介護保険の上手な受け方

自治体や悪徳業者にだまされないために


このページの作者が語るページ作成意図とポリシー(一読下さい)

作者が介護保険を利用しようとする皆様方へ望むことは、いいことはいいと評価し、悪いことははっきり悪いと指摘し、自治体の職員から言葉巧みにだまされないために、利用者が確かな介護保険の知識を持つことなのです。実例を具体的に表現し、単なる次元の低い告発ページではありません。

ケアマネージャーとは介護支援専門員のことです。敵(実は利用者の味方ですが、最初から信用してはいけません)をよく知ることから、始めます。

1)電卓ケアマネ

最近もっとも多く出没するケアマネさんで、利用者本位を勘違いして、要介護者に接触し、利用者さんに「あなたは介護保険の利用料は、いくらが希望ですか?」と聞くのが特徴です。そりゃ少ないのがいいに決まっているので、例えば要介護4でも「5000円です」と答えれば、それでは、ヘルパーが週に2回で、デイサービスが週1回で、これくらいですと。

訪問看護は高いので、止めましょうね!、ついでに医師の往診も無駄なので、月1回に減らしましょうね!だって。(こんなケアマネにかぎって、病状が悪化したときは医師の責任にしたがります)

みなさんはどこが違うんだ?と言われるかもしれませんが、ケアマネの本分と違っているのです。まず金額ありきでなく、まず必要なサービスありきです。だから、「あなたに必要なサービスを組んでみると負担金は28000円になりますが、これでいいでしょうか?もう少し減らしましょうか?」となるべきです。

でもこんな、お金の使い方に厳しいケアマネさんが実は、ひも付きで自分の施設のサービスはちゃっかり入っているのですから。必要もないサービスを押しつけられた利用者はたまったもんじゃない。

もう一つ、「医師から見たケアマネさん」のコーナーにも述べていますが、ケアマネさんの医学的知識は全く素人さんと同じです。みなさんは、医学を知らない施設職員から講習を受けた、にわか専門家のケアマネさんがホントに医学を知っていると思われますか?もし、仮に医学知識を持っているケアマネさんがいたとしたら、それは、ケアマネさんを名乗る前から持っていた知識なんです。例えば医師でケアマネであるとか・・・経験の豊富な訪問看護婦でケアマネであるとか・・・・

2)ひもつきケアマネ

これも、比較的多いタイプですが、主にデイケアを持っている施設のケアマネさんです。今まで、入浴サービスはどこどこ。デイサービスはどこどこ。デイケアはどこどこ。訪問看護はどこどこ。と決まっていた人に対して、「面倒だから、私の施設で全部やってあげる。その方がサービスする人との連絡もとれるし、なによりあなたのことがよく分かるから、あなたが楽だから」と一見親切そうですが、ただ施設長の「客を取ってこい」という命令を守っているだけです。ノルマがあるとかで、こんな個人的なノルマのためにサービスを組み入れられるとしたら・・・・・・

こんな施設にかぎって、殆どほったらかしデイケアだったりするのです。「言いたい放題」のコーナーでも述べましたが、デイケアは通所リハビリと言いますが、デイサービスより優れたデイケアがありますか?これは医療機関の医療保険時代の残存機能です。だからデイケアが悪いのでなく、デイケアする医師の大半が悪徳医だということです。したがってその職員もおして知るべし。「悪に交われば悪になる」念のため。

3)スーパーマン・ケアマネ

ある種の勘違いケアマネさんです。この制度上、ここまで自信のあるケアマネさんはめずらしいものですが、要するに看護婦さんより、理学療法士より、医師よりも自分がいちばん偉いと本気で思っている方です。要するに知識のないコンプレックスを逆利用する危険人種です。最近私の近辺でおこったのですが・・・ケアマネはプライドが高く、怒らせるとあとあと面倒なのでつい、私が甘やかせてしまったのが悪かったことも事実ですが・・・・知識のない医療に口を挟むようになり、挙げ句は、「先生の往診は時間を2時間おそくしてください。そうしないとヘルパーさんがはち合わせて困ると言ってますので・・・」「この利用者さんは、デイケアを受けているので、そちらで診察を受けていますので、往診は結構です。そのうち、私の権限で主治医を交替させます」となります。

おいおい、医療保険で行う訪問診察は、病状によって決まるし、何より開業医は時間がとれないものなのです。往診までは、ケアマネが決めるようにはなっていないはずですよ。知らない間に介護保険の「意見書」の依頼が来ないと思ったら、主治医が変わってしまっていたなんて。

ここまでくれば、謁見行為でなく、十分犯罪です。医師法違反の。

4)省エネ・ケアマネ

スーパーマンケアマネと丁度反対で、何事も自信なげです。結局、要介護者宅の訪問は手抜きして、計画書の作成というデスクワークに徹しているタイプ。こんなケアマネさんにかぎって、なんかトラブルがあると「先生どうしましょう?」「ヘルパーさんにこう言っておいてください」「訪問看護婦さんに伝えておいてください」だって。ついでに「利用者さんにも了解してもらってくださいね」

おいおい、それは、あんたの仕事だよ。少しは利用者宅を訪問しろよ。自分の目で確かめろよ!

すべてを電話で済ませる楽〜なケアマネさんです。電話でないと管理できないほど忙しいとはとても思えない事業所のケアマネさんのお話でした。単なるサボりで訪問しないのか?それとも面倒なのか?は定かでありませんが、こんなことでモニタリングというアフターケアがほんとにできるんでしょうかねーーーー。

5)ファシストケアマネ

最近あちこちの介護掲示板をあらしてまわる困ったさんです。直接お目にかかったわけではないのですが、知らない人が見れば、この人が一見まともな発言をされているようにも思われるでしょうが、私の少ない経験をもってしてもこんなタイプの人間は「了見が狭い」「知識のないことにコンプレックスがある」最後にこれが困ることなのですが「要介護者のほうを全く向いていない発言に終始する」という典型です。要するに発言は立派、でも実際に要介護者を前にすると、何も出来ない。

たとえば、認定審査会の特定疾患の事項について、複数の見識者がせっかく、たった15に決まっている疾患を決めたのが間違っているという発言をしているときに、素人集団の集まりである厚生省の規定を盾に、傍若無人に振る舞うといった単なる無礼者です。

私たちは、医師が介護認定という非人間的な判定に関わらなくてもいいように、今の介護保険を手直ししていこうと考えています。中にはこんな制度を潰してしまえというお考えもあり、議論している最中なのです。

そこに、上記の人たちは厚生省に逆らうんだったら、根拠を明確に引用して・・・など持ち出しているわけで、価値観の違いはなかなか埋められる物ではないようです。何様のつもりかはしれませんが、「介護保険の運用上の諸問題について、基礎資料をまったくチェックしないで議論する傾向があちこちで出ているので、それに警鐘を鳴らしたいからです。」だって!!資料のないヤツは、発言するな!というふうにはとれませんか?

自分が要介護者になったとき、少なくともこんな人にはマネージメントして欲しくはないですよね。

NEW6)詐欺医師ケアマネ

最近経験した事例です。わたしも医師でケアマネですが、私が長年にわたって主治医を務めてきた痴呆の患者さんが、最近、診察に来なくなったなーと思ったら、しっかり介護申請されデイケアされていました。ここまでは日常茶飯事のことでごく普通の主治医の交替なんですが、ある日家族が当院に来られ、「要支援」なんですが風呂に入れてやりたいとそのデイケアで言ったらケアマネであるその整形外科の医師は、デイサービスで入浴させるには「要介護1」以上に認定されないといけないので「私が認定をあげてあげます」と言ったそうな。ところが、ほんとに訪問調査員に圧力をかけて脅し「要介護1」になってしまいました。家族のお話では、体に不自由なところもないし、週2回風呂に入ればいいのですが、負担額が多いので経済的に困っているというものでした。

皆さんは介護度が上がるということを、いいことだた考えておられますか?この事例のように介護度が上がると単純に負担額が多くなるということをご存じですか?

早速、元主治医の私が、診察しましたが、1)糖尿病悪化、2)痴呆は進行していない、3)体に痛いところや麻痺はない、という状態でした。血糖値は480mg/dl、HbA1cは11.3%、話によると採血検査など一切行わず、しっかり「外来総合」という整形外科では考えられない医療保険指導料を請求されています。しかもごちそうをたらふく食べさせて血糖値を無茶苦茶にするといったおまけ付きでです。

私もケアマネですから、プランをたててみました。デイケアの必要はなく、デイサービスの入浴や社会参画を週2回でも十分であると考えました。ところが、その整形外科では、自院デイケア2回と他施設デイサービス2回の計画以外に「要介護1」のサービス費を全部使い切らなくてはいけないとかで、その医院の訪問看護も利用しましょうと勧められたそうです。負担額で見ると、デイケア1回が糖尿病を悪化させる食事代込みで¥1200、これが月に16回、さらに理学療法という名目で診察を受けて外来で1月¥3200、併せると¥22,400とこれだけで済んでるとお思いでしょうが・・・・・・実は保険証を拝見すると、そこには「在宅総合」の文字が・・・・・寝たきりじゃあないぞ、この患者さんは。

私は悪徳医でないので、取りもらしがあるかもしれませんが、単純に計算して、「要介護1」で月8回のデイサービス、月8回のデイケア、月8回の押し掛け往診(訪問診察といいます)介護保険と医療保険を併せると以下の報酬になります。(合計¥206,060----内、介護保険は¥89,760で要介護1の限度内におさまっています)

6時間デイサービス¥5470 X8=\43760
6時間デイケア¥5750 X8=\46000
在宅総合診療¥26000 +16000=¥42000
訪問診察料¥8600 X8=\68800
居宅療養指導管理¥5500

ここで問題なのは、風呂に入りたいという希望はたった週2回のデイサービスだけだということです。あとの医療行為は全くの無駄、内科の医師ではなく医学には全く素人の整形外科医が、医療らしきことを行ってもいないのに、押し掛け往診などして、上記の収入(¥162,300)が転がり込んでくるという図式になります。

まさに詐欺医療機関といっても過言ではないと思いますが、医師としてケアマネとして最低最悪のレベルです。普通の事業所なら主治医がスーパーバイザーすることで歯止めが利くかもしれませんが、相手がこんな頭の変な医師だったら・・・・・・・の実例でした。

本来の主治医であった内科医の私は、多くの投薬をして血糖コントロールなど全身管理をしていながら(普通の医師だったらかかわり合いになるのを嫌ってよそに行きなさいと言うべきなんでしょうが)、デイケアで高カロリーの食事を出し、糖尿病を悪化させ、しかも信用されているその整形外科医って・・・・・・・。その整形外科医が高額の医療費、医学指導料、介護保険負担分のだまし取りをしている訳です。こんなことさえ監査できない国保連って無くても良い団体になりさがっています。

結局、その利用者の家族は私の忠告には耳を貸さず、うそっぱちの意見書を書いたその整形外科医師を信じ、高額のプランに甘んじておられます。・・・・・・この医師は新興宗教なのか?よく患者を洗脳しておられるのには感心しました。まともな医療していると私のように貧しい医者になってしまいますからね。

このページをご覧の賢い消費者の方は、絶対だまされないようにしましょうね。ご自分でケアプランが立てられるくらい利用者の方に介護保険を理解していただくというのが・・・・・私の主張です。

利用者が、私を選ばないので結局何ら解決できないのですが、仮に私がその整形外科医師にケアマネとして抗議すれば、深夜を問わず連日連夜ナンバーディスプレイに番号を残す嫌がらせ電話がかかります。精神的苦痛を与える精神病的整形外科医には「触らぬ神にたたりなし」という現状を付け加えておきます。

不正機関が出没している現在、ケアプラン内容審査も行えるような介護保険制度が必要とされているのです。全く残念なことです。国は民間活力といいますが、民間に任せるとこんな事例がいっぱい出てきているのです。

まだまだ名付けたい、変なケアマネさんやお寒〜〜いケアマネさんは、いっぱいいますが、告発ページではないのでこの辺で終わります。


情報2)看護婦さんは経験なくても1級ヘルパー

3月1日付の通達(事務連絡)で看護婦等(看護婦、看護士、准看護婦および准看護士)の資格を有する物については、訪問介護員養成研修を終了した者とみなすことができる。という下りがあります。

このことは、看護婦が、訪問介護のサービス事業者の責任者にもなれるし、ヘルパーとして働くこともできると解釈して良いのでしょうか?とすると、ヘルパーステーションはど素人ヘルパーよりもリタイアした看護婦さんを雇った方が事故の面で安心?というように私は解釈していたのですが、現場からはもっときつーい反論がありました。

看護婦の免許を持っていても介護に全くタッチしたことのない場合は?というものです。その人は看護婦としてもう30年近いブランクがあり、ヘルパーさんが手取足取り教えているそうで、こんな人が責任者というのは我慢ならないというものでした。少なくともこんな人にヘルパーステーションの運用はまかせられないと!

なるほどね〜

参考)平成12年3月10日付官報

看護婦等の資格を有する者については、訪問介護員1級課程の、全科目を免除することができる扱いになることから、1級課程を終了した者とみなすことができるため、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第5号第2項にいうサービス提供責任者になりうるものであること。また、看護婦等を訪問介護員養成研修修了者とみなす場合には、当該看護婦等が、訪問介護サービスに従事する場合の証明書として、省令に定める様式に准じた終了証明書を発行することが望ましいが、当面の間は、各都道府県の判断により、看護婦等の免許証をもって替える取り扱いとしても差し支えないこと。


情報3)私なりに介護保険をよくするための試案を考えてみました

私もケアマネージャーとして、介護保険の支援事業所を立ち上げましたが、現時点で、ケアプラン作成は実績ゼロです。ボランティアで数十名の方の相談は受けましたが、弁護士さんと違って相談料は取れないので、収入は全くのゼロです。実は、患者さんの立場に立って、介護申請の返上を勧めたり、医療訪問看護の説明をしたりで、ほんとに重症な患者さんの中で介護保険を利用している人が少ないし、家族の希望を重視し他の事業者へ紹介したりと、悪徳業者のように取り込んで介護計画を立てる必要がないのです。

寝たきりの重症の人ほど、介護保険より医療保険の方が負担が少ないなんて。これが要介護者のための介護保険だなんてなんか変ですよね。

このように、始まってたった2ヶ月の介護保険はまさに矛盾だらけです。誰が悪いのか?というと、私たち医師も含めて、国民みんなが悪いのでしょうが・・・・・・こんな制度をごり押しする(厚生省と政府はもっと悪いのですが)

介護保険実施が2000年4月からというのが先に決まってしまった上に、こうなることは既に3年も前にわかっていたのに、全く無策の国と認識の低い自治体のせいで、準備不足のまま今日に至っている訳ですが。

ところが、介護保険が始まって、色々不満は噴出していても、実際には、あまりいい目を見ている人は少ないのが現状でしょう。ケアマネージャーといえど、少ない手当でがんばっている人も多いですし・・・・・善良な医療機関は往診などかなり減って減収ですし(私の医院だけかもしれませんが。「○○ソン」のように損して、撤退するところもあるようですが)

ところが介護保険で、要介護者や家族の負担は倍増〜10倍増ともいわれています。いい目を見ているのは、デイケアでかつて大儲けした悪徳な一部の医療機関くらいのものでしょう。柳の下の2匹目のドジョウを求めて、押し掛け訪問していたり、無理矢理デイケアなど、おくびもなくしてるようです。

でも、原因はどうであれ、しわ寄せが社会的弱者である要介護者や家族に向けられているのは、紛れもない事実です。介護保険が始まるというのに、住民に説明の一つも行わない、こんな自治体がいっぱいあったのですから、いったい誰が信用できるでしょう?単に自治体の「いい加減さ」では済まされません。悪徳ケアマネージャーが横行し、横柄な医療関係者が闊歩する、当地でも、自治体や県、国さえも全く動こうともしない事実は、嘆かわしい限りです。

私のページで耳の痛い方も居られるでしょうが、情報公開こそが、現在最も大切かつ重要な対策だと思います。すでに撤退を決めた事業者もありますが、悪徳事業者が居残り、善良な事業者がつぶれるという現実を厚生省は「競争の原理」といって賛美しているのです。はたして、これでいいのでしょうか?

せめて、
介護保険の主体は要介護者なのだということを、改めて、みなさんに分かってもらえればと思います。したがって私のページが単に告発のページに終わることだけは避けたいと思って以下の提言をさせていただきます。

*介護保険私の提案

1)とにかく、現介護保険認定制度は不合理、不公平が多すぎる。介護認定方法がまずい。

介護認定は状態に応じた認定にするという改善策が急がれるが、今の介護保険認定審査会は潰して、いちから作り直すべきです。医療福祉の専門家と称する、えせ専門委員が、ああだこうだの独断と偏見は人間として恥ずかしい。

その前に欠陥コンピューター審査が一番の問題。厚生省が絶賛するこの欠陥ソフトに多少のデータを入れ替えてもだめです。現実とかけ離れた一次判定が公平になるはずはないのだから・・・ソフト改訂版は今から欠陥品です。

2)ケアマネージャーの資質が低すぎる。

ケアマネージャーは4年制の福祉系の大学卒のみの国家資格にすべきです。少なくとも、介護支援学科とか・・・・作って。といいますのは、要介護者の健康判断は医師以上のものが要求されます。命を任すかもしれない資格が講習だけで取れていいはずはない。少なくとも、医療を理解させるため、徹底して医学部並の医学知識を教え込む必要がある。責任を持たせるため、国家試験にする。これで熱があるのに業者とのトラブルを避けて、入浴をさせるなどけしからんケアマネがいっぱいいるが、少しでも減ればいい。
では、それまでの暫定措置として、1次判定をやめて、保健所や公的病院・診療所の医師の合議体のみで判定を行うべき。(ひも付き防止のため)

3)7段階の認定・判定がよりいっそう認定審査を複雑にしている。

「要支援」や「要介護1」の判定を受けた人のほとんどは、現実には、ほんとの介護は必要なく、こんな判定なら廃止して当然、ランクを付けるなら、ドイツ方式のように軽症、中症、重症の3段階とする。
誰が考えても、実際見ずして、人間が、人間を7段階評価(自立、要支援、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5)するなんて不可能です。この複雑な認定法が不公平を生み出しているというこんな当たり前のことですら、厚生省は認めていないのです。

「予防」とかいって、元気ご老人に行われているデイサービスやデイケアは、本来介護保険でなく別予算(福祉予算で援助すればよろしい)で行う。

さらに、痴呆と寝たきり度は別々の判定審査とし、両方を加味した介護の必要性からの判定とする。

などなど。

情報4)消滅した介護認定返上(12.5.10で終了)

70歳以上の方の要介護者の場合、訪問入浴、訪問介護、通所介護(デイサービス)、通所リハビリ(デイケア)を受けたい場合、福祉器具(ベッド、車椅子)のレンタルや購入、住宅改修などは介護保険でケアマネージャーさんにお願いして介護計画(ケアプラン)を立ててもらい、その計画に従ったサービスを受けなければなりません。

ところが、状態が重傷で、訪問看護(入浴全介助、チューブ管理も含む)や訪問リハビリ、主治医による訪問診察(往診)のみを希望する場合は、介護保険を使わず今まで通り、医療保険に老人医療を併用することができます。

もし負担が多くて困るという場合、5月10日までに介護保険をお住まいの自治体に返上することで、この特権を利用できるのです。(3/27厚生省事務連絡)、5月10日以降は更新を拒否することで可能です。

例えば要介護5の人がもし訪問看護を週3回受けようと、ケアマネージャーに依頼すると、必要もない訪問介護や通所介護、訪問入浴などを組み入れられ、しかも自分の希望する施設や事業所でなく、そのケアマネージャーが所属するサービス機関のサービスも繰り入れられてしまいます。あげくは限度額いっぱいのサービスを受けざるを得なくなり、負担に困ることになります。

その結果、主治医の往診(1回/週)、居宅療養管理指導料を含め、介護保険の1割負担を加えて、530円 X 4 + 940円 + 約35000円 + 交通費100円 X 24 でしめて42000円 + α 也

医療保険では医師の往診代と訪問看護の交通費を含めて530円 X 4 + 100円 X 12で 3320 円也

この比較通りにはいかないとしても、負担額がなんと1/10になるのです。さらには、いろんな職種の人間が患者さんに触る機会も減るので感染予防にも有用であり。介護保険を受けないことは医学的にもメリットがあります。

(参考)それまでの厚生省の方針では医療訪問看護の適応は、急性期、ガン末期、下記の難病に限られていました。今後は、基本的には介護保険を利用することになるが、例外的に医師が医療の訪問看護が必要であると認め且つ、以下の疾病があれば、介護保険訪問看護と医療訪問看護の併用も可能です。

 重症の急性期患者に加え以下の疾病
 
末期の悪性腫瘍       シャイ・ドレーガー症候群
多発性硬化症        クロイツフェルト・ヤコブ病
重症筋無力症          後天性免疫不全症候群
スモン             頚髄損傷
筋萎縮性側索硬化症       人工呼吸器を使用している状態
脊髄小脳変性症         進行性筋ジストロフィー症
ハンチントン舞踏病     
パーキンソン病(=ステージ3以上で、生活機能症度が度又は
。度のもの)
  
一般に、医療保険よりも介護保険が優先されますので、要介護認定を受けていれば、医療保険での訪問看護は使えませんが、例外的に上記の疾患の場合は、医療訪問看護をも使うことができます。ところが、自立と判定された方については、介護保険を使用することはできませんので、疾病や負傷等により居宅において継続して療養を受ける状態であって、主治医が訪問看護が必要と認めた者については、医療保険(療養費)で受けることができます。
ところが悪徳医の中には、自分の医院に「デイケア」を作って金儲けをしてきましたが、介護保険制度が始まってからは、ほんとのデイケアではなく、お弁当をサービスして、医療保険で法外な金額を請求しているケースがあります。ご自分では介護保険を受けているつもりでも、その実医療保険な訳ですから、騙されない必要があります。
これの、見極めのコツは、介護保険サービスを受けているはずなのに、一度も「介護保険証」の提示を要求されず、「医療保険証」の提示だけを求められるデイケア施設が怪しいと言えます。反対に「医療保険証」だけの提示で訪問看護など受けている場合は、信頼できる医療機関だと言えるかもしれません。


情報5)いっそのことなら、厚生省の欠陥ソフトを上手く利用して、認定を受けよう

(私自らも、認定審査会では不合理をいやと言うほど見せつけられていますが、ここではよく研究されている吉岡春紀先生のページにリンクさせてもらいました)


このページを作製するに当たり、基本となるポリシー:

私も医師でケアマネージャーですが、とても残念なことに、世の中の医師の中には介護保険に無知な方、介護保険に非協力的な方がおられるのも事実です。また、ごく少数ですが、介護保険で一儲けを企む不届きな輩もいるのです。患者さんの利益と権利を守るために「是非ともかかりつけ医に相談しましょう」と胸を張って私の口から言えないのが大変くやしい思いです。困っておられる方、社会的弱者の方にとって味方にならない、かかりつけ医なら、いなくても構わないのではないでしょうか?

それにしても現実に寝たきりのお年寄りの介護保険意見書を拒否する医師がいるのは全く許せない話です。たとえ介護保険の適応でないにしろ認定審査を受ける権利は要介護者ご本人にあるわけですし、依頼されれば医師はその意見書を拒否できないことになっています。ただ、悪徳医の中にはその患者さんのかかりつけ医が別にいることを当然知っていながら、平気で無責任な主治医意見書を乱発する医師が実在するのも事実です。全く困ったもんです。ただ無知なだけでは済まされないことに一刻も早く気づいてほしいものです。

こんなことを言うと医師会から叱られるかもしれませんが、世の中の開業医の中には、ごく少数なんですが悪人がいるのです。医師会の役員(理事)の中にもたくさん居られるので余計に厄介ですが、一般の方の中には、悪徳医を公開して欲しいなどのご要望は結構多いのです。私も仕事柄、悪徳医・詐欺医を多く存じていますが、残念ながら、このページは告白ページではありませんので、みなさまの目と体験で確かめることをお勧めします。(私の言いたい放題にもアップしてありますが、悪徳医見極めの一助となれれば幸いです。悪徳医とやぶ医者は本来、別物ですが両者が重なったときは、これはもう犯罪になってしまいます)

ところが、自治体の対応はこんな医師なんかよりもっとひどいのです。自治体担当者の知識がないということだけではなくて、介護保険に悪意さえ感じています。もう少し住民の方を向いた施策は出来ないものなんでしょうか?私の自治体では、箱ものづくりという町長の方針で、議員をはじめ町幹部が金儲けに走り、業者の接待漬けです。こんな人種に行政を任せる住民も悪いのですが、不正採用で採用された公務員をだれが監督できるというのでしょう?先日心あるオンブズマン志望の方とお話しする機会がありましたが、数日うちには右翼や暴力団とレッテルを貼られてしまいました。世の中正論が通らないのが、何より悲しいと感じている今日この頃です。

テレビで宣伝する介護事業者がどんどん撤退する中、採算度外視でがんばっているヘルパーさん(サービスの押し売りを公然とする恥さらし社協ヘルパーとは別物です)には頭が下がる思いがあることも事実です。介護保険も6ヶ月を過ぎて、更新が始まりました。果たして多くの著名な先生方が予想したとおり、更新時「逆転現象」がどんどん出始めています。病状が重くなっているのに介護度は軽くなっていたり、中には逆もあります。要するに、この欠陥だらけの介護保険制度は、現状の評価だけにとどまり利用者の努力を全く評価していない点で大問題があるのですが、コンピューターソフトはもっと酷いのです。厚生省は、来年度、痴呆をも考慮したコンピューターソフトに変えると明示しましたが、そんな簡単なことではありません。現制度では、一生懸命他人の世話にならぬように努力し、リハビリに励む方よりも、動けるのに面倒くさがって動かない人の方が介護度が高く評価され、多額の保険サービスを受けられるのです。多くのケースでは医学的に重症になればなるほど反対に介護度は軽く判定されているのです。

介護保険を利用しようとされる場合には、以上の事情を十分ご理解された上で、利用者が介護保険の知識を持つ以外にうまい「上手な利用法」はありません。残念ながら、この制度は始まって以来問題が山積みではありますがみなさまの知識に少しでも貢献できればと思いこのページを作成いたしております。

とある著名な方から、このページが誤解をうけるので、発言を控えては?と暗に圧力がかかりました。元来へそ曲がりの作者としましては、これは、このページへの挑戦であり、ある種の励ましと感じておりますので、感謝さえしております。作者は・・・法曹界の圧力には負けないぞ!!!!特に岡山の弓之町にある某弁護士事務所の威圧的な弁護士先生には負けませんぞ。

最後に、このページをご覧のみなさんにもう一度確認させていただきます。介護保険は現在必要なものであるという認識は否定しませんが、現状の介護保険制度がすばらしいとおっしゃる役所の職員とあなたは同レベルの頭の程度になりたいですか?お役所仕事でお金だけ取られて、まともなサービス一つ受けられないのを我慢できる方は、今更このページを見ていただく必要はございません。直ちに、政府のページか労働厚生省のページにどうぞいらしてください。その上で、役場の職員とにこやかに会談し、思いっきりだまされればいいのです。

ただ作者が皆様方へ望むことは、いいことはいいと評価し、悪いことははっきり悪いと指摘し、自治体の職員から言葉巧みにだまされないような確かな介護保険の知識を持つことなのです。実例を具体的に表現し、単なる次元の低い告発ページにはならないように注意してゆきたいと考えています。



        
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