ピッカリ独走会

しまなみツーリング

1.コース

1日目 東尾道駅桑田渡船(尾道)向島市民センター(向島)しま一(生口島)さんわ(伯方島)
サンライズ糸山(今治)
2日目 サンライズ糸山(今治)村上水軍博物館(大島)多々羅しまなみ公園(大三島)
因島水軍城(因島)因島大橋記念公園(因島)
駅前渡船(向島)喰海(尾道)尾道駅

2.走行距離

1日目 112km
2日目 96km
合計 208km

3.天候

- 天気 最高気温 風速
1日目 雨のち曇り 5℃ 西6m
2日目 晴れ 11℃ 北西5m

4.感想など

<1日目>
 初日のゴールは今治にある「サンライズ糸山」。しまなみの天気予報は曇り時々雨で、最低気温2℃、予想最高気温は7℃。玄関を出ると昨日降った雪が残っており真冬並みに寒い。1人なら延期にするところだが4人もいるとそうはいかない。通勤ラッシュを避けて9時前に出発。チャリを輪行袋に収納し山陽本線で尾道へ。電車でHさん、Oさん、Aと合流。
 Hさんはいきなりタイヤがパンクしたらしい。東尾道駅前でOさんが準備していたチューブに交換。駅前駐車場のおじさんが空気入れを貸してくれたり、持っていたゴミを処分してくれたり、とても親切にしてくれた。桑田渡船到着前に小雨がパラつき始めた。船に乗るとわずか数分で向島に到着。
 向島に着いて同じ船に乗っていたおじさんに道をたずねる。「真っ直ぐ行って突き当たりを左へ」と言いつつ手は右を差すおじさん。。手の方を信じて右に曲がり、しばらく行くとおじさんが教えてくれたホームセンターを発見。予備チューブを2本購入。道はよく分からないがとりあえず西へ。向島市民センターに寄ってサイクリングマップをもらい、近くにいた人に昼食にオススメな店を尋ねてみると、次々と人が集まってきてめっちゃ詳しく教えてくれた。
 市民センターを出ると雨が若干強くなっている。マップを頼りにさらに西へ。市街地を抜けた辺りでAが派手に転倒。車道から歩道へ移ろうとして段差にタイヤを取られ3m程飛ばされたらしい。買ったばかりのゴアテックスに穴が・・。雨は段々強くなっており、後輪が跳ね上げた泥水がケツを直撃する。
 因島大橋は、上が車道、下が自転車歩行者用道路の2段構造になっており、橋を渡る間は雨をしのぐことができた。因島ではサイクリングロードをまずは北側の海岸線に沿って走る。雨が本降りになってきたため全員カッパを着用。HさんとAは全身タイプだがOさんとJは100均で買った上半身だけのもの。下半身は既にビショビショ。気温は上がらず風が容赦なくズボンを冷やす。非常に寒い。みんな口数が減っている。
 しばらく走ってから海岸沿いの道を離れて因島北IC方面へ。ひと山越えたところでどうも様子がおかしいことに気付く。コンビニに立ち寄り道を確認すると逆方向に走っていたことが発覚。約4kmのロス。ショック。失意の中、さっき下ったばかりの道を逆に上っていると後ろからOさんの声が。見るとまたAが転倒している。もうガタガタ。全然楽しくない。ちょっとヤケクソになってきた。


 生口島では市民センターのおねえさんの教え通り、北側の海沿いを走り耕三寺周辺の食事処を探す。雨はますます激しくなるし風は強く冷たい。体は冷え切り心身とも限界に近い。もうこれは修行と思うしかない。人の後ろを走っているとたまに意識がトリップする。そろそろ悟れそうになってきたところで目的地周辺に到着。するとここでまたAが転倒。しかも今回は車道側に倒れている。後ろからはバスが・・。慌てて歩道に引き上げる。彼はここまで各島で1回ずつ転んでいる。今回は止まって足を付こうとしたらビンディングが外れなかったらしい。もう足が限界か?
 店を選んでいる余裕も無いため目に付いた「しま一」に入る。自転車で来たことを告げると呆れられてしまった。そりゃそうだ。ここでは「たこめし定食」と「焼き穴子」を注文。どちらも旨い。が、体はまだまだ温まらない。オバちゃんにコーヒーはありませんかと聞くと、インスタントしかないけどと言ってサービスで入れてくれた。さらに帰りにはオヤジさんがボンタンをひとつずくくれた。正直寒いから柑橘類はあまり食べる気しないし、リュックに入れても重くなるから遠慮したかったのだが、せっかくの好意を断ることもできず、4つとも一番後輩のAのリュックに収まる。
 一旦止まってしまうと動き出すのは非常に辛いが、既に14:00を過ぎており、いつまでも休んではいられない。固まりきった体に鞭を打って何とか再スタート。ただ雨は随分小降りになっている。しばらく走っていると体も温まってきた。サンセットビーチが見えてくる頃には話しをする余裕も出てきた。
 多々羅大橋を渡るとそこはもう愛媛県。大三島は最短ルートを通りあっと言う間に通過。大三島橋を渡って伯方島(別名ウンコ島)へ。ここも最短ルートで通過する予定で、とりあえず伯方SCパークを目指していたところ、先頭を走っていたHさんが突然「あああ〜っ」と奇声を上げてよろける。何かと思えば直径約30cmの巨大な山盛りしっとりウンコにはっきりMTBのタイヤ痕が・・。この頃には雨は完全に上がっており、さっきまで腿に張り付いていたズボンもサラサラになっていた。
 SCパークではお腹が空いたと言うAに何か食べさせようと思っていたが、昼食以降は順調に進み時間に余裕が出てきたため、少し足を伸ばして「さんわ」の塩ラーメンを食べに行くことに。「さんわ」は伯方の塩を使った塩ラーメンで有名な店で、伯方橋から往復約8kmのアップダウンのきつい道を走らなければならない。が、食べてみると評判通りとても美味しくスープまで完食。しかしその間にもウンコをいくつか発見。
 伯方・大島橋を渡ると最後の難関大島。この島のサイクリングロードは11.5kmと長く、ダラダラといつまでも続くきつい峠越えが2つもある。ちなみに一つ目は平均4%が2km。二つ目は平均4%が1km。さらに来島海峡大橋は高さが65mあるらしく、自転車用登り口から橋桁までの坂もやたら長い。しかもこの日は西風が非常に強く、頑張っても頑張っても全くスピードが出ない。再び修行が始まった。
 来島海峡大橋は全長約4km。向かい風の直撃を受け続ける。既に夕暮れ時と言える時間になっており、この風がまた体温を奪う。しかも中央付近まではジワジワ上っており、最後の一滴まで血を絞り取られている気分。ようやく料金所まで辿り着くと、中ではおねえさんが寝ていた。完全に眠っていた。まあこんな日にツーリングしてる奴なんていないと思って油断するのも無理はないでしょう。
 今夜の宿「サンライズ糸山」に着いたのは18:00過ぎ。ギリ日没に間に合った。いやー辿り着けて良かった。マジ心折れそうでした。チェックインして風呂へ直行。ぬるま湯でも手足がジンジンする。風呂あがりに「しま一」でもらったデコポンを食べてみると、これが感動的に美味い。夕食は居酒屋「壱歩」。焼き鳥、刺身、揚げ物などどれも旨い。そして量が多い。しかしナンボでも食える。初日は走るので精一杯だったため写真は少なめ。



<2日目>
 翌朝は昨日と打って変わっていい天気。ベランダに出ると眼前に来島海峡大橋が美しい。朝食は昨日買っておいた巻き寿司。「サンライズ糸山」は新しく快適で何より安かった。自転車倉庫からチャリを出すとOさんの前輪がパンクしている。見ると釘がしっかり突き刺さっていた。予備チューブは必需品やね。他の3人もそれぞれブレーキやサイクルメーターなど調子が狂った部品を調整し、09:00過ぎに尾道を目指してスタート。


 来島海峡大橋は完全な追い風。やや空気は冷たいが、景色は最高で気持ちがいい。ようやくツーリングらしくなってきた。大島ではサイクリングロードを離れ、北側の海岸線を走ることに。橋を下りてしばらくは快適な道が続く。海も島々も来島海峡大橋も美しい。何でこっちをメインせんのやろーと話していたら、しばらく進むととんでもない上り坂が。なるほどそーゆうことですか。この峠を含め、いくつかのアップダウンを越えると大島大橋が見えてくる。またAが腹が減ったと駄々をコネだしたため砂浜がある所で休憩。みたらし団子を1本ずつ。

 

 一旦大島大橋の下を通過し、能島を左に見ながら南下。この辺りの海峡は川の様に潮流が速い。そして村上水軍博物館へ。ここには当時の武具や陶磁器などもあり歴史好きには興味深い。入館料\200で具足の着付けまでしてくれる。大島大橋、伯方橋を渡って、伯方島は素通り。大三島橋まではあっと言う間に通過。

 

 大三島では多々羅しまなみ公園で昼食。穴子寿司や鯛めしなどを頂く。これも美味い。多々羅大橋まで上る途中に何故か海上自衛隊のヘリがある。後で調べてみると、大三島には大山祇神社という戦いの神様を祀った神社があり、その関係だと思われる。この辺りでは体操服の中学生集団がサイクリングをしていた。

 

 多々羅大橋からはジャンケンで負けた人が通行料を支払うことに。まずはAが\400。生口島でもサイクリングロードを離れて南側の海岸線を走る。走りやすい道ではあるが見所はあまりない。きれいな景色も変化が少ないと見飽きてしまう。途中、みかんの直営販売所を見掛けて立ち寄る。見た事も聞いた事も無い種類がたくさんあり、いくつか試食したが全て美味い。特に気に入った「はるみ」を1袋(10個位入って\500)購入してみんなで食べる。食べきれない分はお土産に。しまなみでは秋から春にかけて様々な種類のミカンが採れるらしい。夏場には特殊な冷蔵庫で保管されたものが出回っているとのこと。次の生口橋料金所ではHさんが負けた。


 因島では因島水軍城を目指す。山城のため上りは覚悟していたが、傾斜は予想以上にキツいしトンネルは怖い。それでも国道はまだマシ。国道から城までは10〜15%の上りが200m。必死の立ち漕ぎでギリ上り切った。駐車場で「はるみ」を食べてリフレッシュ。ここからは歩きで上る。少し進むとミカン箱に\200の文字が。高いなぁと思って中を見ると、¥200というのは何と袋入り。デコポンやハッサクなどが10個位入っている。車で来ていたらまとめ買いしたいところ。
 さらに階段を上り門まで行くと、この日は休みとのこと。それでも門は開いていたため行けるとこまで行ってみようと頂上まで上ると、下から見えた白い建物は実は櫓で、その隣に僅かに見えていた赤い建物が本丸であったことが判明。かつては毛利水軍の一翼として信長をも苦しめたとは思えない程こじんまりとしている。

  

 水軍城からは国道317号で因島大橋へ。ほぼ平坦。時間に余裕があったため因島記念公園に寄ってみる。ショボい。地図を見ると公園から直接橋まで上る道もありそうだが傾斜がきつそう。かと言って今来た道を引き返すのもつまらない。結局二手に分かれて競争することに。OさんとJが直接上るコース、HさんとAが引き返すコースで勝負したが、結果は直接コースの圧勝。公園を上り切ったところで料金所近くに出る階段があり、チャリを担いで上ったらすぐ着いた。

 

 向島では、まずはサイクリングロードを赤い向島大橋を左に見ながら北上。国道に沿って東に向きを変え、初日にAがコケた付近を通過して市街地へ。支所を北に曲がると山の上に尾道城が見えてきた。いよいよゴールも近い。2日目は余裕があったため写真もいっぱい撮れた。後から見てもこの日はみんな楽しそうだ。

 

 駅前渡船で17:00前に本州上陸。尾道と言えばやっぱりラーメンじゃろーってことで尾道駅前商店街にある「喰海」へ。ラーメンセットを注文。隣りのテーブルにとんでもなくかわいい女性がいた。撮影がどうのとか言っている。芸能人か?店のおばちゃんに聞くと9月から始まるNHKの朝ドラ「てっぱん」の主役らしい。思わぬ超大物に浮き足立つ4人。すぐさま携帯で検索すると主役の瀧本美織という女優さんであることが判明。写真を1枚お願いしたかったが、そんな雰囲気ではなかった。
 尾道駅前でチャリを輪行袋に収納すると17:30。すでに帰宅ラッシュは始まっている。電車内は寿司詰めとまでは言わないまでもそこそこ混んでいる。チャリを持って乗るのは大迷惑と知りつつも、ラッシュが落ち着くまで何時間も待つ気にもなれない。二手に分かれて乗り込んだが、かなり肩身の狭い思いをした。ラーメンを諦めていたらちょっとはマシだったかなぁ。
 総括としては、サイクリングロードはよく整備されていて走りやすく、しまなみの景色もしっかり楽しめた。トータル200km以上走れたのも自信になった。しまなみで食べたものは全て美味しく、出合った人はみんな親切だった。初日の極寒地獄も終わってみれば楽しい思い出の一部と思える。予定では、2日目は四国を走って瀬戸大橋で帰ることになっていたのだが、やはり天気がいい日にしまなみを走りたいということで急遽コースを変更した。結果これが大正解。

 

 後日、タイヤを外して隅々まで洗い、再び組み立てようとしたところ、後輪ディスクブレーキのパット間隔が狭くてディスクが上手く入らない。隙間を広げられるかなと思ってキャリパーのボルトをいじってみたらオイルが漏れ出した。もう自分ではどうにもならない。自転車屋に持って行くと、オイルをメーカーから取り寄せる必要があり修理費は¥3500とのこと。痛い・・・。

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