10 そぼQ そぼくな質問 ヤマハのグレードが今年の5月からまた簡単になりますね。 2010年4月5日 2010年版へ戻る
そぼQ コラム 普通とは…
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≪そぼQ そぼくな質問≫
質問者: マシュマロ さん
ヤマハのグレードが今年の5月からまた簡単になりますね。
ピアノもエレクトーンも5級&4級の試験準備曲は4曲、3級は6曲のみとは、情けなくて声も出ません。
エレクトーン4級の自編曲もたったの5年で消えてしまいましたね。
ピアノもエレクトーンも5級とか4級取得の肩書きは同じでも、レベルの差は大きいと思いませんか。
難しい時代に取得した人間にとっては腹立たしいだけです。
どうしてこのようになったのか、ご意見をお聞かせ下さい。


回答者:そぼQさん
一言で言えば、財団法人ヤマハ音楽振興会はグレード試験で商売しとるということでしょうかな。
儲からにゃ存続も危ないんと違いますやろか。

『風が吹いたら桶屋が儲かる』の諺を実践したんでしょう。
@風が吹くとほこりが立つ。
Aほこりが人の目に入って失明する人が増える。
Bすると三味線弾きが増え、猫の皮を使うので猫が減る。
C猫が減るとネズミが増える。
Dするとネズミが桶をかじるので桶屋が儲かる。…とこんなふうに。

ヤマハの場合、
@ゆとり教育で勉強しない・練習しない人間が増え、受験者のレベルが低下した。
Aレベルが低下すると、受験曲が多ければ対応できない人間が増える。
Bすると受験者が減り、ヤマハの儲けも減ってくる。
C儲けが減ると商売にならんので、試験の内容を簡単にして受験しやすくする。
Dすると目先の簡単さに惑わされ何回も追試を受けてくれるので、ヤマハが儲かる。

どうですか、似ていると思いませんか。
ヤマハの昔の理事長が掲げていた音楽教育の理想が崩れ、現実とのギャップにあえいでいるみたいですな。
いまはどこの教育現場でも同じことが起こっています。
背に腹は変えられん…ということでしょうかな。
昔と今のレベルの差は確かに大きいと思いますが、自分の実力に誇りをもって進むしかないんちゃいますか。




≪そぼQ コラム≫   【普通とは…】

昨年右足の手術をし、なかなかマトモに動かないことに腹立ちを隠せない友人に「普通の生活って どういうこと?」と尋ねられた。
藪から棒にどういうこっちゃと反対に尋ねたら、
「動かさないと動かなくなる。しかし鍛えてはいけない。普通の生活をしてください。」と医師から言われたらしい。
「一体どうせぃ言うんかなぁ」とこんなふう。

“普通”とは、
(1)いつでもどこにでもあって、珍しくない・こと(さま)。
(2)ほかと比べて特に変わらない・こと(さま)。
(3)特別ではなく、一般的である・こと(さま)。
医師の言う普通の生活とは、日本国民の平均的な生活のことなのか。
なんとなく寝て起き、なんとなく仕事をし、なんとなく日々を経過することなのか。
音楽家(教師)でも普通といわれる人はデスクワークに徹しておるしなあ、ようわからんよ。

普通の反対の“特殊”とは、
(1)普通のものと異なっていること。平均的なものを超えている・こと(さま)。
(2)ある種類のもの全体にわたるのではなく、限られた若干のものだけにいえる・こと(さま)。

これでいえば音楽家の友人の生活は、世間で言う普通とは180度異なることになる。
毎日の厳しい練習と勉強は怠らない友人いわく、
「音楽の仕事は肉体労働と精神労働である。自分がまともに演奏できず知識がなければ、教えても育たない。
私の“普通”が“まとも”なのに、医師は一般的な普通にレベルダウンせえ言うとんかなぁ。」と悩んでしまっておる。

友人の今の生活は、以前で言えばごく普通のことだったはずなのに、現在では特殊と位置づけされる。
日本人は本来は勤勉で我慢強く、正直者であったはず。
“普通”の位置づけが変わったのではなく、普通の人間が減っただけのことなのになあ。

無理して悪化させたら元も子もないんで、ゆっくりせ〜言うことなんじゃあないの…と答えた。
が、“普通”と“まとも”と“特殊”に分類して生活をするのは至難の技じゃ。
そぼQにもそんな芸当は到底できんわ。