イトシイ コトバ

 

 

 

この盃を受けてくれ

どうぞなみなみつがしておくれ

花に嵐のたとえもあるさ。

さよならだけが人生だ

井伏鱒二「歓酒」

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晩唐の詩人、于武陵の漢詩「歓酒」を井伏鱒二が訳した一文です。

勧君金屈巵

満酌不須辞

花発多風雨

人生別離足

訳:最後にこの手にに残るのは、この身と心、それだけだ。
  人はわたしを掠めるように通りかかりはするけれど、
  わたしにちからが足りない所為ですぐに見えなくなってしまうよ、
  …ならせめて、この杯を乾して門出としてほしい。
  其れをよすがに生きてゆこうか、物覚えならよいほうだ。
  この差し出した杯を、さあ遠慮ならいらないよ。

         …ただ、ほんの少し塩辛いかもしれないが。     
 

井伏鱒二は、小説「黒い雨」で広く知られる作家です。

ことばの響きの美しさに惚れ、中学の頃から

ずっと好きだったんですが

これを訳した人間が 5歳で父と弟を亡くし、

戦中、戦後も様々な出会いと別れに直面した

井伏鱒二であることを知り、

よけいに感動を覚えるようになりました。

ひととおり学生生活を終え、

最近ではあまり別れの機会なんてないのですが

春になる度にこの詩を思い出して、

なんとなく悲しくなります。

               

             …でも、とってもきれいな詩でしょ?

 

 

 

 

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり

沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす

おごれる者久しからず ただ春の夜の夢の如し。

たけき者もつひには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。

                    〜「平家物語」冒頭〜

現代語訳

祇園精舎の鐘の音には、諸行無常

すなわち、この世のすべての現象は絶えず変化して

留まることがないという響きがある。

沙羅双樹の花その色は、

勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという

(この世)の道理をあらわしている。

(そのようなわけで)世に栄え得意になっている者も、

(その栄えは)ずっとは続かず、春の夜の夢のようである。

また勢い盛んではげしい者も、

結局は滅び去り、まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。
 

 

 

平家物語は、大概にして七五調が多いのですが

冒頭も、それに漏れずその形をとっています。

七五調の詩の最大の特徴である、優美でなだらかなリズムが

存分に生かされた詩です。

切なく、悲しい詩を

凛と美しく歌いあげる…そんなのに弱いんですよね…私(笑)。

『風の前の塵に同じ』は、歌手の宇多田ヒカルさんも

歌詞の中で使われてました^-^

 

 

ほどほどに愛しなさい。

長続きのする恋はそういう恋だよ。

 

シェイクスピア「ロミオとジュリエット」

 

もー、この詩について言う事は、何もありません。

 

本当に、この言葉は真理を突いていると思います。

さすがシェイクスピア!!!

 

若い間は、「もう貴方しか見えない!!」で

突っ走るのもいいと思いますが(おばちゃんか)

だんだん年を重ねるにつれ、分かってくるんですよね…

『飽き』、『慣れ』の恐ろしさ。

『束縛』、『支配』の窮屈さ。

これらはすべて、恋愛の大敵です。

恋愛は自慰じゃないんですから、自分勝手に振舞っていれば

崩壊するのは自明の理。

 

飽きられないように、自分を磨き

慣れすぎて、相手に甘えないように気を配り

束縛されない程度に、忙しくても相手をかまってあげ

支配されないように、自分の意思をしっかり持つ

 

……ま、色々書いといて何なんですが

それが出来りゃ苦労しないですがね。

(なげやり)

 

 

愛とは何か、本当は私にはわかりません。

愛と言うのは、執着という醜いものにつけた仮の、

美しい嘘の呼び名かと、私はよく思います。

伊藤整「変容」

 

希望とは、もともとあるものともいえぬし、

ないものともいえない。

それは地上の道のようなものである。

もともと地上には道はない。

歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。

魯迅「故郷」

 

 

 

愚か者は

幸福がどこか遠い所にあると思い込んでいる。

利口者は幸福を足もとに育てる。

ジェームズ・オッペンハイム

 

 

 

 

賢くなろうとして

本や黒板に教えを乞うてはならない。

天と地と林と木の葉とは、

本当に子供らを賢くするであろう。

コメニウス(教育学者)

 

 

 

 

命とは、

セックスで感染した病気である。


ガイ・べラミイ

 

 

 

 

 

「頭で考えるな 肌で掴め」

燃えよドラゴン:ブルース・リー

 

 

 

 

 

人生とは、ただ、人と争ふことであつて、その暇々に、私たちは、何かおいしいものを食べなければいけないのである。

太宰治 如是我聞

 

 

 

 

 

 

女は、恋をすれば、それつきりです。ただ、見てゐるより他はありません。

太宰治「女の決闘」 

 

 

 

 

 

人生は一箱のマッチ箱に似ている。

重大に扱うのはばかばかしい。

重大に扱わなければ危険である。

芥川龍之介「侏儒の言葉」

 

 

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