市販のLED豆電球(電池4個使用)を比較してみた →(電池2個用LED豆電球)
---------------最終更新日:2010.3.7
前置きは電池2個使用LED豆電球を参照。
ハロゲン球、ゼノン(クセノン)球と置き換えると、光量の減少にガッカリするが、クリプトン球以下なら、検討する価値はある。
フィラメント球の明るさは、ハロゲン球>クセノン球>クリプトン球>通常の豆球 の順。
LED豆電球に替えることにより、水中ライトなど特殊な仕様の豆電球タイプの製品の延命、あるいは電池寿命、耐衝撃性等の性能の向上が期待できるのは特筆すべき点だ。
今回の目的は、防災用完全防水ヘッドランプの運用可能時間の延長にある。(参照 装備ページ)
密閉構造のライトでニッケル水素電池などの二次電池を使用した場合、気体が発生し、破損する可能性がある。
防災用品では、いつでも使えるように電池を入れている場合が多い。もちろんバックアップの新品電池は必須だ。
しかし、この電池入れっぱなしの消耗状態でも長時間使えるというのは防災上重要な利点といえる。
今回の実験目的に使えそうなLED豆電球は、現時点で(2010.2.11)主に3カ所から入手できる。
1、(株)大日向
ネットからホームセンターに至るまで、多くの流通経路で入手可能。
4発LEDタイプの製品。2.5V(電池2個用)、4.8V(4個用)、7.2V(6個用)あり。
ソケットは差し込み式のみ。ソケットの抜き差し(下図)で極性を変更できるのは、良いアイデア。
パッケージングのトラブルがあり、こちらもメールしたら誠実に対応してくれた。
2、Yahoo!オークション
「LED 豆電球」で検索すると「これは面白い!」でみつかる。4発LED素子封入タイプの製品。
極性あり(尻+,胴−)
3V(電池2個用)、6V(4個用、明るさは同じ)があり、それぞれにねじ込み式と差し込み式ソケットがある。
ノーブランドだが、対応は迅速。 時々旅行でオークションお休みの場合あり。
3、Yahoo!オークション
「LED 豆電球」で検索すると「自転車6V発電機用」でみつかる。直流タイプのものも製作してくれる。
2発LED素子封入タイプ(330円)と4発LED素子封入Flux(拡散)タイプ(380円)が購入可能。 安い!
基本的にねじ込みタイプのソケットだが、P13.5sの差し込み式でも作ってくれる。
3.6V、4.5V、4.8V、6Vの製品が製作可能とのこと。極性あり(尻+,胴−)だが、変更可能。
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実験2(電池4個使用のLED豆電球) →実験1 BF-140P(電池2個用LED豆電球)
単三電池4個使用タイプのNational水中ヘッドランプBF-181(生産終了)に4種類のLEDバルブを試してみた。
ただし、LED豆電球の尻/中央電極が(+)のため、BF-181では極性が逆となり、大日向のOH-901以外では電池を逆向きに入れる必要がある。
うまいことにBF-181では構造的に電池の逆使用が可能。
後継機種のBF-181cでは、このような問題なく普通にLED豆電球/中央電極(+)と交換できる。
実験条件を揃えるため、同一のヘッドランプに5種のバルブを付け替えて撮影。
防災用の買い置きPanasonicアルカリ電池(使用推奨期限5年、〜2011年1月)のため、新品電池、あるいは他の種類の電池を使用した場合は、照度が変わる可能性があります。
同一条件下での、相対比較と言うことで見てください。
撮影条件(OlympusC-5050Zoom、マニュアル撮影、1",F4.0)。
壁から0.70m離して照射。 中心部の最も明るい照度を測定値とした。 壁のタイルは一辺30.5cm。
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Panasonic純正クリプトン球 中心照度2724lx |
これは面白い4LED 中心照度204lx |
自転車2LED 中心照度87lx |
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自転車4LEDFlux 中心照度74lx |
大日向OH-901 中心照度165lx |
比較 BF-267P(強モード) 中心照度785lx(弱モード127lx) |
同一のヘッドランプに5種のバルブを付け替えて撮影。
撮影条件(OlympusC-5050Zoom、マニュアル撮影、1",F4.0)。
発泡スチロール板から2.5m離して照射。 中心部の最も明るい照度を測定値とした。 板幅は91cm。
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Panasonic純正クリプトン球 中心照度181lx |
これは面白い4LED 中心照度11lx |
自転車2LED 中心照度3lx |
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自転車4LEDFlux 中心照度1lx |
大日向OH-901 中心照度7lx |
比較 BF-267P(強モード) 中心照度31lx(弱モード5lx) |
名称/メーカー
|
電流/A
|
電圧/V
|
電力/W
|
指向特性/°
|
光度/mcd
|
中心照度/lx 0.7m(2.5m) |
極性
|
LED
|
価格/円
|
krypton球/Panasonic |
0.3
|
4.8
|
2724(181)
|
-
|
-
|
118
|
|||
これは面白い4LED/? |
0.08
|
6
|
0.3
|
25
|
204(11)
|
あり
|
?
|
900
|
|
自転車2LED/? |
0.04
|
6
|
0.24
|
30(半減角)
|
|
87(3)
|
変更可
|
?
|
330
|
自転車4LED Flux/? |
0.08
|
6
|
0.48
|
75(半減角)
|
|
74(1)
|
変更可
|
?
|
380
|
OH-901/大日向 |
4.8
|
165(7)
|
なし
|
日亜化学工業製 LED |
1344
|
||||
BF-267P/Panasonic |
785 (31)
|
ハイパーLED/強
|
open
|
||||||
127 (5)
|
ハイパーLED/弱
|
0.7m、2.5mの距離で中心部の最高照度を測定(GA-03)したところ、クリプトン球では一桁違う値が測定された。
ただ、見た目の印象は数値差ほど感じられない。 距離があるとFlux(拡散)タイプはつらいものがある。
その他のものについては、近距離用ハンドライトとして十分使用に堪える。
明るさか電池寿命か、使用目的によるだろう。
価格性能比から、BF-181、BF-181cに搭載するLED豆電球の候補は、これは面白い4LEDか自転車2LEDに絞られた。
純正クリプトン球と この2製品について、BF-181cを用いたスタミナ実験を行った。
追加で、大日向OH-901も実験した。
実験条件:同一パックの災害用備蓄Panasonicアルカリ電池(使用推奨期限5年、〜2011年1月)を使用。
新品電池などでは、結果が異なると予想されます。同一条件下での、相対比較と言うことで見てください。
1.00mの距離で発泡スチロール板に照射。それぞれの中心照度の最高値の変化を測定した。
実験日 :2010.2.14〜21、2010.2.26〜3.2
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画像は左から自転車2LED、これは面白い4LED、クリプトン球の順。
撮影条件(OlympusC-5050Zoom、マニュアル撮影、1",F4.0)
ハイパーLED搭載のBF-267Pは、新品アルカリ単四電池4本で、強モード連続4時間、弱モードで20時間。
(マイナーチェンジしたBF-267BP(2010年3月発売)は、仕様はほぼ同じで、強モードが10%ほど明るくなるらしい。)
BF-267Pの弱モードは、今回テストした3つのLED豆電球の中間くらいの明るさであった。
同じ水中ヘッドランプであるが、BF-267Pに対し、BF-181及びBF-181cの優位な点は、単三4本仕様で約2倍以上の電池容量を持つことにある。
さすがに明るさでは太刀打ちできないが、スタミナ勝負という場面では、LED豆電球に分がある。
高容量の電池と低消費電力のLED豆電球の組み合わせは、長期戦に強い。
あとは、想定される使用状況に応じていずれかの製品かを選ぶのが良さそうだ。
逆二乗則から、距離1.00mでの照度を6.25で割れば、ほぼ2.50mでの照度となる。
日本工業規格JIS Z 9110「住宅の照明基準」では、深夜の病室、便所、階段、廊下では1〜2lxが必要と定めている。
また、満月の明かりは0.2lx程度だという。
より明るいに越したことはないが、全く照明のない状況下の夜間災害時、約2m先で5lxもあれば十分活動できるだろう。
結論
防災用水中ヘッドランプBF-181には自転車2LEDの中央電極(−)タイプを搭載した。これだと電池の入れ間違いがない。
BF-181cには、これは面白い4LEDが3倍の値段だが、現状では最も良さそうだ。
また、防雨型ヘッドランプBF-185(単一4本)にはメインのゼノン球(4.8V,0.7A)の他に手元灯が装備されており、こちらもメインランプと同じゼノン球が使われている。(参照 装備ページ)
予備球としての意味もあるのだろうが、予備球用の固定具は別に内部に用意されており、手元灯は自転車2LEDのLED豆電球で置き換え、より効率的になるようBF-185内部を改造した。
ハイパワーゼノン球とスタミナLED豆電球でゼノン球2(メイン、予備)、LED豆電球1(手元)の構成となる。
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