、「自由曲」は あまり重要視されとらん。(自由曲は、大体の人が上手に弾く。下手な人は少ない。)
数多く出まわっとるCDを聞けば、一応の「自由曲」は演奏できるからな。
極端に言うと、「自由曲」なんぞは付録じゃ。

「課題曲」がフィニッシュ。
●20代は20代の、30代は30代の、その年齢に合うた生き様・感性で演奏してほしい。
●教えてもろうた事を分析して、頭を使って考えて演奏してほしい。
●他人のコピーじゃあのうて、自分を表現してほしい。
『もう少し考えて弾くように…』 とは、こういう事じゃと思う。
指が動いて楽譜通りの音が鳴れば 弾けている…と勘違いをしないように頑張ってくれや。


【おことわり] 今回の回答について…
これは、「一般受験者」「その指導者」サイドから見たコメントである。
よって
「試験実施」サイドからみれば、ニュアンスが違うかもしれない。
それを踏まえた上で、参考にして欲しい。(そぼQ)



≪コラム≫   [心の触れ合う、感動の音楽]

7月15日版を読んだら、よけい「そぼQ」のキャラが読めなくなった。どーにかせぇ〜。と 感動(ホントはお怒り?)メールが届いた。
そぼQの思惑通りで、実に愉快・痛快・博覧会である。(イヤミな性格…)
感動ついでに、心の触れ合う、感動の音楽について書くことにした。
大きなホールで 一流と評される演奏を聴くということは、勿論大切じゃ。
じゃが、過日(6月25日版)にも触れたと思うが、少人数でも実のある音楽について 例を挙げてみよう。
クラシックまで幅を広げると長くなりすぎるので、今回は除外した。


★ある懇親パーティーに招待され、『東京帝国ホテル』に何回か宿泊した時の話じゃ。
 ホテル内で夕食をすませ、1階のランデブー・ラウンジに出向いた。
 そこには『帝国ホテルの名物おじさん』がいて、グランド・ピアノを囲んでosakeを飲みながら演奏を聴けるコーナーがある。

 カウンター席に着くとすぐに、『名物おじさん』がリクエストを求めてきたんで、ワシたちは、ジャズの名曲を お願いしたんじゃ。
 見事に暗譜で弾いてくれはった。 一体、何曲・何千曲が頭の中に・指先に入っているのでしょうか?

 しばらくすると、中年の日本人男性が、少々アルコールが廻っておられたのか 演歌をリクエストしました。
 たしか、北島三郎の曲だったと記憶しています。
 演奏者はちょっと首をかしげましたが 「OK] と言ってポピュラー風にアレンジして弾き、隣の外人さん共々拍手喝采でした。

 おごり高ぶることもなく、客に恥をかかせることもなく、ニコニコしながら華麗に・静かに奏でるメロディーに 心が洗われました。
 終了後 タワー館の部屋に戻り、窓からベイブリッジや東京の美しい夜景を眺めながら 余韻に浸ったものです。

何故か息苦しゅうなってきた。酸欠状態。 死ぬ〜!!!!!
あ〜 今、気が付いた。 感動しながらしゃべっとったら つい、“品行方正そぼQの口真似”になっとったがな。
はよう(注:早く)気付いてよかったわぁ。 危ね〜とこじゃった。 深呼吸 フー… 
やっと落ち着いたんで、いつもの そぼQ弁に戻して続けょうか。


★新宿西口の ある高層ビル最上階の小さなレストランで、ディナーをとりながら「ジョージ・川口トリオ」のライヴを聴いた。
 わずか20名ほどで満席になるような 場所じゃった。

 何曲かの演奏後、ボーイさんにリクエストを求められ、メモ用紙に「テイク・ファイブ」と書いて渡した。
 「ジョージ・川口」はステージの上から グラス片手に そぼQに笑顔を向け、
 『「テイク・ファイブ」は今日の演奏メニューに入っていますので、ラストに演奏させてもらいます』と言い、
 最高のノリで演奏してくれはった。
 いつの間にか、演奏者グループと客席が 一つになっとったんじゃなぁ〜。

★『サバス東京』でも、ディナー付きのライヴを聴いた。(ここは結構 広かった)ステージは我がテーブルのすぐ前。
 「ワンダー・サー」のボサノヴァ。 えかったぞ。
 ステージ終了後 「ワンダー・サー」を楽屋に訪ね、しっかりミーハーしたのは 記憶に新しい。
まだまだ よ〜けあるでぇ〜。
★大阪ミナミの 高級クラブ〜小さなスナックまでを一応制覇。(音楽タイプは MAX〜MINまで)
 人間臭さと、マジに血の通った音楽と、客層に合わせた音楽作りを osake と共に勉強させてもろうた。

★『大阪ブルーノート』然り、『東京ブルーノート』もまた然り、演奏者と聴衆のハートが一つになった時初めて
 本当に心打つ音楽が聴けるもんであり、自らの音楽レベルも向上すると思う。

★倉敷市内じゃと、『アヴェニュウ』 『御園』でも 気楽にジャズ・ボサノヴァが楽しめるぞぉ〜。
 場所は広うないが、これがま〜田舎とは思えん 結構エエ演奏家が来るんじゃ。

★家で静かにレコードをかけて(CDじゃのうて、ホンマもんのレコードじゃ)、
 最高のスピーカーから流れる音楽を一人で聴くのも又、空間の充実じゃと思うが 如何かな?
 ワイングラスを傾けながらじゃと、も〜っと 最高じゃて。

大阪で大変お世話になった 恩師のお言葉(声を出して、スゲ〜ゆっくり読んでみてくれや)
「音楽ゆ〜もんわなぁ〜、聴く人のことも考えて演奏せにゃーアカンで〜。 
ナマイキな音楽(クラシック・ポピュラー・ジャズ全てにおいて)は 嫌われるんや〜。
自分が感動でけへんもんが、何で他人が感動でける〜? 楽しまにゃーあかんのや。
な、せやろぉ〜。 音楽は限られた人間だけのもんじゃ ないんやでぇ〜。
音楽の一部分だけしか知らんヤツは、音楽を知っとる言うたら アカンねんでぇ〜。 シッカリ遊んで勉強し〜や。」

はい! 今現在もシ〜ッカリ教えを守っておりますんで、どんぞ安心してつか〜せ〜(注:下さい)
おかげさんで、osake も tabakoも ウ〜ンと強うなりました。