上手な介護保険の利用法 2003.10 介護保険を受けようと思うなら、まず申請から
実録:介護保険認定申請の仕方
- 介護保険を利用しようとする際には、まずお住まいの市町村の役所に出かけて、介護保険窓口に置いてある「介護認定申請書」に記入することから始まります。この際、お手持ちの介護保険証を添えて申請することになります。認定申請書の提出だけなら、かかりつけ医が代行してくれることもあるはずです。
- あなたが、65歳以上であれば「1号被保険者」として、その市町村に住民票があるかぎり、だれでも、どんな病状であっても申請できます。病名に関係なく介護や支援が必要であると認定されれば、申請を行った日から介護保険サービスを受けることができます。
- あなたが、40~64歳であれば「2号被保険者」でありますが、介護保険サービスを受けるためには、介護が必要になった原因の疾患に制限(病名が介護特定疾患である必要があります)があります。ついでに「2号被保険者」になるためには国民健康保険や社会保険といった医療保険へ加入していることも条件になります。(2号被保険者には、介護保険証は発行されないことになっているので、まずは市町村役場で保険証を発行して貰うところから始まります)
- 申請は原則として、利用者ご本人が行うことになっていますが、もちろん家族がかわりに申請することもできます。また介護支援事業者や、かかりつけ医でも代行申請してもらうこともできます。介護認定には必ず「医師の意見書」というある種の診断書が必要ですが、一番身近なかかりつけ医に市町村がお願いすることになっていますので、あらかじめかかりつけ医を指定しておく必要があります。もし仮に、いいかげんな業者に頼んだ場合、病状を無視したケアプランやサービスを無理矢理受けさせられてしまったり、かかりつけ医でない医師に意見書がまわってしまったり、など不利益を被ることになることがあります。
- 市町村によっては、「かかりつけ医に書いてもらってください」と申請時に医師の意見書を手渡しされることがあるそうですが、もし介護保険に無理解の医師ですと、記入を拒否されたりなどトラブルの元にもなります。自治体が主治医に直接依頼した方が合理的ですので、特に自治体にお願いしたい。
以下の、介護保険の流れのチャートに示しますが、申請後しばらくして、市町村の「訪問調査」が行われます。
- 訪問調査では、市町村の訪問調査員または委託された訪問調査員(ケアマネージャーの資格を持つ)が、自宅に来てくれて身分を明らかにした上で、ご不自由な点、困っている点など、詳しいお話など聞き、また、希望すれば介護保険制度についての説明もしてくれます。訪問調査員の身分証を持たない、ニセ訪問調査員も各地で出没していますので注意が必要です。(「○○県の介護健康センターから聞き取り調査に来ました」などというのは100%偽物で、市町村以外は原則として訪問調査は行っていないので、仮に身分証を持っていたとしてもデタラメのはずです)
- 自治体の訪問調査員は訪問調査(聞き取り調査)が終わりますと、データを市町村役場に持ち帰り、介護保険課でコンピューターを使った「一次判定」が行われます。
- 続いて「介護認定審査会」が開かれて認定となりますが、この認定審査会は別名「二次判定」とも言い、市町村に置かれた医療福祉の専門家数名による合議体で、先の訪問調査で得られた「一次判定結果」や「訪問調査特記事項」に加えて「医師の意見書」などから、8種類の介護判定(要支援、要介護1~5、非該当、再調査)がなされます。ここでは利用者の介護度や支援が必要かどうかも決定されます。
- 認定申請から30日以内に、市町村から申請者に対し認定された場合「認定通知書」、自立の場合「非該当通知書」が送られてきます。認定された場合の認定期間はおおむね6ヶ月で、状態の安定した人では更新申請では1年まで延長されます。
- 介護サービスを受けたい場合には、認定通知書を受け取ってから「介護支援事業者=ケアプラン作成事業者」のケアマネさんにケアプランを作ってもらうことになります(但し認定の有効期間は申請時にさかのぼることができますので、緊急時には、ケアマネさんにお願いして前倒しでサービスを受けることもできるようになっています)。ケアプラン作成事業者がわからないときには、かかりつけ医に、「介護支援事業者」を紹介してもらうことができます。ご自分の懇意な事業者に直接頼んでもいいのですが、病状によっては事業者の手に負えないこともありますので、かかりつけ医に相談されることをお勧めします。もちろんご自分でケアプランを作ることもできますが、市町村に届け出たりよ実際には手続き上、煩雑なのでかなり介護保険制度を熟知されていないと相当に難しいでしょう。
- ケアプランを作ってもらうには、「介護支援事業者」のケアマネさんが「サービス事業者」を同伴し、利用者の自宅に来てくれて、介護の必要な状況を確認し、利用者の希望を聞いたうえで「ケアカンファレンス」を開催し、利用者やご家族同席の上で、必ず利用者の同意を第一にケアプラン(介護計画)が決定されます。この「ケアカンファレンス」は必要なときにはその都度開かれます。もし気に入らなければ、ケアプランに印鑑を押さなければ有効にならないのでこのプランは実行されないわけです。またケアマネさんが気に入らなければ他のケアマネさんに替わってもらうこともできますし、サービス事業所を変更することもできます。実際には人間関係などあって利用者にははっきりとは断りにくいものです。もし直接ケアマネさんに言いにくければ、かかりつけ医に一度相談してみてはいかがでしょう。
- ケアマネさんは、ケアプランが決定しサービスを受けていても、最低月1回以上は自宅訪問して、介護サービス状況をチェックしに来てくれます。もし苦情があれば、聞いてもくれるし改善することになっています。また、病状など変化のある時には24時間対応で対応してくれ、夜間に直通の電話番号を教えてくれます。その他にも相談に乗ってくれたり、サービス事業者への連絡、かかりつけ医への状態説明などもしてくれることになっています。
*上記の中で青字で記載されたところは、世の中のケアマネさんの不真面目さゆえに、明文化されてはいるものの、実際には行われていることが少ないと思われる仕事項目です。でも職務ですから是非、利用者がチェックしましょう。
もし、これらが守られていても、守られていなくても、ケアプラン内容やサービス内容に不満があるのなら、自治体の窓口よりも、まずかかりつけ医に相談しましょう。まともな医師なら、必ず相談にのってくれます。(実際に市町村の窓口で、不満を言っても、担当者がサービス業者とグルだったり、もみ消される事例は結構多いのです)
主治医として、利用者の思い通りにならず、ケアマネさんの言いなりになって、苦しんでおられる患者さんを多く知っていますが、相談されない限り、かかりつけ医である私たち開業医の出る幕がありません。自治体には医師のスーパーバイザーを聞き入れるような柔軟さも無く「誰のための介護保険なの?」と思えてなりません。
私なりに現在の介護保険を考えてみました
私もケアマネージャーとして、介護保険の開始と共に、医療法人内に介護支援事業所を立ち上げましたが、現時点でケアプラン作成は実績ゼロで休止状態です。ボランティアで十数名の方の介護相談を受けましたが、弁護士さんと違って時間相談料は取れないので、収入は全くのゼロです。実は、患者さんの立場に立って考えると、料金的に介護申請の返上を勧めたり、ガンの末期の医療訪問看護の説明をしたりで、手一杯でした。不安定な重症な患者さんは実際には介護保険を利用している人は少ないし、家族の希望を重視し他の事業者へ紹介したりと、介護計画を立てる必要が殆どありませんでした。残念ながら、収入がない事業者は監査指導されるというので、事業所を休止せざるを得ませんでしたが、今後ともボランティアで相談業務は続けてゆくつもりです。
実際には寝たきりの重症の人の方を例にとってみますと、介護保険より医療保険の方が負担が少ないのです。これが要介護者のための介護保険だなんて・・・・制度だなんて・・・・絶対、変です。現時点の介護保険はまさに矛盾だらけの制度なのですが、始まった以上は利用者が上手に利用してゆくしかありません。本来、かかりつけ医が利用者の味方になるべきなんでしょうが、医師の中にも、病院付属の老健、特養、療養型病床群、デイケアなど行っているところは、悪徳な事例が目立っています。いったい誰が悪いのか?というと、国会議員、いや私たち医師も含めて、国民みんなが悪いのは事実です。・・・・・・こんな制度をごり押しする(厚生労働省と政府はもっと悪いのは当たり前なのですが・・・・・)
介護保険施行が2000年4月からというのが先に決まってしまった時に、混乱が起こることは数年以上も前にわかっていたのです。当時多くの専門家が指摘していたのに、全く無策の国と認識の低い自治体のせいで、準備不足のまま見切り発車に至っているという介護保険制度です。
介護保険が始まって、色々不満は噴出していて、年に4~5兆円もの捨て金をしてる割には、介護の分野であまりいい目を見ている人は少ないのではないでしょうか?。ケアマネージャーといえど、悪徳施設に属していても意外に少ない手当で、身を粉にしてがんばっている人も多いはずです・・・・・介護保険以後、福祉の分野よりさらに医療の分野は苦戦しています。善良な医療機関ほど往診など必要な医療行為がかなり減って苦しいのです。(私の医院だけかもしれませんが、在宅患者さんは必要もないのにケアマネさんの一存で施設入所させられてしまっていますし、外来患者さんはデイケアをはじめとする福祉まがい物施設に連れて行かれています。「○○ソン」のように損して、撤退するところもあるようですが、逆に悪徳医療機関は、まともな医療をせず、押し掛け往診、押し掛け訪問看護、デイケア、などで史上最高の利益を上げているところも結構多いのです。一般の方には、医療機関が行っている医療と介護の区別は、たぶんつかないとおもいますが、一つだけ本筋をついた言い方をするなら、開業医で介護保険に重点を置いたお年寄り中心のデイケアなど行っているところは、例外なく医療のレベルが低く、いざ病気になっても的確な医療は受けられないことを覚悟しておかなくてはなりません。
最近、グループホーム(痴呆疾患共同生活施設)という施設が横行しています。一見、介護保険施設のように見えますが実は痴呆者の居宅入所施設で、介護保険施設とはほど遠いのです。料金も平均15万円/月と高額で、とある施設では10万円と安さを売りにしていましたが、おしめは一日一回だけ、入浴もほとんどさせない、食事は刑務所以下という「たこ部屋」状態の虐待施設でした。痴呆老人が相手なので文句も言われないし・・・・医療機関やが老健や特養などの経営母体のグループホームはまだましな方で、民間人が経営するグループホームは、・・・言葉で表現するのがおぞましいくらいひどい。一刻も早く、都道府県の書類監査ではなく実体監査をお願いしたい。
要介護者や家族の負担は介護保険の時代になって、2倍増~10倍増になりました。世間では、赤字で膨れあがった医療保険が介護保険が導入されれば、国民の負担が減るような間違った情報もありましたが、実際に蓋を開けてみて、利用者負担は増え、税金の無駄遣いは増え、税金で補われる介護保険自体もあと数年で倒産状態にあります。また医療制度の抜本的見直しもされていないので、施設入所に名を借りた不法医療行為が行われているので、医療費も結構増えているのが現状です。いままで真面目に在宅を行って来たかかりつけ医である小さな診療所の経営が苦しくなっているのは紛れもない事実です。こんな欠陥だらけの介護保険を始めた政府の無策ぶりには、あきれるというのを通り越して、むしろ感心させられます。
結局は介護保険で唯一いい目を見ているのは、現実にはかつてデイケアで大儲けした悪徳な医療機関くらいのものでしょう。柳の下の2匹目のドジョウを求めて、押し掛け訪問し、無理矢理デイケアなど、おくびもなくしています。私たち医師から見ても、ちょっと酷すぎると思うのですが、何の手だてもありません。何故なら、お年寄りなど利用者を騙して、しっかり洗脳して味方にしているからです。ある弁護士さん曰く「介護保険は究極の医療だから、どんどん医療も介護に参加してゆくべきで、このことがサービスの向上に繋がる」と、わかった風な発言をされている勘違い人間もいますが、法曹界だかなんだか知りませんが、人を騙してまで金儲けに加担することが、ほんとに利用者の為になっているのでしょうか?法曹界というよりも「ほ~~そーかい~~」なんちゃって!
日本のような中央集権社会主義国において「民間活力」とは、競争力を持たない事業者どうしの潰し合いによって、悪徳事業者が台頭し、結果として消費者、利用者が多大な迷惑を受けること。さらに「自由競争」とは親方日の丸企業に対抗する中小弱小企業の挑戦。などという項目を「知恵蔵」にでも載せて頂きたいくらいです。
介護保険では原因はどうであれ、しわ寄せが社会的弱者である要介護者や家族に向けられているのは紛れもない事実です。介護保険が始まるというのに、住民からの要望が無いからという理由で、住民に説明会の一つも行わない岡山県浅口郡F町など、中にいる幹部職員の間抜けさ・・・こんな自治体を、いったい誰が信用できるでしょう?市町村の「いい加減さ」では済まされません。悪徳ケアマネージャーが横行し、横柄な医療関係者が闊歩するF町でさえ、地元医師会はもとより、自治体や県、国さえも全く動こうともしない事実は、嘆かわしい限りです。今後、ボランティアオンブズマンくらいしかこの無能自治体を動かせるものは無いのでしょうか?
私は悪徳業者や悪徳医療機関が、お元気老人に介護申請させて「無茶苦茶な意見書」を乱発して少々の税金の無駄遣いをして金儲けをしていることだけを責めるつもりはありません。少なくとも要介護者などの社会的弱者が必要な介護保険のサービスの面ではたして公平なのか?という疑問です。現実に病気の人が介護保険を受けているがために自由な医療を受ける権利が侵害され、必要もないサービスを押しつけられていること自体、おかしいのです。だから早急に改善されなければいけないのです。「介護保険制度による平等」なんかはもとより諦めていますが、「介護保険を利用者にできるだけ公平に」という理念は大切だと思うのです。この公平さの回復のために、法曹界の方々の協力が得られれば、言うことはないのですが・・・・・・F町のようにmまあ悪徳医療機関と結託する悪徳弁護士に頼んでも仕方ありませんが・・・・・
以前、森首相の後任に噂されていた心臓手術してもタバコを吸う元厚生相の「とっちゃんぼうや」は、岡光犯罪者と共同でこの介護施策をたくらんで来た犯罪者ですが、自覚が無いという点では天下一品。健康に悪いたばこを吸いまくり、外遊時には国民の恥になっていることも知ってか知らずか外国の要人の前でもカメラをぶら下げて記念写真を撮りまくる。それも才能のかけらもないくらい下手くそな写真なのに、だれもそれを言えない。というような病識の欠片もない自民党国会議員です。でも取り敢えずは総理が小泉さんになって、少しはましになったのでしょうか?・・・とんでもなく無知で変人な首相ですが・・・間違った構造改革で医療費削減とかで弱者がさらに苦しめられるのは許せません。
悪徳医療機関のデイケアを取り締まらない限り、道路公団や土建ゼネコン、金融機関の莫大な無駄が排除されない限り、国民の医療負担を増やすのは納得できません。まあ、地元で金まみれの「とっちゃんぼうや」が総理にならなかっただけ良かったか?いやその方が良かったのか?このように泥棒に警備させているような日本政府ですが、でもメッキのはげた田中外相のように、とっちゃんぼうやが改革の足を引っ張らないことだけを祈っておきます。
いろいろ、ぼやいてしまいましたが、耳の痛い方も居られたかもしれません。「介護保険情報公開」と「介護保険知識の啓蒙」こそが、現在最も大切かつ重要な対策だと思います。これは最近、私がやっと到達した結論です。当地区では採算性のため、すでに撤退を決めた事業者もありますが、悪徳事業者が居残り、善良な事業者がつぶれるという現実を厚生労働省は「競争の原理」といって賛美して放置しています。はたして、商法の自由競争と、福祉の自由競争を同列に評してもいいものなんでしょうか?
お役人に聞くこと自体が・・・愚問といえば愚問ですが。でもせめて、介護保険の主体が要介護者なのだということを、改めて、みなさんに分かってもらえればと思い、このページを立ち上げています。告発のページではないので、このへんで止めておきます。
以下の提言をさせていただきます。
*介護保険私の提案
現介護保険認定制度は不合理、不公平が多すぎる。介護認定方法はまずい、みにくい、ひどいの一言。一次判定ソフトはどんな判定が出るかお楽しみの「おみくじソフト」並の欠陥品であり、即刻廃止すべき。
介護認定は介護の手間に応じた時間を考慮して認定にするという建て前ではあるけれど、実状は全く状態の把握ができていない。早急に改善策が急がれるが、今の介護保険認定審査会は、書類審査だけでの審査であり、潰していちから作り直すべきである。医療福祉の専門家と称する、えせ専門委員が、ああだこうだの独断と偏見は、人間として恥ずかしい。閉鎖社会の裁判官ではないのだから・・・・・・。
その前に、まず潰してしまわないといけないのが一次判定欠陥コンピューターソフトです。こんな欠陥ソフトのために自治体がいくらお金を使っていると思いますか?100万、200万円の話じゃあないんですよ。厚生省が絶賛するこの欠陥ソフトも、とりあえずはH15.4から一部変更された。でも樹形図という方式で介護の手間を点数化してゆくのは同じで、この方法論自体が間違っています。だから、事例を増やして多少のデータを入れ替えてもだめです。現実とかけ離れた一次判定はますますひどくなっています。コンピューターが公平性を維持できるはずはないのだから・・・。
ケアマネージャーの資質が低すぎる。権限もなさすぎる。少なくとも大卒の受験資格にして、国家試験資格にして、さらに権限と責任を持たせるべき。
ケアマネージャーは4年制の福祉系の大学卒のみの国家試験資格にすべきです。少なくとも、介護支援学科とか・・・・作って。医療分野をもっともっと勉強して。といいますのは、要介護者の健康判断は医師以上のものが要求されます。命を任すかもしれない資格が講習だけで取れていいはずはありません、中には医学実習は無いのですよ。お年寄りを扱うには、少なくとも、老人医療の基礎を熟知しておく必要があるのです。医療畑以外の人間が、ケアプランをたてること自体不可能に近いのは常識です。まあ常識が通用しないのが介護保険ですが。結果として悪徳施設や医療機関の手先となるケアプランを作っています。
素人さんに、わかるように説明するのは難しいのですが、医療とは、その個人の生命と安全に配慮して、病気の治癒のために医師が医療技術をもってして最良の方法を選択するいわば「Cure」です。
福祉は、その個人の社会性を重んじ、個人の意志に基づき、住環境を人的環境を整え生活をサポートする「Care」です。
時と場合によっては、CureとCareは相反する場合もあるはずなんです。・・・・ケアマネさんにはこの葛藤を調整するという責任がある。デマンドとニーズの違いを十分に理解していないケアマネさんが多すぎます(少なくとも私が接してきたケアマネさん数十名は全員が理解不能でした)。言い換えれば、治療を優先するのか、本人の好き勝手を優先させるのか?で悩んでくるはずなのです。例えばリハビリを例にとって、脳卒中後の麻痺に対してのリハビリは、患者さん個人にとっては痛くて苦しいものです。今までの医療「デイケア」では将来を考えて、今大切だから苦しくても頑張りましょうと「医師」や「理学療法士」は励ましてきました。ところが介護保険では利用者の意志を尊重することになっています。リハビリが苦しいから行きたくないと利用者が強く望んだ場合、ケアプランはどうなりますか?最近、理学療法士も賢くなり、それではメンタルなリハビリをしましょうと出てきたのが、介護保険の「デイケア」なのです。要するに必要もないレクレーションを主体にする「通所リハビリ」=「デイケア」なのです。ここまで来ると「デイサービス」と「デイケア」の棲み分けが無くなってしまったということなのです。さらには悪徳医療機関のドル箱となっているこの変な制度を、推進しているのがまさにケアマネさんなのです。
こんな訳で
ケアマネさんの医療の理解には、医学部以上の医学知識が必要で、かつ福祉系の知識も必要なので、責任を持たせるため、国家試験資格にする。これで、例えば熱があるのに業者に入浴を許可するようなけしからんケアマネはいなくなるはず。(現在入浴の許可は主治医の権限であるが、入浴の可否は事業所の担当者任せです)・・・・・・だとは思うのですが。では、それまでの暫定措置として、1次判定をやめて、保健所や公的病院・診療所の医師の合議体のみで要介護判定を行うべき。(ひも付き防止のため)できれば、訪問調査にはビデオなど使って利用者の顔を見ながらの審査とする。ワープロとパソコンの違いがわからない元総理の提唱した「IT」だって、こうすれば認定の場では十分利用できるのですよ。
7段階の判定(自立、要支援、要介護1~5)がよりいっそう認定審査を複雑にしている。少なくとも3段階程度(軽介護、中介護、重介護)の簡素化された認定に。
「自立」、「要支援」や「要介護1」はその実、おみくじソフトでは大きな違いは無いのです。実際「要支援」や「要介護1」の判定を受けた人の大半は、現実には介護など必要ないことが多いのです。もいます。でも認定を受けたからには、という理由でデイケアやデイサービスを無駄に使っている。ところが反対に痴呆で徘徊する「要支援」半身麻痺の「要支援」も存在するのです。さらには火の不始末を頻繁に起こす危険な痴呆が「自立」と判定されている事例もある。だからおかしいのです。
介護に要する時間でみると、自立から要介護1までは区別がつきません。ところが要介護2~3と要介護4~5はかなり違っているのです。これが私の言う3段階判定の根拠です。もしこのまずいロジックが変更されれば、上記の試案は変わってしまうことになります。
もしどうしても利用者をランクを付けるなら、ドイツ方式のように軽症、中症、重症の3段階とする。
誰が考えても、実際要介護者を見ずして、書類だけの審査で人間が、人間を7段階評価(自立、要支援、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5)するなんて不可能です。この複雑な認定法が不公平を生み出しているというこんな当たり前のことですら、厚生労働省は認めていないのです。この複雑な認定こそが介護保険制度の最も根幹の欠陥であることは、明白なのです。「介護予防」だとかの理由で、要支援認定を受けた元気ご老人に行われているデイサービスやデイケアは、本来介護保険でなく別予算(福祉予算や生き甲斐予算で援助すればよろしい。もし足らなければ止めたらいい)で行うべきなのです。その前にケアマネなど専門家さんたちが、デイケアとデイサービスの違いくらいは理解していただきたいと希望します。
さらに、「痴呆度」と「寝たきり度」は別々の判定審査とし、両方を加味した介護の必要性からの判定とする。
などなど。
でも介護保険はやっぱりおかしい
皆さんは、在宅で家族が一生懸命介護する場合の負担金と、施設入所で家族がらくちんな生活を送っている場合の負担金はどちらが多いとお考えですか?
実は要介護1~3では、明らかに施設入所の方が安いのです。以前の特別養護老人ホームのように自治体の、決定で入所を決めていた「措置制度」の方が、介護保険の応益負担よりも公平ではなかったかと考えるのです。私の周辺でも介護保険が始まって得をしたと言われている方の多くが高額所得者です。収入が年金しかないので、要介護5なのに要介護1並のサービスしか受けられない人。また家族が自分の健康を犠牲にして、介護しているのに多額の負担金を払っている人。こんな不公平、いったい誰が悪いんでしょうか?
厚生労働省の在宅支援という理念が少しでもあるなら、少なくとも、要介護4~5の家族介護はもう少し、利点や援助があってもいいのでは?と考えるのは私だけでしょうか?
消滅した介護認定返上(こんないい制度がH12.5.10で終了してしまいました)
70歳以上の方の要介護者の場合、訪問入浴、訪問介護、通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)を受けたい場合、福祉器具(ベッド、車椅子)のレンタルや購入、住宅改修などは介護保険でケアマネージャーさんにお願いして介護計画(ケアプラン)を立ててもらい、その計画に従ったサービスを受ける必要があります。
ところが、状態が重傷で、訪問看護(入浴全介助、チューブ管理も含む)や訪問リハビリ、主治医による訪問診察(往診)のみを希望する場合は、介護保険を使わず今まで通り、医療保険に老人医療を併用することができます。
もし負担が多くて困るという場合、平成12年5月10日までに介護保険をお住まいの自治体に返上することで、この特権を利用できた。(3/27厚生省事務連絡)、平成12年5月10日以降は更新を拒否することで可能です。
例えば要介護5の人がもし訪問看護を週3回受けようと、ケアマネージャーに依頼すると、必要もない訪問介護や通所介護、訪問入浴などを組み入れられ、しかも自分の希望する施設や事業所でなく、そのケアマネージャーが所属するサービス機関のサービスも繰り入れられてしまいます。あげくは限度額いっぱいのサービスを受けざるを得なくなり、負担に困ることになります。
サービスが増えると、いろんな職種の人間が患者さんに触る機会が増えて感染の機会が増える。介護保険を受けないほうが実際、医学的にもメリットがあることになります。何より、介護保険認定をうけてしまったら、訪問看護や通所リハビリは医療保険でできないなんて、この自由選択の時代に、こんな制限がまかり通っているなんて、みなさん、おかしいとは思いませんか?
(参考)それまでの厚生省の方針では医療訪問看護の適応は、急性期、ガン末期、下記の難病に限られていました。今後は、基本的には介護保険を利用することになるが、例外的に医師が医療の訪問看護が必要であると認め且つ、以下の疾病があれば、介護保険訪問看護と医療訪問看護の併用も可能です。
重症の急性期患者に加え以下の疾病 末期の悪性腫瘍 シャイ・ドレーガー症候群 多発性硬化症 クロイツフェルト・ヤコブ病
- 重症筋無力症 後天性免疫不全症候群
スモン 頚髄損傷
筋萎縮性側索硬化症 人工呼吸器を使用している状態
脊髄小脳変性症 進行性筋ジストロフィー症
ハンチントン舞踏病
パーキンソン病(=ステージ3以上で、生活機能症度が�度又は
�度のもの)
介護認定されると、医療保険よりも介護保険が優先されますので、医療保険での訪問看護は使えないことになりますが、例外的に上記の疾患の場合は、医療訪問看護をも使うことができます。ところが、自立と判定された方については、介護保険を使用することはできませんので、疾病や負傷等により居宅において継続して療養を受ける状態であって、主治医が訪問看護が必要と認めた者については、医療保険(療養費)で受けることができます。- 悪徳医は、今までは自分の医院に「デイケア」を作って金儲けをしてきましたが、介護保険制度が始まってからは、自立の人にはデイケアができなくなったので、リハビリなどせず電気治療や、気持ちのいいウオーターベッドに乗せてあげたり、お弁当やおやつをサービスして、医療保険で法外な金額を請求しているケースがあります。お年寄りはご自分では介護保険を受けているつもりでも、その実、医療保険な訳ですから、赤字の医療保険が改まる訳はありません。
- これらの、見極めのコツは、介護保険サービスを受けているはずなのに、一度も「介護保険証」の提示を要求されず、「医療保険証」の提示だけを求められるデイケア施設が怪しいと言えます。反対に「医療保険証」だけの提示で訪問看護など受けている場合は、信頼できる医療機関だと言えるかもしれません。
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